すべてのおすすめ
君は
覚えたての「こんにちは」を
わたしがこぐ自転車の前に付けた補助椅子から
道行く人はもちろん
畑仕事をしている人にも
隔てなく投げかける
たいていの人は
一瞬驚いたような顔をする ....
どんなにおそろしいか
どんなにふあんか
まくらやみのなかで
ふみだす そのいっぽ
声をかけられなかった
ずっと昔
学校帰りの交差点で
その人は白杖を持って
信号待ちをしていた
声 ....
魂を語り合いましょうと
いいながら
詩人は逝ったのでした
今朝
わたしはみつけた
ゴミステーションの柵に
いくつも並んだ雫
それは
ぶらさがって
落ちまいと揺れていた
冬の夜が ....
熱を帯びた扁桃を
通過する
酸味をふくんだえきたいは
ほどよく冷えて
生きていることが
すみずみまで広がっていく
――体温計の中の赤いめもりが行ったり来たり
ひとふさ
ひとふさに
大 ....
夕闇がやってくる気配
それは決まって
南向きの玄関の隅から生まれた
冷えていく板張りに寝転がって
図書室で借りてきた本を読んでいると
ふいに呼ばれる
声、
のようなものに
夜が
....
焼き芋の包まれている新聞紙かすかなインクの匂いも食す
くくられた新聞紙の椅子の上あごひげという名の猫がくつろぐ
ちぎられて水にひたさればらまかまれほこりにまみれて新聞紙逝く
世の中の ....
腰が大きく曲がった
近所のおばあちゃんが通るたび
あの中には何が入っているの?
と、母に質問して
そんなこと聞いてはいけません
と、言われた
大人はいつだって
ほしい答えをくれやし ....
取り出したばかりの粘土は
幾通りもの生を含んで
ぐにゃり
柔らかく在る
指で押せば
くぼみが現れ
手のひらで転がせば
丸を成す
いびつな複雑さは
魅力的である代わりにとてももろい ....
ただの壁だと思っていた面に
白い花が
ちらほらと咲き始めた
家と道
内と外
隣人と自分
向こうとこちら
静けさと騒音
過ぎ去った時間とやってくる時間
何かと何かを隔てるための境目 ....
非常階段には
扉があって
内と外が隔てられている
内のものかといえば
そうでも非ず
外のものかというえば
そうでも非ず
非常のために作られた階段
日常では使われない
避難通路
....
ペットボトルのごみの日
中身(心)はもうとうになくて
キャップ(顔)やら
包装(洋服)やらを
捨て去ったら
みな
潔い裸になった
とても清々しいごみの日には
カラスさえも
素通りする ....
想像してみて。
この柔らかな死体が
何を思って生きていたかを
たとえば
生きている理由とか
翼の意味を考えただろうか
空を飛ぶ機能が失われたそれは
時折はばたく真似事をするだけの
使い ....
腕がある
脚がある
カラダがあって
心臓はこの辺だろうか
洗濯物を干しながら
幸福感に包まれる
よれてしまった襟だとか
落ちきれてない染みだとか
ゴムの伸びたパンツだとか
新品で ....
閉じられた瞼は
眼球にやさしくかけられたさらし布
或いは
フリンジのついた遮光性の高い暗幕
時折
なにかに呼応して
波打つように
揺れる
ベビーカーのハンドルに止まったちょうち ....
中村 くらげさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト
(14)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
こんにちは。
-
そらの珊 ...
自由詩
21
14-9-20
白杖の人
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
14-9-11
魂
-
そらの珊 ...
自由詩
17
14-1-23
かんきつ
-
そらの珊 ...
自由詩
20*
14-1-22
夕闇
-
そらの珊 ...
自由詩
25
14-1-16
新聞紙
-
そらの珊 ...
短歌
13
14-1-10
たからもの
-
そらの珊 ...
自由詩
22
14-1-8
【終わりと始まりと】詩サークル「群青」12月の課題「終」への ...
-
そらの珊 ...
自由詩
20
13-12-10
垣根
-
そらの珊 ...
自由詩
19*
13-12-4
【非常階段】_詩サークル「群青」11月の課題「非」への提出作 ...
-
そらの珊 ...
自由詩
19
13-11-30
とうめいな容れ物が収集を待っている
-
そらの珊 ...
自由詩
26
13-11-17
鶏供養
-
そらの珊 ...
自由詩
24
13-10-29
【ベランダに吹く風】詩人サークル「群青」七月のお題「風」から
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-8-4
おさらい
-
そらの珊 ...
自由詩
26*
13-6-8
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する