降り止まない雨が
心の奥底に言葉を溢れさせ
魂の隙間から
零れ落ちるような光滴たち
無数に煌めき散逸する
終わらない旅路の果てに
訪れるもの一つさえ
想い描けないなら
何億もの地上の眼 ....
たおやかな
緑の群れ
揺れて
踊る影は
光の万華鏡
私は静かに傾いて
遠くの森のざわめきを聴く
真夜中が近づいている
ベランダに出て夜風にあたる
ゆるやかな風が吹いている
街灯の列が何処までも続く
なんて素敵な夜だろうと思う
昼間森で見た紫陽花の群落が
今頃青く光っている
風は優し ....
こころの底から
湧き起こる
未定形な
奇妙なもの
知覚の門にぶつかって
イメージと融合し
充たされ
深い夢見に
沈んでいく
記憶の奥に戯れて
未知なるヴィジョンを携えて
....
夏は静かな川遊び
彼岸に逝く人
此岸に来る人
川の流れは絶えずして
海の潮を落としては
彼岸から此岸まで
底から河童もやって来る
誰かがシャワーを浴びている
雨はすっかり止んでいた
林檎を囓る少女が独り
光は妙に屈曲して
迸る水を艶かしく
向かいの鏡に映していた
今夜は早々と眠りに落ちる
明日はきっと晴れる ....
わたしはなぜここにいるのか
青天の霹靂、揺れ動く大地
奇跡のように時は流れ
沸き起こる歓びに包まれて
わたしはなぜここにいるのか
内省を突き破る、情念の牙
骨を動かすと
神様が降りて来る
筋肉を震わすと
宇宙が笑う
みんな、みんな
大好きなんだ
生きて息して
居て下さい
突き抜ける青、天空に
たましいは今日も饒舌だ
....
瞬く
無数の星が
渦を巻き降って来る
哀しみは剥き出され
眩む意識を抉られ
永遠の雨、永遠の流星群
たましいは冷え
にくみは凍え
いのちは震え
行き着くところまで
....
明るい空が広がっている
陽射しは銀に眩めいて
照らされる街は浮き立って
在ること、在ること
不思議な時
アイスコーヒーを啜っている
わたしが今、此処に居る
一雨毎に深まりゆく
この春日に佇んで
私は浅く息を継ぐ
虚脱の朝に不安な昼に
剥ぎ取られてしまった色を探し
*
記憶の奥の入学式
通り過ぎてく畑の野草
お母様と手を繋ぎ
....
ついこの前まで
白い花を咲かせていた樹木が
早くも新緑へと移り変わり
午後の日差しに照らされて
青々と輝き揺れている
その木の根元を
春の青大将の群れが
唸りを上げて進んでい ....
灰の雲が切迫する
降りだす雨の連弾
無表情な反復に
放擲される
夜の戦慄
深淵が口を開く
絶対的な無力の露呈
剥き出しになる在る
立ちはだかる巨大な壁が
奈落の底へ崩落し続け
....
うつらうつらする
この午後に
鳥は囀ずり
地は照り映え
私の憂鬱と倦怠は
一吹き風に溶けていく
)なんて優しい午後だろう
)遊ぶ子供の声が窓辺から
)うっとりゆっくり流れ込む
) ....
一瞬の煌めきが
遠い浜辺を舞っていた
青白く輝き揺れ動き
打ち寄せる波に曝されて
遠い浜辺を舞っていた
永遠の持続を分節し
束の間の自由に躍りながら
滅びる先を見つめている
満ち引 ....
暖かな日差しに包まれ
うっとり微睡みながら
この星の一日を過ごす
仄かないのちの感触が
次から次に押し寄せ
くっきりとした輪郭を
束の間こころに際立たせ
暖かな日差しに包まれ
....
ロシアカラーの風船が
大空に呑まれていく
青い青い海原だ
人々の悲嘆が木霊する
この侵略に終わりはないのだと
権力の野望は恐怖に基づくのだと
旗を振りスマホをかざすその傍を
ヒーロー ....
死への願望を超え
魂の故郷を予感するとき
もう一つの現実に達するため
このわたくしを祝福する鐘が鳴る
遠く包み込むその響き
黄金の木霊に意識は遠退き
立ちはだかる壁を突破する
憧れて ....
ひろびろ青がひろがって
鳥の群れが行き過ぎる
街は熱波に曝されて
子らの午睡を浅くする
*
ちから抜けちから抜け
胸にわだかまる戦慄を
呑み込みおれは街を行く
こんなにひろ ....
別の匂い、
別の音、
別の光景、
別の次元
飛び込んで
掴み取って
受け容れて
歓びに充たされ
飛翔する
記憶を遡行し
新たな銀河にたどり着いたなら
この肉体いっぱい弾け ....
晴れ間が広がり
光の庭
洗濯物はのどかに泳ぎ
遥か遠方の戦場を
透かし彫りに浮き立たせる
微睡む日の本、昼下がり
誰一人居なくなった
遥か遠方の銃声が
無人の庭に響いている
....
風は凪ぎ
コンビニの旗ははためかず
過ぎる人影は伸びきって
黒い大地に貼り付き
青い天空を望んでいる
応答せよ、宇宙
渦巻く銀河を木霊させ
不断の日々の反復に
亀裂がいつしか入 ....
今宵、懐かしく
灯が点り
生まれたばかりの感情が
せわしくせつなく
揺れている
(遠い故郷を追いかけた
夢見の中に居るように
深い夜は透明な
滴に濡れて更けていく)
心の底の永 ....
こうべを上げれば
新緑、
濃密な匂いに青空は映え
降って来る降って来る
新たな一日の始まりが
吹き抜ける風に
透きとほる
奇妙なものに
取り囲まれ
見知らぬものの
浮き立つ
わたしの回りで
しなやかな輪舞を
繰り返し
奇妙なまま
見知らぬまま
ひたすらに
自由を分節し
いつしか
あっけなく
呑ま ....
ひかり、在り
暗がりに射し込む
ひかり、在り
朝の静寂に包まれながら
僕は大きく息をする
昨日と同じように
一昨日と同じように
繰り返す日々を掲げ持ち
また新たな一日を掴み取る
....
西の空が
赤銅色に燃え残り
薄暮が辺りを包む頃
俺は拳を握りしめ
一心不乱に進んでいく
胸の奥処に蟠る
抑えがたい不安感に
鼓動激しく息を継ぎ
夕闇の道を進んでいく
西の空が
....
突破していく
日々の翳りを
うねる海原をひかる峰を
広々と見渡し
凋落する時間には目もくれず
この虚ろな日々に
我ら完璧な新参もの
きらきら光る美しい音楽が聴こえて来て
気分はゆっ ....
空、気持ちよく晴れ上がり
熱、程よく対流し
風、絶え間なく吹き抜けて
この黄金色の一日を
初めて出逢う照り返しを
(浮き上がるような光景を)
胸高鳴り高揚し
奇跡の取得に傾いて
....
掴めない
私たちには
ただ懐かしく
ただ憧れて
行こうとする
廃墟を越え
彼方の木霊に
憩いながら
遠い空
虹はかかり
行こうとする
世界の深み
現にて ....
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