すべてのおすすめ
桜が咲く頃から梅雨に入るまでの2か月ほど
それはひどく心が沈む時季である
桜は生命エネルギーを吸い取る木だ
冬、つぼみを付ける前からじわじわとじわじわと通り過ぎる生き物から
ちゅーちゅーと ....
アイスコーヒーがそそがれようと スタンバイに光る五月
雨季までの浮き沈みのない 涼やかな丈の長い 影法師の欠伸
万能なまでに普くを招く 煌びやかな夜の スタンバイに心躍るかぼちゃの馬車
....
町では桜も散り 山すその我が家までの
道沿いに見える畑には 林檎や梨の花が咲き
雪溶けの遅かったこの地にも 緑の季節が流れ始めた
除雪機で雪をとばし なんとか建てたビニールハウスでも
稲の ....
白んだ朝
淡々と家事をこなす女たちのような夜が明ける
現実の襞をめくると、憂鬱に垂れ下がった雨が、湿度と共に滞るように霧状に落ちている
五月の喧騒は静かに失われている
....
雨上がりの傘はステッキ代わり
クルクル回してスキップすれば、水たまりにパシャリ
そして、キャッキャ、キャッキャと
野の花が
あんなにも
優しげに微笑むのは
きっと
手向けの花であるから
肉体を持たぬ人に
花以上に似合うものが
あるでしょうか
空腹も感じないので
食べ物はいらない
物欲も ....
例えば もし
厚く垂れこめた 雲の谷間から
神が手を伸ばして 僕を拾い上げてくれたとしたら
砂埃の舞う 峠道に転がる
何の変哲もない 小石の一つを拾うように
例えば もし
厚く塗り ....
まるく
表面張力で
膨らんだ一滴の
想いがいま落ち
触れる間際
はじけ
残像のように
ゆ っ くり ....
裸に響く 裸体のデザイン
剥く皮などないくらい ほどかす
捻らす裸の骨組み ギシギシと
全本の骨 全粒の細胞 セルフィシュに泳ぐ
利己的に利口
誰の為の人差し ....
この生が空しく過ぎることを悲しめば
問い返される
何が充実か
揚羽蝶がゆずの木にやってきた
仇やおろそかではない
ひらひらと儚くも天に任せる
愛しているさ、悲しんでいるさ
生の肯 ....
もうちょっとを掬い集めても
もうちょっとはもうちょっとのまま
それでも息なんかふぅっと吹き付けたら
袖口でゴシゴシ磨いてみた
やっぱし、もうちょっとはもうちょっとのままだった
....
喋ると馬鹿がバレるからさ
語ると嘘っぽいからさ
怒ると皺が増えるからさ
泣くと幸せが逃げるからさ
止まると置いていかれるからさ
歩くと踵が減るからさ
群れると傷が増えるからさ
....
母のおむつと尿漏れパッドを買う
要介護度3でデイサービスと訪問介護で
助けてもらっている
食べ物にたいする執着がつよくなっているようだ
それが生きるということなのかもしれない
子供た ....
もうちょっとを掬い集めても
もうちょっとはもうちょっとのまま
それでも息なんかふぅっと吹き付けたら
袖口でゴシゴシ磨いてみたけど
やっぱし、もうちょっとはもうちょっとのままだった
....
わしは実は ふたごだったと聞かされた日
そして わしのふたごの兄貴だった人は生後まもなく死んだのだと聞かされた日
ねぇちゃんと グリコを分けて食べるように わたされた
ねぇちゃんに 言うた
「 ....
四角ばったあなたのなまえをみると
どきっとする
はじめてもらったてがみの文字も
やっぱり四角ばっていて
笑ってしまった
あなたの気性だとおもった
なのに
なかみはあったかくて ....
あなたが道で転んで 泣いていたとしても
その痛みは 誰にも分からない
大丈夫? と声を掛ける人がいたとしても
ホントのところ その痛みは本人にしか分からない
自分のモノサシで 他人の痛みは ....
ななめの線は おめめ
口が にっこり
点は よだれ
いや 指って事で
心 って
にっこりマークみたい
コンロの上に鍋があって
コトコトと
音 って
お料理しているみたい
....
北国に桜が咲いて幾日も経たず
昨日突風が吹いて花びらを散らして行った
今朝 桜は冷たい雨に濡れそぼち
うつむき滴る 運命を受け入れつつも
儚げな美しさを愛でる者が
その色香に誘われて ....
野良猫が生垣から顔を出して
じっとこっちを見ている
/かけとび
あやとび/
/ステップとび
去年はできなくて癇癪を起していた
ふふふ、まあ頑張れよコワッパ と思った ....
ぼくたちはことばの国のたびびと
遥かな源流から
ひとひらの花びらが流れてきてそれは
あらたななまえを与えられて言葉となる
ぼくたちは森を抜け荒れ野を辿り
大地から漏れ出た溶岩流に閉じ込め ....
硬い言葉はとんとわかりません
あたしがふにゃリと笑うと
ふざけてると叱られる
人はことばに操られ言葉に縛られる
自由が奔放にきりかわる
社会人なのだから
あだしが。 ....
ねえ、マトリョーシカ
この世の何処を探したって
貴方ほど馬鹿げた男はいないわ
根っから明るい人間なんて
そんなの、沢山居るほうがおかしいのに
誰かみたいにと躍起になって
自分らしさを台 ....
世界に興味がありません。
私の思うようになってくれない世界には興味がありません。
人に興味がありません。
私を可愛がってくれない人には興味がありません。
見返りだとか、お返しだ ....
八重桜
そこで枯れていくのか
{ルビ雪洞=ぼんぼり}もとうにないその公園で
休日には光の姿態に花を挿し
寝そべる背中に猫でも乗せて
二三冊の本にマスタードをたっぷり塗って
後ろ向きに釣り糸でも垂らしてみようか
古い音楽ばかりが飛行船となる場所で
とりとめのな ....
まず魂のくせを矯正します
今世のくせも後で清算する予定ですが...
とりあえずお世話になった想いの数々に手土産のひとつももたせて
さっと湯通しをします
その際肩をおもみしても構いません
....
月に腰かけ 太陽を{ルビ的=まと}にして
流星のダーツを投げる
唯の退屈しのぎだが すこしばかり はた迷惑な気晴らしかも
俺のエゴはでっかくなりすぎて 地球の中には納まりきらなくなってしまった
....
メダカは気弱な小魚だって
それが定義だと
それが憐れだと
勝手な思い込みが押し並べて
それがあまりにも{ルビ酷=むご}いと
両手で包み込もうとする
君の余計な優しさが
彼等の胸まで押 ....
向い風が吹き荒れて
わたしを白線へ押し戻す
もがけばもがくほど
重くなったコートは
身体から熱を奪っていく
向い風いつの日か
そよ風に変わるだろうか
向い風が容赦なく
わたしを地 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34