嗚咽という沈黙
プル式

海流を眺める
油絵の具を指で擦った様な道
夜の灯りをギラリと跳ね返し
いくつもの美しいラインが交差する

背泳ぎを見ている
行く先も見えずにただ進む
後に残る軌跡は直ぐに消える
いつか何かに手を触れるのだろうか

人生を思う
広げた両腕と指先に集中する
風と夜の冷たさ以外の物を探す
沈む瞼には美しい太陽が見える
それが暁なのか黄昏なのか僕には判らない。


自由詩 嗚咽という沈黙 Copyright プル式 2010-11-25 20:58:30
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