11月のスピカ
チェザーレ
雪の匂いがする息を
吸い込んで 白く染める
黒いキャンパスに
描きたいように 描きたいだけ吐き出して
空へ眠る
意識を遠く放して
より暗く より黒く
僕の世界を塗りこめて
冬のスピカ拾い集め
春の空へ手をのばしてゆく
冬のスピカ 青い光
暗い夜 照らし出す灯り
枯れた季節の溜息を
閉じ込めて 水をやる
黒いキャンパスを
広げたいように 広げたいだけ染みにして
溺れていく
床下 深く閉じて
より暗く より黒く
僕の世界に染みこんで
11月の空は寒く
部屋の隅でひざを抱えてる
窓の隙間 手をのばして
光射す街に 散りばめた