光もなく影はあり
暗がりの上ゆうるりと
さらに暗いものが映りひろがり
そこだけが薄く押されたように
夜の道にたたずんでいる


得体のしれない心が歌い
海辺をひとり歩い ....
夜の空の
黒い花が飛び去る
遠くと近くの二つの雨から
異なる水のにおいが吹いてくる
道から道へ 連なる星へ
祭の砂はふりかかる
立ちつくす者の目に痛い光が
ひと ....
風が急に冷え
空を這うものの音が聞こえる
濡れた道が立ち上がり
差し出された手のなかの水には
夜と朝の境い目を
白く明るく消し去るものが微笑んでいる


神 ....
生きものは鳴き
瞳はわずらわしく
感情は押し寄せる
帰路と無と天使の欲
魂の上の水しぶき
誰もいない冷たさをもとめて
白い光へと腕をひらく


首に残る ....
恐れがあり
軋む音がある
雨が朝を埋め尽くす
そこに無いものさえ現われを捨て既に在り
私は自分を脅す自分に気付く



痛みの無い棒状の音が
私を眠りから ....
棚から落ちて
壊れた箱から
ころがりいでた
あねといもうと
今日は何をして遊ぼうか


ことのほか色を見たいのに
絵の具はどれも薄れてしまった
むらさきになるまでたた ....
石ころ  カケラ
蝶羽の化石
ガラスの鍵のかさぶたの
目の行く先は{ルビ心臓=しん}の肉
   Revendo Zhrouh Liyith
            ....
天馬の陰を回って
葉を散らす
幼い水たまりの上をかすめ
小鳥を骨まで喰らう
光も照らせず
闇も隠せぬ
うとまれ うやまわれ
相反する力で宙に浮く
おまえたち ....
{ルビ寒気=かんき}の傷
素手しか使わず皿まで喰らう
激しい美食家たちに囲まれて
{ルビ砂傍=さぼう}と{ルビ別梳=べっそ}に
おまえの知識は吸いとられてゆく


 ....
世界はひし形に連なって
かけらとふるえをこぼして廻る
こぼれたものはひかりかがやき
水草を愛でるかたちとなって
午後の流れにひたされてゆく


青と青がつながって
空から空 ....
光は翳りの青に水
隠された刃の嘆息を見る
雨は何も濡らさずに
ほんの{ルビ我頭上=わずか}に平たくとどまる



夜ともなればあたりは静かなうなりを残してしん ....
私の渦よ
手のひらをゆく
雲にふれるな
落葉を裂くな
くるくるまわれ
息をきらして
ぎやまんの光
おまえにやるから



私の渦よ
死にそこねた蝶よ

 ....
遠い地からよみがえる
緑の射手のあの声が
密かにはねて



この世に飽きた人々の背の
ひろさに合った板を取って
引きずり歩く
見わたすかぎり伝道者の町を


 ....
幽霊の歴史を持つ国よやって来い
肉の息を切りひらき
何者かの空腹からやって来い
何を踏みつけ
何を苦しむ
折れた風
折れた芽を運ぶ
糸羽の国よやって来い

 ....
窪みを照らす草の色
私の言葉はまだ実らない
土のにおいのする
沈んだ村のような湿原を私は歩きたい
狂った身体を引きずって
救われすぎた魂のために祈りたい
風を喰 ....
鳥のかたちをした穴が
空に無数にあいていて
誰かが底からこちらを見ている
誰かと仲良くなれなくてもいい



猫のかたちに溶け残る雪が
猫のかたちの壁のよごれに
小さく小 ....
斜めの道を歩きつづけて
直ぐの道に出たときの
めまいにも似た左の震え
つまびく果てのリフレイン


穴だらけのひろい通りを
下を見ずに駆けてゆくとき
街を横切るもうひと ....
光に向かい
深くうなづき
閉じた瞳の匂いを嗅ぐ


降る雪を見つめ 招き入れ
空洞の柱を積む音が
鐘のように鳴り響いている


枝の雪は枝から解かれ
見えぬものの ....
月の予感に空を見る
私の水が粉と舞う
遠くの人家の吠え声が
空の緑に波を刺す
蒼に染まった雲を追い
地平に沈む夜を見る


せめぎあう
小さな音たち
せめぎあ ....
{ルビ殪=たお}し{ルビ殪=たお}されるもののすがたかたちが
地から離れ重なり 再び降り立つ
舞うものたちと逆に回る花
乾いた土の上ではじける血
低い緑の中にひとり ....
欠けた星が昇り鳥を追う
灰の大陸と
薄暗い蒼の大陸をかきまぜながら
夜の光は地ににじむ
倒れた木々は生きつづけ
枝は沈む光に向かう
死は重なり生は隙間を埋め
 ....
水たまりから鳥が去っても
底の底に鳥は残る
生きものの口が触れた水
濃に淡に無のように
まるい骨をめぐる砂


炎は鎖
朽ちた舟の碑
子供のかたちに飛ぶ鬼火
 ....
さびれた館の馬像の陰から
子供が数人こちらを見ている
塀は陽に照らされ指にやわらかく
その上で子供のひとりが
虫喰いの木洩れ陽を目にあてて笑う



水たまり ....
朝 窓
陰の光
風で息づく静物たち


個の
亜の
景色の粒
戯れたあとの汗


雲がたちこめた空
ほんの一瞬 かがやく庭
焦げた葉ずれ音

 ....
王が死に
幼いその口に入れられるのは
黒白鳥の羽ばかり
色と光が人々をおびえさせ
細い指に触れる者さえいない
遠まきに見つめ 目と目をかわすだけ
川の音がしだい ....
ゴミ箱はふたつ 横になっている
ほら そうして寒くなってきた
手も尻で 足の指が離れないまま片方の膝から下が無い
こうして時々積み上げておいた亀裂の前にやって来て
わずらわし ....
ひとつ折り ふたつ折り
細い道に鳴る影踏みと
冷たい明かりの向こうには
まどろみに似た水の花
白くほどけるふちどりの花


空から地への階段が
何の色もなく音もなく
その ....
闇の強弱
白濁の線
消えていく水中の渦巻きよ
途切れない声
砂画の雪
新たな汚れと共に降る


野生の宇宙
Gの付く人工自然
この泡だちに名を与えてはいけな ....
落ちる雲
水に映えて
静かに踊る
非人称の君


一人もどって
も一度誰も
連れずに駆ける
非人称の君


鉛の地図においでおいで
磁石を飲み ....
光の点の物語
夜の喪に立つ蒼い{ルビ蝋柱=ろうちゅう}
けものの笑みが途切れ途切れる
風が廃駅を削いでいく
茶のひろがりの終わるところに
金にかがやく草で編まれた
 ....
木立 悟(2331)
タイトル カテゴリ Point 日付
未明とむらさき自由詩406/2/21 17:37
独 Ⅲ自由詩206/2/20 23:28
独 Ⅱ自由詩006/2/20 16:17
独 Ⅰ自由詩006/2/20 0:29
熱油光自由詩206/2/18 23:58
ノート(たからばこ)[group]未詩・独白506/2/18 20:26
舞気 Ⅱ自由詩006/2/18 20:19
舞気自由詩006/2/18 17:50
おまえに自由詩106/2/17 17:59
ノート(変わらぬもの)[group]未詩・独白106/2/17 17:37
にじみよや自由詩206/2/16 17:57
そよぎ姫未詩・独白406/2/16 12:13
夜身未詩・独白006/2/16 12:09
シリウスの眠り Ⅵ自由詩206/2/15 22:54
シリウスの眠り Ⅱ自由詩106/2/15 17:48
ノート(なかよし)[group]未詩・独白106/2/15 17:22
レイン リフレイン自由詩4*06/2/14 20:08
夜のはじまり自由詩106/2/13 17:06
郊外湿地[group]自由詩406/2/13 6:31
銀砂光獣自由詩106/2/12 13:08
冬原霊自由詩106/2/12 0:35
自由詩206/2/11 17:34
祭の客自由詩606/2/11 6:32
不在者自由詩206/2/10 23:48
川を渡る人々の地自由詩106/2/10 17:29
Beyond My Room自由詩2*06/2/9 23:57
降り来る言葉 XXII[group]自由詩006/2/9 18:23
緑詩歌自由詩106/2/9 12:42
非人称の君自由詩106/2/8 23:37
水獣域自由詩606/2/8 17:52

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