雪の匂いがする息を
吸い込んで 白く染める
黒いキャンパスに
描きたいように 描きたいだけ吐き出して

空へ眠る
意識を遠く放して
より暗く より黒く
僕の世界を塗りこめて

冬の ....
白と黒
浮いて沈んで転がって
押し出された僕の世界
通り過ぎて
恍惚と

視力はなくただ暗い
薄っすらとした現実で
枯れて枯れまた枯れて
何遍でも崩れて消えてゆく

ぐしゃぐしゃ ....
生きてゆくことの危うさ
悪意なんてない
少し踏み外しただけさ
それで人がまた一人 死んだよ

僕たちはわかりあえない
事勿れ主義の神様
あなたのおかげで今日もずいぶん
赤い血が
青い ....
油絵の夜を逃げ出した。
すっかり晴れた気分だが
本物の太陽少し眩しくて
早速蕩けてしまいそう。

憧れた世界。
これが案外広いんだ。
憧れの在処は意外に遠いから
君に手紙を書くよ。
 ....
空、止んじゃって
飲み込みの悪いびしゃびしゃ
その青さなんてどっかいっちゃって
仄明るいコンニチハ。

響く草の根
落ちた地面に
染み渡るその震え。

【春】だなんて言わないで
も ....
ホルマリン漬けの妄想
強制終了かじりとった
だって、指生えたんだ。

だって、指が生えたんだ。
それを毟り取ろうにも
できないだって、指生えたんだ。

刹那を彩るには何色がよいかしら? ....
夜は耐え切れない
幾千幾万と千切れ降り注ぐ夢
このちっぽけな時間が手を伸ばし
歌うコップ一杯の空

何が白紙の無限性だろうか
人身事故が小躍り 
それは定めだった
お前らはヒト
 ....
塗りたくられた絵画
すべてを飲み込んで渦巻いた月が
見つめる 人間の生活

回転する夜
静かなんかじゃない蒼々として
酒気帯びの河原を歩く
運命の赤い虫

何も語らず折れ曲がり
 ....
水面は、奪われた。
溺れることはない。
浮かび上がる魚の眼が空を泳ぐ。
それは白く、美しい、魚だった。

私の水面は、奪われた。
月はつぎはぎだらけ。
縫いつけられて笑ってる。
眠 ....
終わりなきデジャヴュの牢獄で
嘘つきが細胞を蝕んで
穴だらけ
生温かな雨が溶かす真っ白な天井に
出口なんてない

手のひらで コロコロと

海の向こうの偏執狂が叫んでる
捏造の凱歌
 ....
魚、ありふれた、罪過。

魚の見る夢ではないのか?
僕の人生は、海の底で眠ってる。
時々僕は、息をすること忘れてる。

毎夜、溺れて目が覚める。
びっしょりと布団を濡らし、打ち揚げら ....
夜の街 爛れた皮膚に
舐めまわす猫の舌
黒ずんだ河 溺れ回る星々の
虚しさを大声で叫ぶ

ノートの上
無数の赤い虫を
叩き潰して書きなぐる
夢見心地 愛の詩

夜の喧騒
沈黙は煩 ....
春の陽射しに包まれた
消えゆく雪のその薫り
蒼白の日々の儚げな薫り

ひんやりとしたあたたかさは
春の命にとけて
空の色になって

泥に塗れた冷たさは
思い出を残すこともなく
 ....
窓を閉め切った真夏日に
枕に
むせ返る香水の薄靄に
顔をうずめて
真っ白な交わりを

まだ梅雨は帰らない

降りそそぐ
部屋中のアクロソーム
その先体構造に侵されて

私、 ....
僕と僕が語り合う夜
煙と溜め息の
化合物は昇天
夜と煙草と雨の
交じり合う微香空間
さてもう寝ようか
こわい夢を見る前に今日は
月の
背中の
粘着質な唾液の
日々の
なぞり愛 ....
ぐしゃぐしゃの猫に涙のご馳走はメロンソーダに浮かぶ死顔 今日と明日継ぎ目の時に迷い込む空疎な羽ばたき地下室の夜に 這い回る地面の底の綻びに
日の出の印象青白の明日へ
生き生きと夏の夜の土に
死に出す草は緑に光り
ああ夏の這いずる{ルビ地下水=ちかみず}顔を出し
顔を出そうと綻び弛ませ

這い回る地面 ....
這い回る地面の底の綻びに日の出の印象青白の明日へ  新月から満月へ

 大きな海を渡り

 透き通る手首は

 あと一歩のところで踵を返す


 誰も彼もが帰ってしまった

 絵画の中でただ

 揺れる

 存在感 ....
慣れない緑のTシャツ
肌につかないようで
服だけがふわふわ浮いているようで
もどかしかった晴れの朝

蜂たちのジリジリとした
衣擦れに怯えて
身を硬くする

少し大きめの蟻たちが ....
真っ白な
蛍光灯の黒点
君はどこからやってきたんだい?

天井の壁紙の
錆び付いたバクテリアの
その無数の笑顔の
悲しみの
笑顔の
悲しみ

真っ白は嘘
黄色でもないよ
 ....
すべての蛇口をきつく閉めて
沈む音を聴いたのならば
この意味不明の約束も
すべてほどけて崩れ落ちてはくれないだろうか?

明日はきっと透明人間
骨は沈んで肉は浮き
僕はきっと 透明人 ....
何でも知った風な顔をして
厳密に言ってやろう

厳密に言えば 
現在(いま)は現在(いま)たり得ない

全ては敏感に感じ取る
私の肌の所為
全てはびくびくと震える
私の神経の仕業 ....
木々の間からこぼれ落ちる月
あぁそうだ
あの空へ僕はもう一度帰れる
たしかにあの時そう思ったんだ

乾いた風を湿らせて
どこまでも走る 秋の土を

もう二度と戻れない
月日を想い
 ....
待っているのかな
「電源は入れておく」
君はそう言っていたけれど
 
やっぱり  不安
君はバカだと怒るだろう
……でも

画面の向こうで君は
僕を待っているのかな
待っていて ....
風に揺れるは夜
よせてはかえす 幽霊船
もうどこへも行きたくない

惑星帰りの顔色で
月に憑かれて踊った夜は
耳に蓋して寝てしまえ

薫るだろう?
彼女のすすり泣く声
金切り声 ....
夜は世界の焼け野原
焦げついた空の
薄靄を漂う光
巨人の左目は瞬き
夜は断続的に失われゆく時

浮かび上がる真夜中の刻印
世界の黄昏を導き
枯れ草の下でくすぶる業火と
責めたてる波の ....
斜めに射し込む陽
赤と青が溶け合う
海 漂う船

暗闇の中
生まれ落ちた光
焼き消された多くのものが
得たものは―

西風が吹き消す
空の蝋燭
勝ち得たものは
儚く脆く
海の ....
 ―小学校の運動会の無邪気な子どもの声。

 反戦が叫ばれる必要のあったとき、運動会を自粛した学校はあったのであろうか。こうして遠くから聞いてると、戦争ごっこにしか聞こえないのだが。運動会は、君 ....
チェザーレ(40)
タイトル カテゴリ Point 日付
11月のスピカ自由詩310/5/25 2:21
ピアノ自由詩110/5/21 2:02
シナルの民自由詩207/5/1 23:37
夜の窓辺に。自由詩407/4/5 12:51
はるさめ自由詩307/4/1 22:44
リハビリ自由詩407/4/1 1:39
ハルシオン自由詩406/10/28 5:16
夜は、まわされて自由詩406/10/21 17:51
海の宴自由詩806/10/20 11:21
掌中狂舞自由詩306/10/13 20:02
SAS自由詩506/8/24 5:17
幽霊自由詩406/7/28 8:25
春の陽射し、冬の残り香自由詩806/7/28 8:08
精一杯の梅雨で自由詩7*06/7/22 13:29
シニンにクチヅケ自由詩4*06/7/21 16:33
回想短歌1*06/7/17 23:33
変更線短歌2*06/7/17 23:25
「蠢く」主題による変奏自由詩3*06/7/7 15:19
蠢く短歌1*06/7/7 14:56
月にじらされ自由詩4*06/6/25 9:17
緑色のTシャツ自由詩106/6/21 11:36
まどろみ自由詩1*06/6/21 3:50
逃走煩悩[group]自由詩1*06/6/21 3:38
生温かな現実自由詩1*06/6/18 11:10
帰巣本能は月に吠える自由詩5*06/6/18 11:07
この画面の向こうの君へ自由詩3*06/6/14 13:25
青白いピエロが嗤う自由詩2*06/6/13 2:19
夜行性患者の夢の断片自由詩4*06/6/13 2:17
落日自由詩2*06/6/13 2:11
窓の外、風の匂い。散文(批評 ...0*06/6/12 2:14

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