こがねの日が差す
金色の夕立は

さぞや美しい狐が嫁に行くのかと
思わず微笑む天気雨

夏は
今も昔も懐かしく
子供の頃と同じ空

うちわで扇ぐゆるやかな所作
遠い昔に見たしぐさ ....
孤独とは思わないが
無意味だと思う

呼吸して
空を見上げて
夕日の美しさに呆然とする

短い現を
必死で生き延びる夏の蝉のようだ

今日も命を鳴いたか?

悔いなく鳴き続けた ....
猫が薄目を開けてる時は
少し先の未来を見てる

猫が居眠りしている時は
人の心の声を聞いてる

時々それがうるさすぎると
高い場所から降りてきて
何度か額を擦りつけてくる

額から ....
賢者の声が聞こえない
それが
若さの特権

止める愛情を突き破って
彼らは荒地に出て行く

何に駆られるのか
熱い鼓動を抱いて
故郷を振り返ることはしない

刹那の中にだけ宿る純 ....
貼り付けた白い猫に
おやすみの挨拶をして
窓を閉じる

名残惜しい緑の目が
残像になって
私の孤独を見つめている

何でも知ってるんだな
おまえ

それなら幻でいいから
もう一 ....
リビングデッドなんです、私
笑ってカミングアウト出来たら
苦しみはなくなるのかな
正体がバレないように
こわごわ生きてる魔物は
その恐ろしい見かけで
いつも
悲しむことを知ってもらえない ....
誰にも混ざらず
誰とも交わらず

このまま
凍ってもいい

凍っててもいいんだ

お願いだから

再び凍らせるなら
私を溶かさないでくれ
泣き疲れても
帰る場所すらない
信じる人に
裏切られたら
後はひたすらひとり
こんな遠くまで来て
どこへ帰ろう
暖かい家は
電車で1時間半の
地球の裏側
家族みんなの
笑顔を思い ....
おばかさんの
寂しがり

どこかで泣いてるね

ずっと探してるのに
嘘つきだから
なかなか見つからない

君は
笑ってるの

君は
すましてるの

本当は泣きたいのに
 ....
猫抱いて
布団にもぐりこんで
旅に出る

砂漠を越えたら
乾いた風

砂丘の向こうに
もうすぐ海が見える

猫と私と
長い旅のシエスタ  
水飲み場に来る   
ハチドリのように
忙しなく輝く彼女たちは
羽音のせいで
互いの声が聴こえないらしい

あんなに楽しそうに
声を交わしているのに
誰も
相手の話など聞いていないん ....
土砂降りの雨を見ると
あの日を思い出す

鮮明な夏の一日

雨の中
泥だらけになって
野球したよな

ずぶ濡れになるのが
めちゃくちゃ楽しくて
笑い死ぬかと思った

お前とは ....
お気に入りの
Tシャツの上で
猫が寝てる

どいてくれって
言いたいけれど
言えなくなった

ただの居眠りのくせに

そんなに
幸せそうな顔するなよ
許しは請わない
愛してないわけではなかった

だけど
許しを請うても許されない
愛がいつも
お前たちを包んだわけではなかった

届かない荷があって
時の河を越えていく

お前たち ....
普通という言葉が
とても嫌いでした

思い描いていた「普通」に
なかなか成れなかったからです
水族館は
ひどいと思うの

ちっこい箱に
魚の一生閉じ込めて

全速力で泳いだら
ぶつかるような彼らの居場所

冷たいガラスに手を当てて
同じ軌道を病的に泳ぐ
アザラシの目を見つ ....
いつまでたっても
つかまえられない人
何の疑問も抱かない

疑問を抱かない人に
疑問を投げかけても無駄

あなたは太陽と同じ

明るく熱く世界を照らし
エネルギーを爆発させ続け
 ....
夜が来て
少し気が楽になった

今日が終わるからじゃなく
明日が始まるからじゃなく

私が夜の住人だからだ
出来損ないの文章を
むやみに並べる日は
気が狂った人の
最後の手紙のようになる
溢れる前に飽和された言葉は
心の中で壊死していくから
二度と口にしない方がいい
買い物の帰り道
初夏の夕暮れ
不意に
昔飼ってた猫を思い出して
小さな声で
名前を呼んだ
「カリン」

時々呼ばれるその名前は
雑踏に汚されることなく
天へと昇っていく
声に出す ....
墓掘りの趣味は無いのに
目の前には

墓しかなかった

ちょうどそんな感じ
悪癖というヤツは

いくつも選択肢があるように見えて
どれでも選べるのだが

すべて
墓なのだ
いつの間にか 
誰かに訴えたくなってる
自分は幸せだと

いつの間にか
誰かに言い訳したくなってる
自分は悪くないと

愚かなことだ

もしそれが本当なら
誰に伝える必要があるだ ....
田んぼの中を
カタコト抜ける電車は
やがて海に出る
終点は港で
そこはふるさとだ

寂れた駅にひとつ
真っ白なベンチがあって
子供の頃の記憶を
日差しが象る

いつかの夏のように ....
なんてことない日常の中
雑踏の中で立ち止まり
ふいに海を見たいと思う

頭の片隅に描く海の底
一切の音がやむ

胸のどこかが きゅっと痛んだ

我にかえって
荷物を持ちかえ
また ....
どこにも陸地が見当たらない
漂流に似てる


目に見える確かなものは
何も無いのに


漕ぐしかないんだ
少しの間
思い悩んで
ためらいがちに
目を伏せた

言いたい言葉が
きっと何かあったね

あなたは
優しさゆえに
言葉を封じる力があった

まるで魔女のように 
雨で
ヒゲが湿って
しょぼくれてる猫

軒下から
灰色の空を呪い
ふやけた肉球を
丹念になめまわす

寒いだろう、とか
冷たいだろうと思うのは
いつだって人間の勝手で

猫は ....
ガト(267)
タイトル カテゴリ Point 日付
狐の嫁入り自由詩3*15/7/29 18:09
ひぐらし自由詩5*15/7/27 3:18
相棒自由詩1*15/7/27 3:12
「ソラ」自由詩3*15/7/17 2:14
かりん自由詩015/7/17 2:05
孤独自由詩015/7/14 2:24
融点自由詩015/7/10 4:19
夜蝉自由詩115/7/10 4:01
尋ね人自由詩015/7/5 14:02
シエスタ自由詩315/7/3 18:15
WATER BIRD自由詩115/7/3 18:11
夕立自由詩115/6/25 1:32
Heaven自由詩315/6/25 1:20
子供自由詩4*15/6/18 3:35
普通自由詩115/6/15 4:31
ブルー自由詩015/6/15 4:23
私の太陽自由詩015/6/2 1:56
道化自由詩115/6/2 1:26
自律自由詩215/5/31 3:49
カリン自由詩115/5/31 3:29
墓守自由詩015/5/27 2:39
自由詩2*15/5/26 1:58
とんび自由詩4*15/5/24 1:23
回帰自由詩2*15/5/23 1:16
LIFE自由詩115/5/22 17:25
セイレーン自由詩115/5/21 17:18
奇跡の耳自由詩4*15/5/21 4:18

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