なんという空の色

この色は
カメラには映らない

昭和の町の
ミニチュアのような

ただただ懐かしく
暖かく淡い

雨の色よ
厚い雲がのしかかる
雨の夕暮れ

冬の雨は
青灰色になることが多いのに
今日はセピア色をしている

子供のころに
お化け色と言って
妖怪がいると信じた色

不思議だ

ベラン ....
私は
意地の悪い傍観者だから

ヤバそうな案件からは
さっさと手を引く

自分でさえ
何一つまともになりゃしないのに

一つ一つの人生を
ひとりひとりの歴史を
どう変えられる
 ....
今 触れてはだめ

六番目の勘が囁くままに
突き止めようとする指を戻す

峠越えの山道を運転しながら
闇を縫って光を探した

開きかけた何かは
古い本のように堅く閉じて

忘れら ....
場所を変えても同じ
人を入れ替えても同じ

自分が
動かなければ
世界は変わらない

いつもなんとなく突っ立って

ああ狭いなって

言ってるだけだから
私は
やりたい事と
やろうとしてる事と

実際やっている事と
本当にやれる事



いつも
甚だしく違う

このギャップは
希望で埋めるのか

それとも追い続けるものか

 ....
心をはがしに来る人が嫌いで

必死で殻を守ってる

けど

殻の中身はなんだ

空じゃないのか  
月夜の晩

いつも通り軽く蔑まれて
ふっと笑って家を出る

会いに行くたび
同じことの繰り返し

車を運転しながら
ホッとして

気がつけば泣いてる
母のことを
嫌いだと打ち明けたとき

とてつもなく心が晴れて

そして
私は

その安堵の中で死んだ

言ってはいけない言葉だったのか
わからない

ただ解き放たれた自分が
 ....
あなたに優しくできないのは何故か

なぜなら私が今も
愛されない子供のままだから

あなたがとてつもなく女で母で

愛されたかった記憶が
胸の中で震えるから
人を愛するってこういうもの

光に惹かれ

闇に悩み


だけど愛さずにはいられない

その人の

光も闇も
あなたは変わってしまったけれど
私が
変えてしまったのかもしれない

側に座りながら
肩と肩の間の距離を測った
もう光年で例えたいほど
遠い、それ

あなたが ふと
眠る前にひとつ ....
この世界は
小さな悲しみの積み重ね

繊細に透き通ってしまうと
もう生きていけない

だから時々
遠くへ行く

時間軸のないところ

ただぼんやりと抽象的な
言葉や音楽の中
 ....
母が私に
寂しい寂しいと泣く

そのたび
犬が

ずっと母を見ている

それが
たまらなく悲しい

私ではだめですかと
犬が言っているのに

母には聞こえないのだろうか
アニメを見て泣いたり
映画を見て泣いたりするのは

本当は悲しい心を
何かに転換するためだ

泣く理由が欲しい

泣いていい時間が欲しい

大人になったって
心は叫ぶ

温か ....
現実に埋もれて
灰色になった部屋は

がらくたが積み重なる
心の祠

一番奥から
古びたランプを取り出して

キュキュっとこすり
ふと息をかければ

ほらね

舞い飛ぶ埃が ....
リビングで
回遊している銀の魚は

言い出せなかった言葉の群れ

怠惰な午後に
ゆらゆら

なんて美しいのかしら

この沈黙は
家に来たとき
まだ子供で
カメラに収まらないほど
暴れん坊で元気だった

ガゼルみたいに飛び跳ねて
片時もじっとしなかったっけ

じいちゃんが倒れた時
家族に知らせようと遠吠えした賢 ....
「流れ弾」

人の悲しみが
自分のことのようにつらい

その思いやりが
優しさが

自分のことよりも痛い 


「治癒」

笑うってことの
現実を超越した力

嘘みたい ....
気温が伝わる電話があった

雨の音
震える声

どこにいるのか
あなたは言わなかったけど

帰っておいでよ
何も話さなくていいから

何か温かいものを作るよ

悲しくてもう
 ....
アールグレイを飲みたい季節になった
必ずミルクを先に注げと
脳内の英国人が作法にうるさい

記憶の断片で
お茶を入れると出てくる記憶

わかってるわよと独りごとを言い
たっぷり砂糖を入 ....
グレン・ミラーを聴くと
時々泣きそうになる

陽気な音楽なのに
父を思い出して

どうしてこんなに
切なく聴こえるのか

レコードに針を落とす父の
背中が見えるようだ

振り返 ....
陽射しの下に
人が集まって
笑いが起きる

日々の小さなグルーヴを
ありがたく思う

そんな大げさな話ではないけれど

たとえば
心無いものと出会って
戦士は剣を抜き

心優 ....
平凡であることは難しい

目立たず
人並みで
静かな幸福

それはおそらく

種の存続をかけた
ひとつの才能なのだと思う  
時間を浪費している間に
命は光の速さで過ぎてく

派手なイベントなど
必要ないとわかった

もはやここにいて
呼吸していることがイベント

あちこちに旅したり
豪華な晩餐もいいけど ....
楽譜は記号じゃなく
文字だと思う

この音とあの音でお願い

ここはできるだけ優しく
凪いだ海みたいにそーっとそっとね

それから一気に爆発して
あとはとめどなく雪崩れて

最後 ....
世間は
いい人縛りになりがちで

気がつくと呼吸困難

嘘がつけないと
嘘つきによって裁かれる羽目

でも魔女には喜んでなるさ

何か信念があれば
姿や呼び名は何だって同じ

 ....
なんだか息苦しいから
意味の無いことや
くだらないことのほうが
今は大切なんだ

息を吸うことばかり考えてないで
たまには吐かなくちゃ

ある日
頑張ることをやめたら
とても気が楽 ....
ああ酔っ払って
この世界から滑り落ちてく

いろんな事が
なんだかどうでもよくなってきた

特に自分
めんどくさくて
うるさい自分

どーでもいいから
どっか行っちまえよ

 ....
デパートの屋上の遊園地
フェンス越しに見下ろした街

あの古びた街並みを
今も覚えている

なぜだろう
昨日見た景色も曖昧なのに
あの頃の景色は消えない

まだレンズも心も
曇っ ....
ガト(267)
タイトル カテゴリ Point 日付
記憶に降る雨自由詩4*19/3/9 17:29
おいてけ堀自由詩3*19/3/9 17:18
底なし自由詩3*19/2/26 4:54
灯台自由詩7*19/2/26 4:52
窒息自由詩6*19/2/26 4:51
嘘つき自由詩7*19/1/17 5:32
虚空自由詩4*19/1/17 5:30
1号線自由詩2*18/12/27 4:35
籠女自由詩8*18/12/27 4:30
自由詩1*18/12/27 4:29
答え自由詩3*18/12/20 20:01
石庭自由詩3*18/12/20 19:52
Rapid Dive自由詩2*18/12/20 19:46
愛しい目自由詩5*18/12/9 4:24
レイトショー自由詩1*18/12/9 4:21
Genie自由詩3*18/12/5 4:23
背中自由詩7*18/12/5 4:20
ばあちゃんと犬自由詩6*18/6/30 23:23
雑感自由詩2*17/12/23 5:07
凍える影自由詩2*17/12/23 5:03
綻ぶ時間自由詩2*17/12/6 1:17
In the mood自由詩3*17/12/6 1:02
円卓自由詩6*17/11/18 3:19
家庭自由詩2*17/11/18 3:16
満ちる自由詩4*17/11/13 3:05
スコア自由詩2*17/11/13 3:02
Hexe自由詩3*17/11/13 3:00
脱線自由詩5*17/11/7 3:50
自由詩3*17/11/7 3:41
屋上自由詩2*17/11/7 3:35

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