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青
画用紙に青いインクを零したら
晴れやかな空になった
青いフェルトに涙を零したら
透明の染みになった
道端の石ころにも成れな ....
みんな偉大だしカスなんだ
みんなありがとうだしうっとうしいんだ
みんな立派だし取るに足らないんだ
母は偉大だとか
子供に対して生まれてきてくれてありがとうだとか
そん ....
お元気ですか
秋の風がさみしい
と云っています
神様が意地悪で
才能をくれません
窓を通してそっと
幸せそうな家族を
見ています
クリスタルで覆われた街
音も無く忍び寄る爆撃機
頬をつたう血の香
逃げ惑う人の群れ
此処が何所だかとうに忘れた
何がなんだか判らない日々
手をつないでいた彼女は消え
二の腕から先が無 ....
低いベッド
壊れた水平線を
修復する
年老いた水夫
子どもたちは
遊びまわる
紐状のもので
いたるところで
フェンスの中に
迷い込んだ
夏の蟻が
....
俎板に
茄子があるのを
きみはじっと見ている
ぼくの
右の掌のうえで
きみの
ながい髪が
穏やかにきらめく
素晴らしい午後
....
ほんの少しよごされた
ガラスでできたコップに
最初の朝陽がまっすぐに注ぐのを
僕はじっと見つめている
....
言葉の切り売り 100g 100円
生きている意味を知るために
確かなものを探していた
信じたい言葉があった
『 愛 』 『 希望 』 『 約束 』
だけど解っているんだ
そんなものを信じるから
いつも傷つくんだっ ....
おさないひと
その頬に
くちびるで 触れたなら
きっと、たちまち酸化して
朽ちてしまう
あなた、おさなさゆえに
かみが かわくまでは
はにかみで あいせそう
つきのうらがわの めつぼうのあらすじも
かわいた だいちの のろいのことばすら
そよぐ水草、駿馬のたてがみ かみが かわくまでは
....
信じられるかい?
人間が月に行った事を
信じられるかい?
君と月を眺めてビールを飲んだ
あのビルの屋上は閉鎖されたよ
信じられるかい?
夜中に忍び込んで水面に映った月に
誰もが息 ....
だりあダリア眼に突き刺さる冬の朝
炭酸の泡が逃げ出す冬の朝
粘土で
象をつくったら
「可愛いきりんね」って
誉められました
たこ風味の
おかしな生きものをつくったら
「足が多いよ」って
注意を受けました
気ままに
まるをみっつ並べ ....
退屈なときだ
光る石がずっと雨に濡れている
こけおどしの証明
君のいない雨の日
しぶきを跳ね上げてもひとりぼっち
さみしいのにはもう飽きた
日干しの洗濯物の匂いが恋しい
だからここで踏ん ....
騒音の中にいた
僕の気に入っている子を目で追う
少しの間ふらふらと部屋を彷徨った後彼女は
裸電球が周りに幾つも並んでいる大きな鏡の前で
化粧を直し始めた
僕がもたれている ....
息を止めろ
そしてそのまま動くな
息を止めろ
そしてそのまま動くな
息を止めろそしてそのまま動くな
息を止めろ
息を止めろ
息を息を
止めろ止めろ止めろ
お前 ....
風がカーテンを揺らす
私は誰かの洗濯物をたたんでいる
ふと眼を向ければ
貴方の優しい眼差しがある
私は微笑みを返す
時の音は静かで
街の音は風になり
また吹き抜けては
あなたの視線 ....
皆が繋ぎ目だと言うから
もうあれは、繋ぎ目にしか見えません。
(裏方の方から)
意味の息が長すぎれば
舞台が切れる前に
大抵、役者の息が先に切れてしまうのです。
使い古しの台本も
....
感情の交差点に信号が点る
読み解くのが苦手だと諦めるヤツが渋滞を生む
苦手意識か我儘か
他人に回答権利を与えるくらいなら
少しくらい痛い目を見る方を選ぶ
閑散とした枯野の真ん中にある無機質な刑務所の中で、
男は日々怨みの情念を燃やしながらトレーニングに励んでいる。
男が生きている理由はたったひとつ。
自分を裏切った男、自分から全てを奪ったあの男へ ....
優しいひとがいた
いつも笑ってくれた
唇かみしめた日も
肩をたたいてくれた
優しいひとがいた
馬鹿のつくほど素直な
人の心なんて知らねえと
言いながらも泣いていた
....
線が
思惑に触れて角度を変える
その鮮やかな反応
点々と落ちる
幾つかの俗情を振り払い
歩き出す私たち
今日もまた
背の後ろで翻った背に
声を掛けることさえできず
握り締めた ....
二十もしたの女にあらゆる猥褻を注いでいる
女に命令をする
女に触れずに女をいじめる
人工衛星から夜の日本を見つめている
青いバイブがふたつの穴をほじる
日本がライトアップ ....
空港に来たのは
会いたい人がいるから
友達は皆先に相手を見つけて
残されたのは私一人
私の目当ては人気者で
大勢のファンに囲まれていて
ふさわしくないと思ったから
声も掛けずにそ ....
色素のない目で
晴れた日を煮ている
寒い日でも
ビールを飲んでいるのは
腐った体の中で
黒い陽が
沈もうとしないからさ
分厚いパーカーを
スタジアムジャンパーの内側に着込んで
....
力を籠め
直角を形作る釘を抜く
秋の初めの陽射し
うっすらと汗をかき
N釘 和釘 五寸釘
丸釘 ステープル
亜鉛鍍金(めっき)の太め釘
あらゆる釘を抜いてしまう
すると匣(は ....
熱帯植物園の温室に
雪が降り積もる
さっきまで君と話をしていた
多分、話をしていた
メリーゴーランドの馬たちが
干し草を食む
クジラが次のバス停を目指して
暗い海を航行する
....
首を垂らして歩けば
私の影で縁取られた道路が見える
雨上がり、ミミズが這い上がって
そこいら中でダイイング・メッセージ
無性に腹が立って
傘をぶん投げる
私のこと、好きになってくれよ
絶望があるのと同じように
希望も存在する
楽しみが永遠に続かないように
苦しみも永遠に続かない
人生を希望の方向へ
希望の方向へと
向けていきたい
太陽に向かうひまわりのように
....
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