人目をはばかりながら夜は
汗ばんだ首筋に歯をたてる
梳いた黒髪をかきあげて
受け入れ ....
生と死のあわいにあるような
手のひらの温度 くちびるの温度
境界を崩す行為はしめやかなる葬儀 ....
腕が水槽に設置される微弱な星座
踝の奥で言祝ぐ大きな鱸の顎
遮断機の在る海峡 剣、苔生した社
....
まどろみの中目を覚ます
生温かい部屋の中はきれいに整ってる
昨日の続きの今日が訪れる
....
二人の心はすれ違い
楽しいデートのはずだったのに
「そりゃないよ」のひとことで
私の心はまっさ ....
短い糸を紡いでいくの
細いから、切れないように
いつか太い糸になりますように
祈りながら紡 ....
白く沈黙する病室の内で
遠くに寝ているあなたと共に
403号室は透明に生まれ変わる
ベッドは意 ....
人生を野球に例えないで頂きたい
人生はスポーツではなく
一つの哲学なのだから
哲学を人生に ....
「何で眼鏡かけないの?」
と聞かれたので
『目が2ミリくらい一回り小さく見えちゃうから』 ....
地下につくられた大きく広い駅
地上に出るまでの小さく細い通路
急ぎ足ではないと
後ろとぶつかっ ....
{引用=あなたは歌うような
あしぶみで
まぶしくかすむ
曖昧な 八月十五日、は
さい ....
月の裏側には湖があって
そこではフナがよく釣れる
月のフナは泥臭くなくとても美味である
レンズ ....
もう誰も修復できぬ美しい傷痕だけが星空のごと
カラフルな性の模様にいろどられ少 ....
空を飛びたいなど思わない
眠ってしまおうとも思わない
そんな明るい雨の昼下がりは
激しく窓ガラ ....
あつくこく
たかぶりゆく盛夏
うごめき
上昇気分
厚く濃いこの空気の中ひそやかに
....
朝靄の中に母乳の香稲の花
稲の香の匂う畦道めぐりけり
夢月がゴハンをくれてから
結構時間が経ちました
私はその間
ゆらゆら泳ぎ続けていました
....
飛ぼう
思い信じることが大事
目を閉じれば私は大空を自由に飛んでいる
風に吹かれ
青い空 ....
香ばしい匂いがして
私を育ててくれた人が
パンになってる
押せばふかふかするくらい
焼き ....
「あなた」
私の好きなあなたが
そばにいない時のほうが
あなたのことを想っていられるし ....
ぼくが
せいいっぱい
こつこつと
いきてゆくこと
は
きっと
きのうまで
こつこつ ....
ふたつに割ったチューチューアイスを
仲良く食べましょう
ありきたりなことしましょう
やり残した ....
畑の真ん中から
どっしりと重い夏をもいで
両手で抱えた
なんだか地球を抱えている
そんな気が ....
うふふふふ。
いいもんだ。
もう引き返さなくて良いのは。
良かったじゃないか。
僕な ....
論理が矛盾を語る。今日では喧騒が沈黙を凌駕している。都心の中を見つめる人。一通りの流れに煽動され、覚 ....
夕やけを食べたいという君のため買い物かご手に西日へダッシュ
ハミングでハンバーグ焼くママを ....
十 を学び
十 を知る
十 を学び
十 以下 を
理解する
日々の果ての
朝、(辛うじて未だ夏の、)
誰よりも先に、空が
窓で泣き出してい ....
くつろいで
恐竜の目覚めるのを待ちます
朝はまだ明けきらず
草の葉は湿っていて
庭に出て ....
マニュアル化した人間が
安心感を抱えてやってくる
むやみやたらと傷つけて来ない
フワフワな ....
開放されるのは
11時で
それはもう
髪を後ろに縛らなくてもいいということで
夢は?
....
真珠は白くて綺麗に丸いからキライなのだ
かわいげのないそのコドモは
そんなふうに思っていたものだ ....
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