「ねぇ、何かいてるの?」と聞かれたから、「しをかいてる」と答えた。
すると、「死?」って言われた。 ....
じゃあ、いったい何書けってんだよ。
取り敢えず何か書けよ。
人任せっすか?
はい。 ....
まるで葉っぱの落ちた木のようだ
風が吹くたびに
小さな声をあげている
ゆっくりと息を吐 ....
隣の部屋で音がする
古い団地ではよくあること
玄関のチャイムが鳴って
顔を出すと泥棒が逃げてい ....
ムカついたら殴ればいい
欲しければ奪えばいい
どちらもダメなら
殺せばいい
....
陽炎ゆらめく金の砂子
彩雲は海風に吹き乱れ
てのひらに燃え立つストレリッチア
放った水際 横な ....
わた ....
綺麗だけど綺麗すぎない私は
美しくない
綺麗なのは瞳の色
母上のお墨付き
そ ....
しんじたりあいしたりすることが
何よりもずっときれいだと思ってた
泣けるほど幸せな日々が遺したも ....
敵はさるもの溶けるもの
固める温度の僅かな違い
なかなか上手にまいりません
昨日の昼休 ....
黒い犬と黒い猫が
畑の真ん中でにらみ合っている
起きぬけの太陽はまだ寝惚けているが
それで ....
汚れてしまったプールの水
まだ空は晴れぬまま
夏が零れるのはまだ先
桜もまだ咲いていないのに
....
蔓長い水草の絡まりついた 手を叩き
水をたらふく吸って膨れ上がった 足を踏み鳴らす
「丘の裾 ....
なにもせずに なにもかんがえずに すこしずつ ほころびてゆくよ
おさけと せっくすと たばこと ぱ ....
けだるい朝の日曜日
空っぽの心とからだを横たえて
残りの義理チョコを食す
いつもと同 ....
朝の太陽が海面を舐めていく
薄汚い夜の顔も次第に和むと
薄青いものに変貌した燐光は
....
空をとぶ楽器をスモーキーというトリをつかって
つかまえるのが35世紀のスポーツです
スモーキ ....
「私はね。人なんてみんな同じような能力しか持っていないと思っているんですよ。
出会った人やきっかけ ....
- PART・? -
少女は
切なさを追いかける
淋しがり屋なのに
孤独でい ....
ひらり まいおり
くるり まわる少女の
肩のあたりの きずあと
花のように 魚のように
ひら ....
永遠の愛、が
刻まれていた
赤い鉱物顔料で飾られて
二千年の地層の中
地中にしみこんだ月の光 ....
蝋管蓄音機が回る
カタカタと踊る音
歌声が聞こえると
娘たちは踊り出し
いつまでも踊る
踊 ....
一番良いのは
引き付けて引き付けて引き付けて
最後に足でも蹴り払って落とすこと
でも
それに ....
水たまりから鳥が去っても
底の底に鳥は残る
生きものの口が触れた水
濃に ....
今はまだ届かない思いも叶うと信じて
とろ
ゆっくりと歩いてゆこう
毎日は揺れ動く階段なのだ ....
流れる風の
川底で
ひっそりと
しずんで
吹かれても
動かない
ものがある
....
ベッドの上で 静かなシンフォニーなんて
流しながら
きみ、と シーツ、を
愛撫する。
し ....
君を
守るために
たくさんの武器を
手に入れた
君を
守るために
たくさんの ....
自分 不器用っす
べたな 演出
べたな 口説き文句
べたな プレゼント
だっ ....
君が
毒舌で
僕を責めるから
僕も
君に
毒をはいちゃう
僕がもっと
まん ....
キミを見つけた。
あの時、ふんわり笑ったキミにボクの胸はときめいたんだ。
確かにボク ....
何も考えられません
何もわかりません
何もしたくありません
何も思い出せません
....
昔はアイディアが出てこなくて、よく悩んだものだ。
運良く出てきても自分で満足できるものではなかった ....
遠くの街灯
なぜ揺らめくのか
この年になってもわからず
汽笛は質量を落とし
寄る辺ない破線と ....
そこが
入口なのか
さよなら なのか
それはわからないけれど
{ルビ長閑=のどか}なりあくび交じりに標的を定めてボタン押す米軍兵 (詠題「あくび」)
この街 ....
“夜霧よ今夜も有り難う”
風呂場からのん気に聞こえてくる鼻歌を尻目に
私は部屋を出ていきました
....
大切な人へ
疲れてピアノが寝ていた
狭いピアノだったので
添い寝をすることもできた
やがて、か
....
雪が降る道で
ぼくは初めて孤独を知った
いつもならぼくのすぐ横に
肩を並べていた君 ....
僕の暮らす世界の裏
人々が人々を傷つけている
平和を謳うある国が生み出す
苦しむ 恐れ 悲しみ ....
支えあうのはたいがいにして
自立しましょう
追いかけるのはもうやめにして
掴んだ襟元からそ ....
ぅはっ
今夜でしょ
明日でしょ
明後日でしょ
その次の朝まで
だいじな だいじな日 ....
カナリア カナリア
快楽の中に今も尚
生きながらえた首を曲げた老人
苦しみなら信じられると
....
蒸気の壁
そのあちら側
そこにきみがいることを知っていた
煤で汚れた手を伸ばして
薄暗い空間 ....
さびれた館の馬像の陰から
子供が数人こちらを見ている
塀は陽に照らされ ....
このこねこのここのねここねこ
わるいこねわるいこねこね
このここねこねこのねここねこね
....
眠れない夜
ふと外に繰り出した
外は寒い
タバコに火をつけ車の数を数えた
赤や青の人工的な光 ....
砂場から去る幼子の手が
八分前の夕暮れを受け止めた
誰かが握るための光を
ぎゅっと
....
今も待ちぼうけしてるのだろうか
シナイ半島ヌエバのイルカ
ヨルダンとエジプトの間に静かに眠る紅海 ....
目に入れろ
目に入れろ
金のかかるカメラなんていらない
この瞬間の光景を
....
ぼくらは空に近づこうとする、いつも包まれるばかりでひとつにはなれない。ひろびろと伸ばしたつまさきをゆ ....
雪がじゃんじゃん降る前の日に個人的な色彩の影に怯える耳成芳一が喚くのが緑藻類に記憶されたように不確実 ....
窓の下を通るとき
灯りのともるのを見て安堵する
ただそれだけで
暖かいきもちになれた
あ ....
(地下鉄の入り口)
真昼でも陽の光の届かない
そこは蛍光灯で照らされた
もう一 ....
今ここにいる自分
今生きている自分
これが運命だなんて思わない
....
笑わないで聞いてくれる?
例えば
不規則的に唸る換気扇が
....
小さな息遣いで狙う
溢れそうな領空を遠い声が駆け抜けていく
高度3メートル
誰も倒せない鉄砲に ....
重たい音の寝顔に忍び泣く男の姿は気配りの鏡と言われたような気がしたが、富士額の女の子が影を配りながら ....
交差点の向こう
ギラリとした眼光の
ヤサ男が独り
こちらを睨む
興味本位な意識を飛ばし
....
ねぇ あなたとあたしの間には
運命なんてものあったのかしら?
ただ互いに気が合って
ただ互いに ....
ちょっと僕たちは遠くまで来すぎてしまったみたいだ
なんて 前を歩いてる二人に言い出せるはずもない
....
洗濯機がゴーゴー
一生けんめい回って洗濯してるから
頑張って干さなくちゃって思う
寒いけどね
....
林立するビルの谷間を歩く
押しつぶされるような閉塞感
立ち止まり空を見上げる
体内に太 ....
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