暗くなる写真 笑顔のまま揺れた
きみが鳴らしたその一音のことを想う
空が青くてあなたが笑っている
忘れても この目を閉じても残る風
大晦日にだけ現れる道歩く
蜘蛛の巣につかまった風 ゆれている
雪がふる 時が止まったように白
窓ガラス あなたが星を描いただけ
梅雨明けの夜明けを歩くキリンさん
夕焼けい という 夕方の夜景
冬 古い物語風に風がふく
秋の果て 落ち葉のように優しい顔
深海のような深夜に探しもの
阪急の
赤紫の
電車には
身代わりに二束三文クツシタやぁ
生徒として徒に生きた 徒競走
空いた穴からきたハエがウエをとぶ
人知れず瞳は一人夢をみる
ねむりに落ちるときエレベーターになる
ずっと着てない洋服が不服そう
....
ドーナツを選んだ夏がなつかしい
深海が仄かな星のなかにある
ほんとうのこと カーテンは風に揺れ
虚数軸方向を見る虚ろな目
一生のお願い一緒に願いたい
青春のなかに月日があるかんじ
三人の月日が春の月になる
煌々とかがやく高校 後光差す
武漢ではコロナウイルス展覧会
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000195837.html
川柳と十七億年暮らしてる
おゆのゆめ あのゆめのあめ おゆのあめ
からっぽのペットボトルに影がある
きみが三十一音でうたってる
星空の色がしょうゆみたいに濃い
....
雪沈む 行き着く先は 涙色
枯葉揺れ 落ちた先には 貴方来ず
夏光り 君の瞳が 潤んでて
たった春 そこには何も 無いと知る
春風が 吹き出し雪が 溶けた頃
僕たちは ....
日差しを浴びて余白が眩しかった
お日さまの香りが帰りを待っている
雨音に気持ちを急かされる信号
ひとびとの夕焼け走るバスの形
星空が曇ったガラス ....
白衣着てバイクに乗って一句よみ
あなたがうつむいた先にあった虹
きみの手を引いて歩いた世界線
永遠の愛が一瞬だけあった
夕焼けのあなたにあった時の色
たくさんの、色んな名前で呼び合った
シャボン玉はじけるように始まった
きみの明るさが羨ましかった日
とても遠い場所で優しく日が落ちる
学者様我が国だけはまもらない
ぬいぐるみ抱き締めてから諦める
きみの目のなかで言葉が揺れていた
日向と日蔭の境界線うごく
秋めいてすこし静かになった部屋
あかいろのひかりの前で青を待つ
台風のような目をした日の光
夜が明けただけでこんなに明るい黄
夏の青空のゆめみたいに白い
テレビから鈴虫届く午前四時
過ぎてなお白に蒼差す蕎麦の花
しみ豆腐卵にとじられ杖に葱
欣ぶと小糠雨降る草の秋
入口の分からぬ銀行実南天
善きものと小さきものの蛍草
....
止まらない口から熱湯この気持ち
上を向きみんな口あけUFO
心臓をぎゅっとにぎられ恋である
貼り紙を貼りたいほどの横恋慕
針を刺し縫いたいほどのスキャン ....
満潮の{ルビ砂洲=さす}に砕けて{注連銀河=1二つの銀河が交わりあったもの。大マゼランと小マゼランとの関係が有名。}
脚首に秋蝶空に{ルビ鳶=とんび}這う
燃え滾る氷の{ルビ静寂=しじま} ....
餅つけば兎群がる港町
眠いなら枕並べて石二つ
日時計の残骸ダリア列び咲く
面持ちの泉のような人に逢う
図書館の消毒液にクロアゲハ
削り節みたいな刻を拐う風
灰汁とれ ....
トンビ飛ぶ空には秋の白の月
山国の盆地を侵す波のおと
腹の音響いて天の猫笑う
奈良漬の塩の上がりと半月板
虫達の叢だらけ善光寺
蛍かと思えば着信宵の秋
雲一つ鼻腔に ....
繰り返し換骨奪胎ネジ余り らどみ
あなたとの糸が終わった冬の服
正しくはないけど楽しかった日々
空っぽな瞳の奥の海になる
絵日記に架空の過去の空を描く
その時は寺で侍を待っていた
寝たいんや 寝たいんやけど 熱帯夜
「正」の正しくない書き順制覇する
うかぶ言葉たちといっしょに歩いて ....
狂句も 滅茶苦茶も 飽きたや
またいつか 旅の空で 明日かも
この影とともにあるいてきた景色
席替えで、私ときみが隣となる
虫さんがひかりにひかれてやってきた
暗闇でひかってる音楽に聞く
光らない星でしずかに本を読む
聴きながら寝たらライブの夢をみた
電車の音 ねむる顔しか知らぬひと
よるの水たまりは鉄みたいな色
星々をゆめから醒めた目で見てる
思い出はきれいにデザインされていた
悲しみに暮れていたからくれた飴
明らかに、その月日は明るかった
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【川柳】17音律「5.7.5」を基本とした川柳作品のみ受け付けます。川柳批評は散文のカテゴリへ。
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