窓の形で幸せを切り取った
眩しくて静かな庭に眠る雨
人格が曖昧なまま見送った
空が完璧じゃないこと知っている
目が覚めるまで牛を数える
あなたではない夕焼けの犬
果物たちの輝きの果て
最終回の最後に回る
考えているふりをする脳
あっけなく開くフタの静けさ
物語が終わって ....
思考の片隅でパンを食べる朝
{ルビ無意味=ないあじ}であることに{ルビ意味=いあじ}があった
窓の音 いつか冷たくなれるかな
耳鳴りみたいに、きみは宇宙を漂って
....
段落に無数の恋が落ちている
ぬるま湯に解答用紙が浮かんでる
悲しみの雨に塗り絵が濡れている
日常を綺麗と思う 思っている
おだやかな田をたおやかに耕した
綿菓子でまやかしみたいに甘やかし
降っている小雨に触れた傘を振る
生き残ったわたしが星を燃やしてる
優しい場所にひとり取り残され ....
何食わぬ顔で何かを食っていた
葉が落ちる 羽化して浮かんでいく 光
消えていく 生きていく記憶を描いて
小説を超絶饒舌に語る
たましいが日焼けしなくて悲しい
うまれる前に誤植があった
幾星霜の長さが足りない
フィクションに暮らすあの子が空想する
物心つく前に聴いていた歌
いつまでもよくわからない水の色
頬を伝う伝言ゲーム遺伝子の
文を書くのに必要な物語
存 ....
新宿がおまけのシールなのだろう
せどりを描く絵の具が必要
光ったら健康ランドにいれちゃうぞ
空が何色でも悲しい手をひらく
あの朝は何を託されたんだろう
あなたの断片が刺さりながら暮らす
存在しないから完璧なつばさ
空想を見ているきみの{ルビ瞳=め}のひ ....
きみのおなかでお金をなくす
貧打だといわれた方が幸せだ
名犬の心はどこにあるのかな
川柳を富士山頂で書いている
川柳をジャングルジムで書いている
川柳を校長室で書いている
川柳を頭の中で書いている
川柳をお昼休みに書いている
ひやむぎをたよりに地図を描いていく
箱根湯本をちぎっては投げ
左手をきそって掠う子供たち
半濁音みたいに澄んだシャボン玉
おとめ座のおとめが座り座談会
読書感想文だけを送り合う
直線に囲われ木々は困り顔
きらきらな直射日光と出掛けてる
ひさびさに見る両親はみかん色
雛形を土管の中で作れるか
迷子ペットに星を噛ませて
本物の鵺にはどだいかなわない
青色を静かに想う水蒸気
{ルビ静寂=しじま}のなかでしじみ見る しみじみと
「ふ」と「心」 少し似てるとふと思う
幸せな思い出たちと今日の雨
舵手のこと仲間はずれにしたままで
ゴールデンタイムの角にぶつけたの
ひとりごと以前と以後にわけられる
泉質が夢のなかよりずっと良い
さみだれ式に呪われちゃうよ
ローマから季重なりまでつづく道
代替わりするから見ないでほしい
かけがえのない 欠けていく 駆けていく
脳みその乗り物みたいな僕だった
清浄され、静かなシーンとなっている
身体と心の全部が耳を澄ます
ほのぼのとのほほんとした本を読む
蝶のように喋り 蜂のように出逢う
夕焼けの下で朝陽を待っている
他人事みたいに春の傘を差す
まずスマホ それからテレビ OFFにする
死ぬまでは 生きれるように 今は寝る
悪いのは あなたじゃなくて タイミング
無意識は あなたの味方 いつだって
嫉妬かな 嫉妬なのか ....
解説されるのを待っている機材
機嫌良さげに青色は空を舞う
穏やかな電気信号に触れている
窓の内側で眠っているボール
微睡みの中 よくわからない場所にいる
誰も覚えてない人の卒業式
モニュメントもにゅもにゅさわるモーメント
寒色の感触冷たいダジャレ言う
秒針は砂漠の中にとけていく
夜行バスのように星を抱える人
いつも、この手は温かさ放ってる
やわらかいカーテンと世界がゆれる
青色の携帯電話で撮った空
風のように心がまだ動いてる
雲のあいだを歩いてる人と犬
立ち止まっては朗らかに青く澄む
実感から生まれた空のはしっこ
意味もなく地味に一味を探してる
知らないよ 一字一句の一の字も
思考の渦を泳いでる金魚の眼
タワレコのCDの匂い吸いにいきたい
ピックじゃなくパンツを投げるミュージシャン
まったく輝いていない謎の明かり
スーパースターが光速で飛んでいく
触の日に虚実交じりて歌合戦
星光るタンスの奥に猫の国
風の夜メロンの飴を売りに来る
ねじれてる瞳の中のお菓子箱
裁縫を教わる度に消えてゆく
梅雨のこと傷つけ ....
抽斗で抽象的な像になる
雨上り 昼下りの坂道下る
記憶から見ると光になる笑顔
目を瞑るように箱の中をあるく
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【川柳】17音律「5.7.5」を基本とした川柳作品のみ受け付けます。川柳批評は散文のカテゴリへ。
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