すべてのおすすめ
夏を待つ間
透明な
ガラスのコップに
冷たい水を注ぐ
満ちていく
満たされていく
透明な入れ物に
透明の中身で
夏が来る頃
どこからともなく
水滴が現われて
コップの魂を ....
うつが季節に負けそう
刺激を感じないのがカルチャーショック
昨日使わなれなかったモノに
何度トライしてもできなかったから
きれいに捨てるのってつれない
思うからできないのなら
「ロスト ....
夏なのに雪を恋しがる
あなたの顔がちらつく
思いっきり好きだと言い残したのは
ずいぶん昔の話だ
ぷよぴよした二の腕はもう恋愛など縁遠い
夏だとゆうのに海がにあわない女だな ....
眩い 暗い 世界で
僕はひとりぼっち
山鳩は朝を告げるのをやめ
向日葵は俯いている
何を信じればいいのか
自分すら曖昧だというのに
逃げだしてきた丘には
花に集う ....
少年は飛んで行った
アスファルトの空に向かって
自由が欲しかった この世は生ける監獄
少年が泣き叫んだ時
世界は耳をふさいだ 目を閉ざした
口をつぐんだ そして今
彼が手の届かないとこ ....
赤い雲が青空に溶けていく
さなぎの上に 初めて羽をひろげる鬼ヤンマ
透明な四枚の羽と 複眼に陽が射す
洗濯ものを 外に干す
水辺の近くに立つ 銀の洗濯棒が光を集める
風波をかぶる池の石 ....
角に追いやられた居場所を
ゆとりと無理やり読んで
朝まで遊び呆ける
大人気ない強情は
時には余力に気がついて
無駄と呼ばれる作業に勤しむ
それが一人遊びの業の楽しみ
と言えたら幸 ....
さみだれている庭
ひと雨ごとに、育つ緑がここにある
雨の匂いと土の香り
湿気は、ほんのささいなセンチメントも
美しくふくらませる
庭を見渡せる屋根付きテラスで
濃く煎れた紅茶を飲んでい ....
文鎮が
ふうわり ふわりと宙に浮き
驚く書生の顔前を ナマコのように漂って
原稿用紙が舞い上がり
驚く書生の目の前で 舞子みたいに踊りだし
万年筆が身悶えし 書生の指を逃れ出て
ぽ ....
{画像=120712232443.jpg}
陽の当たるところ
その建物は言いました
都会には幾つも建物があるけれど
そのなかでもぼくが一番さ
ぼくは一番大きな建物 ....
あんたの言葉は勇み足
あたいの想いは勇み足
そんなふたりの愛は、やっぱり勇み足
焼却炉に捨てられた明日
すくいあげた夏の横顔に
毛繕いを済ました嘘が
気だるく黄昏る
あなたと壊疽した月曜に
遠い過去からの絵葉書が
陰気な紙ふぶきとなって
豊満な口もとを埋め尽くす ....
あした咲く朝顔は
雨の軒下でこうもり傘みたいに
とじています
あしたも雨なのかな
朝顔って、おかしな{ルビ花=ひと}だね
傘をもって
生まれてくるなんて
いちど咲いたら
もう、とじ ....
すきなものがふえると
人はやさしくなれる
だってうれしすぎるもの
こころがくたくたになったら
うれしかったこと小出しすればいいや
キツイナがちょっとゆるむ
たましいがぱちぱちな ....
石で打たれるような
犬に追い立てられるような悲しさに
居ても立ってもいられなく
ただただ早く帰りたかった
日没に向ってひたすら走り続けた
貝のように固く握りしめている
決して手放し ....
文字が空から降ってくる
あられみたいに降ってくる
だけど地面は乾いたままで
溶けることなく積み重なる
文字、文字、文字、文字…
文字が空から降ってくる
僕らの周りに降ってくる
それは ....
あなたがくれたのは、ムーンストーンのピアス
ほんとのお月さまがなくなったら寂しいだろ、だって
ちょっと救われた、そんなこと言わないけどさ
※ちょっと蛇足
ざーざー雨の日曜日
レインブーツは水のたま
ぼくはしっかりにぎられる
柄の先からつめたくしたたっても
しとしとぽたん月曜日
こつこつと歩く・先をつく
ぼくはしっかりにぎられる
お ....
雨の糸
紡いで布を織る
星の子
風邪を引かぬように
七夕
願い事を書いた短冊
白紙の未来
ペン先がじっとみつめている
願い事
人の数だけあるのだろうけど
根っこのと ....
おぼろ月夜の 帰り道
家の鍵束を頭上に放って 銀のきらめきを掴みとる
幸せってやつも こんな風に掴み取れればいいのに
冷ややかな街灯が そんな姿をあざ笑う
屑同然の値札が付けられた 役立たずの ....
折り畳み傘の畳み方には コツがあって
器用ではないのに私は そこは 得意で
自慢するほどでもないことが一番素敵で
端麗に畳まれた造花の朝顔を傘だと指差した指が
私の人差し指をちいさ ....
窓を開け放ち
空気を入れかえる
朝の訪れを遮ってだらりと垂れ下がる
色褪せた思想を派手に揺らし
この胸を蝕み患わせている
積もりに積もった誇りや死っけを吹き飛ばし
....
分かりやすいモチーフは万人に好かれ
破壊的なイメージは拒まれる
マイノリティでは逆も然り
言うことの一つ一つは尤ですが
唯、その生き方が不快です。
どうにかならんですか
軌跡を半分にで ....
甘い誘惑はわたがしみたいにあたしにまとわりつく
でもね、いいことないみたい
苦い薬はね、頭にくるけどいいみたい
だって、ほんとのこといわれてるもの
おとなこども人は何回もそれをくりかえして ....
いつになれば
大人になれる
いくつになっても
あの頃思い描いていた
大人とは違くて
お酒を飲んでも
車を買っても
お母さんになっても
いつまでも
大人になれな ....
わたしを救いたいなら
あの月を涙でくるんで
そして、ピアスにしてください
すこし太った と
しわだらけのあなたが言う
たしかに
しわの数はへっていないけれど
わずかに 浅くはなっている
一年ぶりに 団地にUターンしたのが良かったのか
また
独居 ....
金があれば と言うけれど
あったらあったで目先のものに使ってしまう
時間があれば と言うけれど
あったらあったで無駄な時間も増やしてしまう
もっと自由があれば とも言うが
自由の ....
{画像=120624184853.jpg}
突然の雨に読みかけの新聞を掲げ
歩き出すと
ポタポタ
新聞紙に残る雨痕は
不思議に一定方向に跳ねが伸びて
跳んで
僕は誘われて歩いて行 ....
月面に地球がのぼるのを見たことがあるかい
虹彩異色症の奥菜惠ちゃん デビッドボウイ
片目が金目でもう片方が銀目の猫
ちょっとだけちがうものが無数に存在するが
有限個ならば統計学 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34