お人形遊びの
楽しさを知らない

綺麗な服に着せ替えて
髪を梳かして

それから?

あんまり虚しくて
人形にドロップキックさせたら

あの子とはもう遊ばないって言われた

 ....
巡りが良くない日は

早く寝てしまいたい

カードを切るのと同じ

シャッフル シャッフル

人生を賭けて

博打をしているようなもん

こんなだから

確率の話は嫌いだよ ....
その昔

長くて
つらい夜を
越える舟が無くて

夜に溺れた

その岸には
誰もいなくて

忘れるほど遠い年月
そこで沈んでいたの

人の言葉を忘れ
人の心を忘れ

 ....
母が懐かしそうに
思い出話をするとき

私はいつも
「忘れた」って言う

お母さん私
今その話を思い出したくない

なんでだろう
幸せの記憶なのに

なんでだろう
鼻の奥が熱 ....
思い出は

ぼんやりした
景色の中にあるよ

夏の夕暮れの
田舎の電車とか

色あせた自動販売機とか

誰かの白いシャツとか

それはどんな記念日よりも
心に残って消えない
 ....
少しも
優しくないんだよ
私は
優しくなれないって
優しく出来ないって
何なの
優しさって努力なの?
違う
優しい人は
何も考えずに優しいんだよ
どうしようもなく優しいんだよ
腹 ....
お母さん
お腹減った

って

言えなかった子供たち

疲れた母親を見て
お腹減った

って

言わなかった子供たち

大人になっても
その優しさで
心が飢えている
 ....
死んだじいちゃんの
夢を見たわ

それは優しい世界で

昔の家に
家族がみんないた

ばあちゃんが
じいちゃん全然帰ってこないって
愚痴ってたけど

いつの間にか隣に寝てたじい ....
心は
少し麻痺したぐらいが
ちょうどいい
心無いことを言える
心無い人たちがうらやましい
誰かのために
あなたのためにって
頑張っていると
溢れ出る涙を見て
こんなものいらない
と ....
眠りから覚めて
少しずつ動き出す街

人は
記憶を失くしたかのように
ふらふらと
辺りを歩いている

魔法で
千年眠ってたみたい

みんな寡黙だ

社会という巨大なパズルに
 ....
とてもつらいことがあったとき

暖かいご飯を一口食べて

涙が止まらなくなったことがあったな



生きるって

そういうことだな
私は魚ではなく
人だから

海は
陸とつながってる部分が
好きだ

見渡す限り海だけの映像は
空恐ろしい

そこに岸があるからこそ
安心して美しいと思える

そして
岸から ....
海沿いに住む人は幸せだ

時には

ただ海を見ているだけで

変わるものがある

あなたが悩み迷ったとき

海は何も答えない

だけど

答えが必要じゃないことを教えてくれ ....
春の宵は
優しくなって

優しくなるから
寂しくなって

気がつけばただ
ひと目見たいと

故郷の写真を探してる
雨の夜を
思い出すとき
なぜ青く見えるのか

人の心にはきっと
その人だけの色がある

例えば同じように
青を描く人がいたとして

その人の青は
私の描く青と同じだろうか

 ....
後ろで手を組んで
足をそろえて
ちょこんと立つ女の子のように

春が遠くで見ている

少し
体を傾けて

小さく笑いながら
私が大嫌いなお正月を

母がどんなに楽しみにしていたか

考えると涙が出てくる

少しボケたせいか

鯛のお頭が二つ買ってあった
なぜ。


気持ちよく
生きない。


潔く生きれば
別の明日もあるのに。
家に帰ると
母がひとり
猫背になって
ゲームをしていた


この部屋に
子供が集まって
みんなでゲームをしていたなって

なんとなく思い出し
急に泣きたくなった
冬の明け方
お風呂から上がって

ベランダに出て
冷たい風に当たるのが好き

夜空と
寝静まった街並みを見渡して
白い息を吐く

歌い出したいくらい
幸せだけど
気がふれた人み ....
夜の列車に乗ると
窓に映る自分の顔が
なぜあんなに
悲しく見えるんだろう

色あせて
薄ぼんやりした
古いフィルムみたい

これ誰だったっけ?
って思い出す
昔の友達みたい
高齢者の運転は危険だよって
母から車のキーを取り上げた
買い物に行けなくなっても
母は文句ひとつ言わない
ただ
バッテリーが弱るから
エンジンだけはかけてやってと
小さな声で頼まれた
 ....
西日で
黄色くはじける街は

水彩絵の具で描かれた空を
背負っている

窓から見える線路を
新幹線が走るたび
部屋の中がキラっと光る

反射する光で
列車が光のように速いのだと
 ....
海に潜り
息を全部吐き切って
胚を空にすると
体は砂底まで沈む

水が冷たくなって
辺りが暗くなって
とても怖いんだけど

そこで仰向けになって
見上げる海面の
美しさと言ったら ....
胸の中に
何もないとき

思ったよりずっと
あなたを思い出していた

もう愛していると
言いたくなくて

泣いた顔の上に
砂をまいて隠したのに



人はみな
空っぽで
 ....
温室の中で

枯れてしまう花のように


ただ

日差しに抱かれている



暖かい

それでいい
コンビニ行こうと
家を出たら
街が魔法に包まれていた

硝子という硝子を曇らせる
夜の霧

街灯が
絵本の挿絵のように
ぼんやり見える

雨でも雪でもない
寒くも暖かくもない
 ....
春先の庭で
洗濯物を干しながら

誰かの今を思い描く

いつだったか
温泉に行きたいと言ったら

柔らかい声で
いいよって笑った

「いいよ」って


あなたはどうしている ....
失くした人を
偲んで見上げる
朧月

何かに抱かれるような
宵の人肌

湿った土が
ほんのり香る

始まりと
終わりの理

四条大橋から見渡す
川床の灯りは

春に滲ん ....
不意に思い出すのは

湯船の中で歌う父の
懐かしい歌声

長持唄は
名人の節回し

そう言えばもうすぐ命日だ

死んだ朝に
いっせいに桜を咲かせた
花咲か爺

何年たっても ....
ガト(267)
タイトル カテゴリ Point 日付
リカキング自由詩6*20/6/18 3:50
ヴァーユ自由詩1+*20/6/18 3:46
破舟自由詩2*20/6/18 3:36
台所自由詩3*20/6/14 5:32
逆光自由詩6*20/6/14 5:24
憧憬自由詩10*20/6/6 5:33
おべんとう自由詩3*20/6/6 5:22
護り人自由詩1*20/6/6 5:17
こころ自由詩3*20/5/20 1:57
あんでっど自由詩2*20/5/20 1:55
茶碗自由詩6*20/5/4 5:57
堤防自由詩7*20/5/4 5:54
うみねこ自由詩1*20/5/4 5:51
自由詩3*20/3/19 18:45
Painter自由詩2*20/3/19 18:36
ひなた自由詩10*20/3/19 18:13
自由詩7*20/1/29 17:54
冬の駅自由詩1*20/1/23 2:04
ファミコン自由詩4*20/1/23 1:55
夜烏自由詩2*20/1/23 1:53
ゆうれい自由詩2*20/1/11 0:27
錆行く声自由詩11*19/9/4 0:13
ひかりごう自由詩1*19/9/3 23:57
光の窓自由詩7*19/9/3 23:55
かげろう自由詩2*19/5/16 2:06
それだけでいい自由詩1*19/5/16 2:04
Fog自由詩4*19/3/22 4:01
小春自由詩1*19/3/22 3:53
自由詩4*19/3/17 4:15
長持唄自由詩1*19/3/17 3:45

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