夜明けの港でラプラスを待った

単なるゲームだ
俺たちはアホだ

だけどここ何年かの間に
こんなに純粋な気持ちでアホになったことあったろうか

潮の匂いのする風に向かって
俺たちはま ....
考え事に埋め尽くされて
頭が体を超えて行くとき

私はスニーカーを履いて
ドアから飛び出す

目的地なんて関係ない
ただ走る為だ

町を抜けて
川沿いを疾走し
理由も無く走り続け ....
水と油が
分離するように

時折
私はゆらゆらと分裂する

それは
焦点がずれた映像のように
バスの窓から景色を見ている

光の帯が
賑やかな街に伸びて
ひとりの私を過去にして ....
本当に美しいものは

言葉には表せない



それらを再現できるのは

読み手の魔法なのだ
夏雲を見上げると
君がいたグランドを思い出す

フェンスの向こうの
湿った土の匂い

古いグローブ
蝉の声

いつしか自分も年をとり

陽炎の中
長い一生をとぼとぼ歩いてる
 ....
海鳥が
どんな風に
人の指先から
餌を奪っていくか知っているか

死にたくなったら
船に乗れ

風を読み
風に乗り
風になり

幾度となく旋回する海鳥たち
飛行を極めた美しさ ....
足が痛くて歩けない母を
海に連れて行くと
楽しそうに泳ぎ出した

それは
細胞のすべてに刻まれた記憶

海辺の田舎町で育ったこの人は
町では暮らせない人魚なんだと知った
孤独を感じると

孤独に落ち着き

誰とも話したくなくなる


心底

慣れている、と感じる 
お兄ちゃん
お兄ちゃんあのね

後ろをついて歩いたちっこい妹が
男に振られたんだって

お前だけは幸せになれよって
あれだけ言ったのに
嫌なことなど

いつも
幾らでも
側にあるから
気づかないで生きたりも出来る

大人になると
不条理にいちいち驚かない

透明な何かが
濁ってしまったように見えるけど
違う ....
猫の中に
自由の意味を見て

その意味を知るから
猫が好き

自由は

空間でもなく
時間でもなく
行動でもない

小さな額の中の無限だ
知ってた

罰は選べない


それだけはお願い、と思うほどの

それこそが罰なのだと思う
綿菓子器の真ん中で
砂糖がはじける甘い匂いを
思い出していた

縁日の夜
神社の鳥居の影が作る深い闇は
永遠に私の心の中

御神木の向こうに
ぽっかりと浮かぶ
白い狐面

 ....
寂しい人が多過ぎる

誰も彼もが寂しがって
みんな誰かに会いたがる

それぞれどこか
何か少しずつ足りなくて

いつも互いに求め合う

だけど見渡す言葉は荒野のようだ

人は求 ....
自分らしくもない文字を
せっせと並べる昨日今日

おい
爆弾岩

何とぼけてダンジョンに隠れてる

おまえ吹っ飛ばす気だろ

宝も記憶も 人格も    
時間が

止まれば
いいのに。

余生の少ない人と
時を過ごすと
本当に
そう願ってやまない

一緒に居る何気ない時間が
幸せな時間であればあるほど
涙が止まらない

いつ ....
私の
       
戦士たちが

落ちてしまう


バラバラと

倒れていく情熱  
悩ましい夜の続きは
欠けた月が見ていた

夜に頼らない生き方を
長いあいだ望んだ

満ちた口は
夜を黙らせるから

両手を広げて太陽の下に出たのに

どうしてなんだ

どうし ....

ビルの間を車で抜ける

慣れた街の裏通り

ちょっとエモーショナルなHOUSEを聴いて
心地よくて人生を忘れる

意識が消える瞬間はいつも素敵

うるさい自我が吹き飛んで
音 ....
通りすぎた時
触れ合った手に
金色の光が見えることがある

それが縁というもので

その光がはっきり見えるようになるのは
手が触れたずっと後の話である

縁があった人の思い出は

 ....
戯言に心奪われている間に
刻々と
夕景は色を変え
惜しむことなく一日の終焉を飾る

何も出来ない人の器を
笑うような神々の所作

手を見つめる人はやがて死ぬといわれるけれど
私は自分 ....
隣の塀とうちの家のスキマに
新緑を伸ばしてくる
まだ若い紅葉

窓から枝の先が見えるようになった

そこ、狭いだろう?
って聞いたら
あなたを見ていたいのです
と、軽やかに揺れた
 ....
工場の機械音が
漏れ出す倉庫裏で

地面を見ながらタバコを吸った

同じように目を伏せた人は
フランチェスコに似ていた

休憩が終わる前に鳴った電話は母からだった

「アンタ毎日何 ....
好きなタイプは貝類

閉じた貝を
そっと見てるのが好き

何を抱いているのか

時々油断して見せてくれるような
年をとるということは
悲しみに気づくこと

それは漠然と近づく終わりを
魂の一番深い場所で
悟ってしまうこと

だから

何かを知る前の瞳が
この世の何より美しいの

体は穢れ ....
銀の盆に乗せられて
運ばれてくるのは若さ

その生贄は
無邪気な言葉で今を語る

なんの考えもなしに
与えられた奇跡を浪費する天使たち

説く教えなどない隠者は
黙って美しいものを ....
生まれた町が
少しずつ変わってゆく

取り壊される古い団地

あの棟には昔
友達が住んでた

ガチャで出したおもちゃの指輪を
いつか私にくれたね

名前も思い出せない

忍者 ....
絶望に負けたくない、と
娘が言った

絶望を知ったのかと
私が絶望した

悲しみにも負けたくない、と
娘が笑った

娘が隠している涙に気づいて
私が泣いた

この子は
強いん ....
おまえのすべてを
潔くて美しいと思うけれど

泣かない女は
泣く女に負ける

わかってる

泣いてつなぐような愛は
おまえにとって愛じゃないんだよね

だけど
くだらない感情に ....
どうせ木や動物ほど
人を愛せはしない

自分の仲間は
自然だけだ

何も言わずとも
ただそこにいて
理解してくれる古い木よ
手で触れて癒される

通りすがりに目を細める猫よ
お ....
ガト(284)
タイトル カテゴリ Point 日付
ラプラス自由詩5*16/8/29 2:01
脱走自由詩4*16/8/29 1:59
ターミナル自由詩4*16/8/29 1:57
文字自由詩6*16/7/21 3:37
残像自由詩3*16/7/21 3:12
ウミネコ自由詩2*16/7/20 1:16
人魚自由詩4*16/7/20 1:11
エキスパート自由詩1*16/7/20 1:08
自由詩1*16/6/14 4:07
伏流水自由詩3*16/6/14 3:42
Gato自由詩3*16/6/14 3:32
因果自由詩2*16/6/10 2:54
篝火自由詩7*16/6/10 2:47
果てなき荒野自由詩4*16/6/7 3:11
爆弾岩自由詩2*16/6/7 2:55
カレーライス自由詩3*16/6/7 2:40
落城自由詩1*16/5/27 3:14
Vampire自由詩2*16/5/27 3:09
トリップ自由詩3*16/5/25 2:25
自由詩7*16/5/25 2:16
自由詩5*16/5/25 2:13
もみじ自由詩5*16/5/9 1:30
SAINT自由詩1*16/5/9 1:28
自由詩3*16/5/9 1:24
穢れ自由詩1*16/5/4 1:24
AENGUS自由詩2*16/5/4 1:20
団地自由詩9*16/5/4 1:06
自由詩11*16/5/1 1:54
らいおん自由詩6*16/5/1 1:49
SHINRA自由詩1*16/5/1 1:47

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