堕天使 Lucifer
KADY


- PART・? -


少女は
切なさを追いかける

淋しがり屋なのに
孤独でいる事に心地よさを感じている

夜を握り締め
心の扉の鍵を開けてもらえるのを待っている

強がりを言っては
誰にも見られない場所で泣いている

夜を握り締め
夢の中で彼が来るのを待っている






- PART・? -


少女は天使の羽を持ち
黒い尻尾で誰かの心を討ち抜く

振り返る度に
少女の意思とは関係なく
黒い尻尾は誰かの心を引き裂いている

白い羽が紅く染まり
うずくまる少女の涙は
暗闇を照らす一筋の光に触れて
漆黒の棘を纏う扉に
堕ちるように引き寄せられる

鍵は扉の前に置かれている

それは封印された
古の悪魔の部屋

かつて夜明けを司っていた者の住む場所

彼は闇の支配者

堕ちた天使の寄り添う場所に

少女を誘い込もうとしている・・・






- PART・? -


少女は扉を放ち

闇の部屋の中へと入る



彼は全裸で少女を迎え入れる



自ら目を閉じ

自らの腕を縛り

少女の淫乱な欲望を掻き立てる

支配権を少女に捧げ

彼はシモベと成り下がる



少女は横たわる彼の横に座り

柔らかな肌を指先で愛撫する



少女は彼の勃起した陰茎にくちづける



その細い指で握り締め

彼から溢れる透明で甘い液体を摂取する



少女は導かれるように彼に重なり

悪魔の陰茎を子宮の奥に受け入れた



空から降る聖書の燃えかす



金星から滴り堕ちる淫欲な雫



泉の底に沈む心の燃え滓をさらい

馬革のシーツが少女の血液で汚される



闇は永遠に続く

時は二人の間で蒸発している



薄く隔てていたモノが破れ

少女は彼と混ざり合い

彼のDNAを魂の奥へと飲み込んだ






- PART・? -


少女は悪魔の子を身籠り膨らんだ腹を晒す



両足には大理石の鎖

両手には薔薇の鎖

猿轡から垂れる涎が足元の蛇の餌になる

首輪につながれた手綱の先は

少女を眺める彼の左の小指につながれている・・・



少女の子宮の中の遺伝子は

やがて少女を引き裂き

漆黒の翼を広げ

天に昇り

聖戦を繰り広げ

世界中の愛を焼き尽くす・・・


自由詩 堕天使 Lucifer Copyright KADY 2006-02-11 20:11:17
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