マリアンヌあなたが眠る七月にあなたが強く響くのを聴く



マリアンヌ七月の原をふりかえり星の海を見つめつづける



マリアンヌ石壁を越えあなたへと滴のような声がしたたる ....
    思いもよらない場所に
    手が くちびるが
    触れてゆく
    思いもよらない場所に


    いるはずのないひとの
    手が くちびるが
    ....
    半分くずれた家のなかで
    少女は少年を待っていた
    ほこりっぽい昼の陽が
    砂を焼くにおい
    うっすらと差し込む光の帯を避け
    髪を短く切り ....
 


    すべての星をつないで  ひとつの星座を作りたい


    火でできた椿の  輪を作りたい


    空に映る地の原に  咲く花を見たい


    海に落ち ....
朝が近づき
朝が持ち去る
行方の見えない道をゆく
朝に現われ
朝に消える
直ぐにかすんだ道をゆく


明るい雨のなかをすぎ
銀に鋳られた道をゆく
歌を見つめ
空を見つ ....
    頭に首に
    指という指 一本一本に
    背の片方に
    羽が生えてゆく痛み


    金色のかたまり
    水はじく肌
    空を知らない

 ....
    蝶のための海岸
    岩に潜るもの
    砂粒を喰むもの


    夜のにおいの枯れ庭に立ち
    ふいに風を振りかえるとき


    ヴィンセント
 ....
眠る光を背に
夜を見る
燭台の木々に
風が点る


道のにおいが漂ってくる
逃げも隠れもしない水音
細やかにひと粒ひと粒と
葉の上に置かれる鉱の冠


枝から枝へ
 ....
灰は青く巻き取られ
奏でるものと奏でられるもの
かわるがわる入れ替わり
奏でるものもまた響き
明ける光に重なってゆく


小さな声が
小さな世界が
現われては消え現われる ....
言葉になる前の言葉から
鳥は滴にしたたり降りる
空になり木になり土になり
重なる光にひらきひらかれ
目をふせ ひろく
ひとつにたたずむ


夜の雨音の冷たさが
肩から腕へと流 ....
憎しみを憎めぬ己に目をつむり走りつづける霧の日の朝



手をつなぐふたつの季節の境いめのついばむ鳥さえいない花の実



何もかも光も土も不確かな滝のように流れるふち ....
石の階段
午後の黄緑
低い風が乱す水面
数える間もなく
ひとつになる曇
水の上から 動かない曇


空の水に落ちる光
高く高く沈み遠のき
にじむ羽のあつまりの
まわり ....
遮断機が下り
列車は近づき
他の音は止み
鉄路になびく
草の背は蒼
草の背は蒼


薄い曇が
空を覆い
星は絶えず
北へ流れ
呼びつづけても
夜はひとり
月はま ....
土のなかの心臓から
水煙の姿に羽はのび
雨の色
樹の下の冷たさ
したたる音の葉を伝えてゆく


雨の奥を飛ぶ声があり
ゆるやかに近づき通りすぎ
高みへ高みへ去ってゆく
 ....
緑の瞳
銀の髪
あなたは誰とくりかえす
あなたの金のほころびを
激しく雨が降ったあと
川の流れが増すときに
面妖達は遊びはじめる
水草と樹と両岸を
ひと筆につないだふちどりが
そのまま激しく動き出すとき
じっと見つめすぎてはいけな ....
まともな人たちが
まともなことをやり
まともなままでいるのを見ると
ああ この人たちは
まともでない人たちを
滅ぼそうとしているのだなと
恐くて恐くてたまらなくなりま ....
風を含んだふくらみが
道からひとり飛び立とうとしていた
波は空を洗いつづけて
地平に着いては羽になった


指は闇に触れていき
倒れたままのかたちを知る
波を無色の魚 ....
たくさんの葉のなかの
ひとつだけが震えていて
どこか見えないやわらかなものへ
届かないくちづけを繰り返している
なにゆえに見放すことができようか我が奥底に棲む群盲を



しかばねの多さに目を突き哭き叫び地獄の番犬喰らう日に記す



何億人殺めようとも救われぬ我が魂に触れるもの ....
風と草がつくる螺旋と
屋根の上の鴉をひたし
雨は雨の光を撒いて
ひとつふたつと陸を離れる
水が水に与える冠
ひととき またひとときと
川のかたちの既視となる午後


小さ ....
銀に生まれる朝が来て
蒼や灰の約束は
果たされたまま
果たされぬまま
みんな静かに並びはじめる


ひろい光の場所があり
滴は滴のままでいる
新しい歌がひとつあり
球面 ....
遠去かる陽がうなずいた草の輪にやがて降り来る雨のふちどり



痛む目となだらかな背を持つものは皆それぞれにぽつんとしている



ひとりだけ此処に居ること奏でれば返る応え ....
蒲公英
背の高い蒲公英
雀を追って降り立つ鴉の
姿を覆い
目を眩ませて
揺れる蒲公英



鴉 悲しいか
雀はいない
揺れる緑と緑の隙間に
わずかに震える渇いた土が ....
「昨日はふたつの嘘をつきました今日は今日とて数え切れずに」



たくさんの傘が車道をすぎてゆく雨上がりの陽に影を失くして



風あおぎ枯れ川の春祝うのは帰る場所無き ....
春の花ほつれゆくまま雨模様



現し世のなべて二重の涙かな



雨の舌双つの蝶を行き来する



手のなかに生まれ滅びる己かな



留めおく術も失くし ....
休日の朝だけ傍若無人の人


「役立たず」叫んだ後悔あとに立たず


部屋のなか足で優雅にコーディネート


ぽちゃぽちゃと茶のなか茶柱バク転す


平日の何が「平 ....
赦すがいい赦せぬものを赦すがいいおまえがおまえでありたいのなら

できませんどうしてもそれはできませんわたしがわたしでありつづけるなら




かがやきのただ ....
    


気づくと右手は濡れていて
描きはじめたばかりの夜に
銀色の線を引いてしまった
見る間に乾く三日月の下に
明日の朝には消えてしまう
羽や光を書きつらねていた


隠さ ....
島を結ぶ浅瀬の夜を
かがやくゆがみの輪が照らす
ほつれつづけるふちどりが
わずかに時間を押しのけている


歩きつづける影のそばに
何かを取り去られたかのような
大きなひろ ....
木立 悟(2329)
タイトル カテゴリ Point 日付
ノート(マリアンヌ)短歌605/7/8 17:58
ノート(35Y・6.30)[group]未詩・独白305/7/8 16:17
ノート(35Y、5.9)[group]未詩・独白105/7/8 16:16
ノート(34Y・3.3)[group]未詩・独白705/7/8 8:41
銀領歌自由詩505/7/7 14:01
ノート(31Y・9.11、12、13)[group]未詩・独白205/7/7 9:36
ノート(31Y・9.10、27,28)[group]未詩・独白205/7/7 9:35
夜の手自由詩505/7/5 17:20
奏朝自由詩505/7/2 16:46
夜の音自由詩405/6/28 20:32
霧の日短歌605/6/26 16:19
棘と雛(残雪)自由詩305/6/24 23:08
鉄夜自由詩605/6/22 17:48
土と素足自由詩205/6/20 16:34
ノート(ほころび)[group]未詩・独白105/6/19 20:46
ノート(面妖)[group]未詩・独白2*05/6/19 20:45
ノート(まとも)[group]未詩・独白405/6/19 20:44
朝水自由詩405/6/19 7:19
ノート(くちづけ)[group]未詩・独白605/6/15 20:50
ノート(業火焦心)短歌4*05/6/15 20:48
午緑(指先)自由詩405/6/15 18:03
生まれる朝に自由詩305/6/13 15:28
ノート(窓)短歌805/6/10 22:19
迷い  みどり自由詩405/6/9 22:29
手紙短歌705/6/8 1:34
花と涙俳句1105/6/8 1:30
休日川柳3*05/6/8 1:26
ノート(会話)短歌505/6/7 17:47
描夜(指)自由詩305/6/6 16:35
灯夜行自由詩305/6/4 21:45

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