赤信号で立ち止まったとき
うしろから歩いてきた人がすうっと追い越していって
そのままむこうへ渡ってしまった
その自然な様子に呆然とする
自分もその人と同じようにして渡ってしまいたいのに
いつ ....
紙の前には座りたくない
鍵盤の前にいたい

昼ひなか私は没頭する
緊迫する
高揚する


せわしなく
抑揚の激しい旋律を
いつか
さりげなく
やさしく
奏でることができたら
 ....
君となら濡れてゆきたい夜だから折り畳み傘眠らせたまま 夜中に窓枠がぴしりと鳴る
夢のなかから呼び戻されて
枕元をさぐった手に触れるものがあり
それは感触で人の耳だとわかる
よく見えないがそれはたしかに二切れの耳で
ゴムのおもちゃのようにも思える ....
  「無理です。」

こんな言葉を最近よく聞く
そういうとき僕はいつも同じことを言う

「本当? やってみないと分からないんじゃない?」
「失敗してもいいじゃない。」

皆、真面目に一 ....
地球が生まれてから何億年も経っているのに
まだ青いなんて他の惑星はきっと地球より
年寄りなんだね
鏡を覗くと知らない人が映っている
引きつった頬はまるで人さらいのようだ
人さらいの口から人さらいの牙がにゅうっと伸びてきて
葡萄の彫りのある鏡を突き破りそうになる
あわてて毛布をかぶせて
奥 ....
その朝、町のひとたちは
台風のような雷のような泣き声で目がさめた。
山にかこまれたちいさな港町、
その外れにある病院の一室で
フーガが産声をあげたのだった。

フーガは泣き虫だった。
ど ....
なにごとにも正直でありたい
その気持ちに真正面から向き合うと
わたしはまず真っ先に
姉の子供が不美人であることを
告白しなければならなくなる
矛盾や横暴を背負う
小学生 ....
竹馬が意志に逆らい一歩二歩 なぜこんな時に扉を叩くの
花瓶に花の活けていない
美味しいお茶のあてすらもない
ましてや椅子は一人分

花なら持ってまいりました
お茶の用意もしてきましたよ
あなたの部屋の電気ポット
 ....
天気のいい夜
寒いけど月がまんまるで
明るくて綺麗で
照らされた空の一部が
ぼんやりと群青色で
星を消す
でも見上げた空は広くて
星は沢山あった 
買い物袋を片手に月夜を歩く
風は冷 ....
 

願わくは、
どうか僕より
先に死んでください
あなたの居ない絶望を
舐めるように
味わいたいのです

願わくは、
どうか僕より
不幸でいてください
あなたを幸せにする方法 ....
ヒカリゴケのように輝く言葉を探して3年が経った
ひとくちに3年と言っても様々なことがあった
かす漬けの美味しさに目覚めたし
沖縄の楽器に手を出して挫折した

そうして割れがちな爪でひかれる辞 ....
夕闇がやってくる気配
それは決まって
南向きの玄関の隅から生まれた
冷えていく板張りに寝転がって
図書室で借りてきた本を読んでいると
ふいに呼ばれる
声、
のようなものに

夜が
 ....
トマト

みんなと仲良くやりなさい 好き嫌いを作っちゃだめだよ
子供の頃の僕に 先生や親たちはそう言って聞かせていたっけ
教室の隅に追いやられ 一人で悶絶していたあの頃の自分
誰も助けてくれ ....
石の原野に青い花が咲いた
石っころたちが拍手喝采
泣いているものまでいた

青い花は揺れる
風に愛されて
青い花が揺れる
土地の熱い吐息に

ちっとも淋しくない青い花
本当にしあわ ....
おじいちゃんが
病院から帰って来た
最新鋭のチタン心臓を装備して
右手はワンタッチで色んな工具が
取り付けられるようになっているし
足はナイキ製のウサインボルトモデルに
なっていた
凄い ....
猫の隣で
白い息は丸くなって
コタツの上の
最後の一つになった蜜柑も丸くなって
少し温くなって

わたしの隣で
あなたは丸くなって
秋よりももっと丸くなって
ほあん と 丸くなって
 ....
ほんの
ひと握りの間に
つたえられる想いなど
わずか数行

わびるにも
しのぶにも
なぐさめるにも
たしなめるにも

ひとは
それほど多くを
持ち得ないから
大切 ....
充足させるけれど
後腐れない
都合のいい場所には
都合のいい関係が出来上がる

手と手を取り合って行く
吉祥寺あたりのラブホテル
目指していた楽園も
朝にな ....
今日も正月
ぜんざいに餅をいれる

あずきをみている顔で
家族をみる

決まった日に
決まったものを食べて
定位置に
なにもかも座る

あたしの
おなかん中も
かわりなく腹黒 ....
歴史の知識のフィルターで

あたりを見回しながら山を上った

城跡にひとの気配を探していた

何百年か前ここには猛るひともいた

しかしこの城跡にはもう道さえないのだった


私 ....
自分の知っている全ての事なんて
この世界から見たら半分もないだろう
僕は今 何を知らずに生きているのか
自分にはわからない
色褪せてしまうまで
崩れ落ちるまで
見届けたかった
遠くなる影を見送り
不在を確かめたなら
踵を返し
歩きだすはずだったのに
あとからついていったのだ
見失う一歩手前の距離を保ち
二 ....
仕事帰りにスーパーで きんぴらごぼうを買った
私はこのきんぴらごぼうを作ってくれた人を知らない
きんぴらごぼうを作ってくれた人も私を知らない
でも
きんぴらごぼうは美味しい

きんぴらごぼ ....
ひかりはやみとあらそいながら
ちいさな点を穿つのだ
愛の横でみたされながら
永遠にあしたは来なかった
きれいな線をひきながら
境目づいたからだのなかで
ひかりはやみと抱きあいながら
 ....
先日
とある公共TVの討論番組を見ていました
テーマは若者、若者世代とオトナ世代の一騎打ち
スタジオに集まってあーだこーだと、進展のない議論

それはいいんだけど

びっくりしたのは学 ....
気になることが落ちていました
拾ってみると
心の中に小さな点ができました

小さな点は振動し
私の心はふるえました

ふるえた私の心は
私の意識や無意識を使って
思考や記憶を
言葉 ....
ビルの谷底では
夜が
空よりも少し
早く訪れるだろう

何冊かの読みかけの本の中から
数ページ角のすり切れた
ものだけを選び出し
それを
開こうかどうかと
迷ううちに
街灯の月が ....
中村 くらげさんのおすすめリスト(331)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
赤信号- 春日線香自由詩4*14-1-20
レッスン- Lucy自由詩13*14-1-19
君となら濡れてゆきたい夜だから折り畳み傘眠らせたまま- 北大路京 ...短歌814-1-19
お供え- 春日線香自由詩714-1-19
失敗してもいいじゃない- ichirou自由詩8*14-1-18
独り言2- リィ自由詩2*14-1-18
人さらい- 春日線香自由詩214-1-18
泣き虫フーガ- 村田 活 ...自由詩414-1-17
良いことを言おうと思う方が馬鹿げている- 中山 マ ...自由詩1*14-1-17
竹馬が意志に逆らい一歩二歩- 北大路京 ...俳句614-1-17
それは水曜のこと- もっぷ自由詩514-1-17
月夜- こいち自由詩314-1-17
STARDUST- 自転車に ...自由詩214-1-16
ベスト- ふるる自由詩13*14-1-16
夕闇- そらの珊 ...自由詩2514-1-16
トマト- itukamitanij ...自由詩1*14-1-16
石の原野に青い花- もっぷ自由詩714-1-16
おじいちゃんが帰って来た- 花形新次自由詩214-1-15
丸くなって、冬。- 佐東自由詩214-1-15
わずか数行- 千波 一 ...自由詩414-1-15
ユリイカ- 中山 マ ...自由詩2*14-1-15
めでたいおなか- 朧月自由詩214-1-15
城跡にて- 吉岡ペペ ...自由詩414-1-15
わからない- リィ自由詩1*14-1-14
複眼- Lucy自由詩16*14-1-14
もしかすると_生きていることは孤独じゃないかもしれない- ichirou自由詩19+*14-1-13
ひかりはやみと- はるな自由詩514-1-13
あなたたちが作ったシステム- umineko自由詩26*14-1-13
心の中の小さな点- ichirou自由詩14*14-1-13
夜を歩くという事- 塩崎みあ ...自由詩11*14-1-13

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11