飛べない{ルビ水鶏=くいな}はロバの耳
いま君に話しかけたい台所
毎日飽きている花瓶の園芸種
鳴門海峡の渦潮に卵
ヤンキイーも口裏合わせる便所では ....
湯上りの温泉芸者の布団かな
君と組むゲームのよさよ楽しさよ
道連れに女と飛び込む波の音
あそこまでびんびんにする芸者かな
男より株価を上げるフェミ ....
この{ルビ売女=ばいた}好きなんかじゃねえ花いちもんめ
歓楽街の窓から覗くスラックス
木枯らしが出番を待ってる幕間かな
今宵から口裂け女になる男
吉原を ....
生粋の江戸っ子ならぬ久我山弁
あらとうと散らかった書類箱から10万円
母ちゃんがいるわけでなし肩叩く
ごねているぐずっているのは山の神
焼酎を ....
無機質な箱の中での通話は十円分の自由
羽だ自由だ言ってる横で足もない人が翔んでいる
メルヒェンのヒェに隠される毒りんご
カウボーイは帽子を脱いでたくましい ....
裏ビデオ穴の深さにたち塞ぎ
こころから穴の深さのらっきょかな
やわ肌の燃える蝋燭消しがたし
乳飲み子と共有している乳房かな
祈らずにいられはしな ....
ピッピは嫌いだ、すぐ牛乳の話ばかりする。
「ピッピなら飼っていいでしょう」「ダメよ難しいのに」
てーんてててーんててーん ピッピー!! はーい
ピッピ ....
愛のうた 歌う楽器が ウクレレて
(私は大阪人です)
深夜特急
色即是空に乗っている
夕焼けにはっとするほど
俺、惨め
溺死する
チャコの海岸物語
曼珠沙華
おまえのために泣く日が来よう
南無阿弥陀
札を ....
占い師のバラードで混み始める市役所
1/60億 分母そんなにいらない
猫おっかけて風になったどうしよう
「人間」だなんて、もっと軽々しい名詞でいい
....
頑張るよ いつ止めちゃっても 良いのなら
繕っても 繕っても 関の山
《金出さんかオラ》
自社福祉 だけなら熱心 某企業
置き手紙 《数字と結婚 し ....
才能を 賭けてみるのよ 色メガネ
ときめかす エストロゲン やれ ナノ経済
[すべき]から それを[する]のか [したい]のか
[したい]から それを[する]のに [すべき]とは
[できぬ]とも それを[ ....
銀鼠 まぐわい果てて ポッと光る
ニヤニヤも バビロンに消ゆ チェシア猫
シリウスよ 知ることによりて 自壊せよ
ヒトならば ついと流れよ 我が涙
{引用= ....
一回の裏が終わって夏終わる
柿食えば 腹が鳴るなり 空腹時
ウインカー 出したら負ける 恋の路
通い合う 心を摘み取る 非行の根
*法務省主唱の社会を明るくする標語
「通い合う心が摘み取る非行の芽」より
....
目が開きました水死体
生きていれば ロマンポルノ雇い入れ
誇示したい孤児
泥酔で昨日を問い
泥酔を 死ぬやもしれぬと
とにかく泥酔はあなたによくないよと進め帰路が 退行
件名がRe: 好 ....
ジジと巻く カメラの持ち主 ババァなり
宵に待つ 一条の恋 春の路
窓を拭く 指の無言に 促され
アクセルを 優しく吹かす 恋心
ブレーキを 踏めば夕闇 追いすがる
遠ざかる テールランプは 赤い糸
ど ....
こんばんは今夜も恐怖をお伝えします
拉致チューハイ戦争ワイン虐待ビール
電流を流そか それとも殺そうか
白状なさい楽しんだでしょ虐待を
事件性持たぬ殺人? なんだそれ
虐 ....
吸うほどに 浮いて沈んだ 青い筋
折からに 鎖骨を越えた 雲の影
桜散り 耳にも息を 吹きかける
唇は 何が詰まって 見つめたい
水玉は うぶ毛で触れて 熱さます
糸 ....
恋人に 戻って祝う 受話器越し
嵩む文 覚えた文字も 褪せぬまま
愛の名で 伝えられない 夜もある
その顔を 見知らぬ人に 重ね抱く
一年の 長さが知れる 人の生
祝杯は ....
世の果てで 愛する君の 笑顔を探す
逢えなくて 狂い死にする 我が人生
世の中に 君の代わりは 存在しない
人間であるのがいやで山を行く
スパイする鳥には鳥の秘密あり
晩飯の足しに菜を摘む生き抜くぞ!
春もみじ赤く萌えても桜に負ける
迷彩服迷彩帽で環境保全
どこまでも誰かが踏ん ....
ダンゴムシ石の下にて談合す
知れば迷い 知らねど迷う 獣道
何すれば 良いかも分からぬ テスト前
親子泣く 共に離した 小さな手
残念か 謙に清兵衛 オスカー得ず(字余り)
結局は 何がオスカー 得たりかな
オスカーは 何故に手を組む 立ち尽くす
アクションを 起こしもせずに {注カタルシス=〔アリストテレスが「詩学」で展開した説。浄化・排泄の意〕
(1)悲劇を見ることによって日頃鬱積(うつせき)している情緒を解放し、それにより精神を浄化する ....
「きっと勝つ!」 いくつ食べたか 例のアレ
嗅ぎ終わり 爪を纏めた 招待状
心さえ 閉ざす余白に 紙の赤
父母は笑む 滂沱鼻水 蠅憩う
祝詞さえ {ルビ手跡=て}に淀ませて 墨もくろ
別れの紀 渡す花束 枯れ ....
30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51
【川柳】17音律「5.7.5」を基本とした川柳作品のみ受け付けます。川柳批評は散文のカテゴリへ。
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