蜘蛛の糸で結ばれている壁と壁
あまりにも多くを語らない余白
なんの意味もなくて涼しかった日々
理科室の水道 メダカのうたかた
日かげでは私が白く祈っていた
手から一瞬で零れていく瞬き
教科書にない感情と立ち竦む
きみの空洞に夜空が降っている
夏のひかりで優しさを透かしてた
次元を超えて夢をみる枕元
ものがたり ともに暮らした者があり
指先に入道雲を浮かべてる
パラダイムシフトが起きたパラダイス
その星はなくなっていく 繰り返す
お話は遠くはなれて詩になって
無数の数字が詰まった無に夢中
原風景は鮮明になっていく
地頭が良さそうな地鶏の地声
きみの手の遠くにある夏 連れていく
庶民とは娯楽の嘘で踊らせて
王のみが虚無知りてなお耐えるのだ
君いつぞ王になりましたでしょうか
そう違う、だからやってはおれません
アニメイヤ。元ネタ僕と見受けられ
短歌 ....
無季自由律書くムキムキな腕で
俺の冷蔵庫魂が火を吹くぜ
タ仏という時間を司る仏
血のついでに心も盗んでいく蚊
アホになることで時空を歪めたい
宇宙人でも楽しめる恐竜展
....
あのときの瞳と見てる鐘の音
あざやかな後悔の色 好きだった
きみの飛ばした靴に落ちていく空
知らない本の中に知らない夏がある
窓の形で幸せを切り取った
眩しくて静かな庭に眠る雨
人格が曖昧なまま見送った
空が完璧じゃないこと知っている
目が覚めるまで牛を数える
あなたではない夕焼けの犬
果物たちの輝きの果て
最終回の最後に回る
考えているふりをする脳
あっけなく開くフタの静けさ
物語が終わって ....
思考の片隅でパンを食べる朝
{ルビ無意味=ないあじ}であることに{ルビ意味=いあじ}があった
窓の音 いつか冷たくなれるかな
耳鳴りみたいに、きみは宇宙を漂って
....
段落に無数の恋が落ちている
ぬるま湯に解答用紙が浮かんでる
悲しみの雨に塗り絵が濡れている
日常を綺麗と思う 思っている
おだやかな田をたおやかに耕した
綿菓子でまやかしみたいに甘やかし
降っている小雨に触れた傘を振る
生き残ったわたしが星を燃やしてる
優しい場所にひとり取り残され ....
何食わぬ顔で何かを食っていた
葉が落ちる 羽化して浮かんでいく 光
消えていく 生きていく記憶を描いて
小説を超絶饒舌に語る
たましいが日焼けしなくて悲しい
うまれる前に誤植があった
幾星霜の長さが足りない
フィクションに暮らすあの子が空想する
物心つく前に聴いていた歌
いつまでもよくわからない水の色
頬を伝う伝言ゲーム遺伝子の
文を書くのに必要な物語
存 ....
新宿がおまけのシールなのだろう
せどりを描く絵の具が必要
光ったら健康ランドにいれちゃうぞ
空が何色でも悲しい手をひらく
あの朝は何を託されたんだろう
あなたの断片が刺さりながら暮らす
存在しないから完璧なつばさ
空想を見ているきみの{ルビ瞳=め}のひ ....
きみのおなかでお金をなくす
貧打だといわれた方が幸せだ
名犬の心はどこにあるのかな
川柳を富士山頂で書いている
川柳をジャングルジムで書いている
川柳を校長室で書いている
川柳を頭の中で書いている
川柳をお昼休みに書いている
ひやむぎをたよりに地図を描いていく
箱根湯本をちぎっては投げ
左手をきそって掠う子供たち
半濁音みたいに澄んだシャボン玉
おとめ座のおとめが座り座談会
読書感想文だけを送り合う
直線に囲われ木々は困り顔
きらきらな直射日光と出掛けてる
ひさびさに見る両親はみかん色
雛形を土管の中で作れるか
迷子ペットに星を噛ませて
本物の鵺にはどだいかなわない
青色を静かに想う水蒸気
{ルビ静寂=しじま}のなかでしじみ見る しみじみと
「ふ」と「心」 少し似てるとふと思う
幸せな思い出たちと今日の雨
舵手のこと仲間はずれにしたままで
ゴールデンタイムの角にぶつけたの
ひとりごと以前と以後にわけられる
泉質が夢のなかよりずっと良い
さみだれ式に呪われちゃうよ
ローマから季重なりまでつづく道
代替わりするから見ないでほしい
かけがえのない 欠けていく 駆けていく
脳みその乗り物みたいな僕だった
清浄され、静かなシーンとなっている
身体と心の全部が耳を澄ます
ほのぼのとのほほんとした本を読む
蝶のように喋り 蜂のように出逢う
夕焼けの下で朝陽を待っている
他人事みたいに春の傘を差す
まずスマホ それからテレビ OFFにする
死ぬまでは 生きれるように 今は寝る
悪いのは あなたじゃなくて タイミング
無意識は あなたの味方 いつだって
嫉妬かな 嫉妬なのか ....
解説されるのを待っている機材
機嫌良さげに青色は空を舞う
穏やかな電気信号に触れている
窓の内側で眠っているボール
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
【川柳】17音律「5.7.5」を基本とした川柳作品のみ受け付けます。川柳批評は散文のカテゴリへ。
0.44sec.