SAS
チェザーレ


魚、ありふれた、罪過。

魚の見る夢ではないのか?
僕の人生は、海の底で眠ってる。
時々僕は、息をすること忘れてる。

毎夜、溺れて目が覚める。
びっしょりと布団を濡らし、打ち揚げられた魚のような姿で。

蒼ざめた唇をなめ、そっと溜め息を漏らす。
本当に必要?
問いかけながら。

魚、歩き出せば、さらに苦しい。

毎夜、魚は息が苦しい。
きっと必死でエラを探してるのだ。
いつかあの広い海へ、帰る日を夢見て。

蒼ざめた唇をなで、そっと呟きを漏らす。
あぁ、生きていて良かった。
暫定的な口取りで進化を諦める。

魚、過ちは、最期。

しかし僕は沈んでゆく。
太陽は重力をさらに重たげに照らすから。
昼間、僕は魚になる。

魚、明日には、去りゆく幻。





※Sleep Apnea Syndrome(睡眠時無呼吸症候群)


自由詩 SAS Copyright チェザーレ 2006-08-24 05:17:33
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