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あなたは冷たい水に手を浸して、至高の果実はきっと血の混じった奇妙な味がするでしょう、わたしの心は茨の蔓で情け容赦なくくるまれて、わずかな動作で果てしなく食い込む痛みで朦朧とするでしょう、時はもはや ....
雨こそ降りはしなかったが、街はどんよりとした雲と湿気に満ちていた、人と擦れ違うのが煩わしくなり、小さな道へと逃げ込んだ、歩いているうちに、その先に昔、数十年は前に、死に絶えた通りがあることを思い出 ....
回転体のオブジェの間を潜り抜けて、濃紺の闇の中で和音の乱れた子守唄を聞いた、心の中に忍び込んだそいつらの感触は夕暮れに似ていて、ノスタルジーは現在と比べられた途端に苛立ちへと変わる、犬のように牙を剥き ....
夜を埋め尽くす雨音、夢は断続的に切り取られ、現実は枕の塵と同じだけの…薄っぺらい欠片となって息も絶え絶えだった、寝床の中で、やがてやって来るはずの睡魔を待ちながら、もう数時間が経っていた、かまわな ....
もしもあなたが詩人になるというのなら
その時点で未来はすべて捨てなさい
あわよくば名を上げて、などと
考えるのならはじめからやめておきなさい
もしもあなたが詩人になるというのな ....
十四歳のある日
ぼくは
あらゆるものが
きっとこのままなのだ、ということに
気がついた
ひとは、ある種の
限られたコミュニテイは
このまま
もう
どこにも
行くことはないの ....
漆黒垂れ流す深夜、息の絶えた獣の響かぬ声を聞きながら、寝床の中で目を開き、湿気た記憶の数を数えていた、思えば必ず身内の誰かが脳を病み、自我を曖昧にし、かろうじて自己紹介が可能な程度の人生を生きてい ....
きみはぼくが
スラックスに隠した
キャンディがだいすき
いつでもどこでも
頬張りたがって
ねえ、ねえ、とおねだり
ぼくは、待ってね、と言い
人目を避けて
さっと取り ....
暗くなる前に灯りの準備をして欲しい、悪い夢を見ないに越したことはないから、静かな音楽を流して、狂気じみた思いを鎮めて、安らかに目を閉じることが出来たらいいね、こうして話してしまうと願いというのは全 ....
靴の甲のあたりの高さにもなれない、小さく目立たない花が板塀の脚に沿って群生している、昨夜遅くの雨でそいつらはテレビコマーシャルのように粒の小さい光を跳ねている、板塀はところどころ破れていて、それは ....
きみは遠い世界の春を抱いて、シャンソンに合わせて身体を揺らせている、昼間は夏のように暖かかったけれど、夜は北極のように凍りついている、電気ストーブよりもいくつもの薪をくべた暖炉が欲しくなる、そんな ....
裏路地にもう何十年も転がってる自転車の
茶褐色に錆びた車輪が真夜中に一度だけ軋んだ
生き過ぎた鳥のため息のような音
その時、俺の知り合いがそこに居れば
俺がひとりで何事か話していると思ったかも ....
凍てついた亡骸を引き摺りながら、悲鳴のこだまする方へと
不安定な足元を均しつけるように歩いた
空はシュールレアリスムのような曇りで
雨の代わりに百足でも降り注ぎそうな趣だった
亡骸はもうす ....
言語は解体され、意識の破片となって、冷たい寝床で検死医を待っている、風が鳴くような音は、体内に残留した空気が逃げ場所を探す音、死後硬直のトーンは灰色、アルミニウムのような冷たさだけがそこにある、空 ....
フォー・ビートが沈み込んでいく
目録のない夜の隙間
非常階段の泣声
男か女か分からない
カルヴァンクラインの残骸
浴室に注射針
充血した瞳が
最期の瞬間に見たものは
あなた ....
どうにも目がさえて眠れないので
今日の夢をゴミ箱に捨てました
今日の夢は泣いていましたが
何も言わずにゴミ箱に蓋をしました
ひとは残酷ないきものです
ティン・マシーンを聴いていてふと
....
指を伸ばして
最初に触れたものの名前を教えて
それはきっとこれからの
示唆を含んでいるから
たとえそれが
取るに足らない冗談めいたものでも
なにも手に入らないよりはきっとましなことでし ....
せせらぎは忘却のように消え失せてしまった、もう、おまえは、地に落ちた果物みたいにいびつで惨めなしろものだ、指先が震えているのは、根源的なおそれのせい、途方もない量の雨が世界に飛び降りてくる、人々の ....
叫びは暗闇に飲み込まれ、おれたちは
財布を落としてきたみたいな心もとない気持ちでいる
神さまは金持ちにだけ整理券を配り
おれたちには聖書みたいに硬いパンを施すだけさ
適性検査を受けて戦いに ....
暗い湖に朦朧と沈む膨張した死体の夢
網膜のなかに書き殴られた最期の詩
叫びはふやけた肉体に阻まれ
二度と出られぬまま溶解して流れ出る
いつだって午前二時
破裂と飛散を望むものたちが
内 ....
こと切れそうな灯りが、埃の海に飲み込まれそうな木の床を探している
流れているジャズはスローで、消えないものに心をこだわらせる
まばたきのつもりだったのに眠っていたのか、そんな判断もつかないほど ....
指の強張りの理由は不明だった、時間は渦のように暴れながら不均一に流れ、少なくともここからでは確認することの出来ないどこかへ静かに落ちて行った、午後になってから隠れた太陽は結局そのまま今日の役目を終 ....
盗人のような夕日が、薄曇りの空に紛れてゆっくりと沈んだので、俺はまるで破産した大金持ちのような気分で遮光カーテンを閉じた、喰い過ぎた晩飯がウェイトになって胃袋に伸し掛かる、だからイヤホンを突っ込ん ....
緩い傾斜は右へ左へと度々方向を変えながらその頂点へと続いている、俺の脳裏ではマーチング・バンドの隊列が知らない曲を演奏しながら練り歩いていた、演奏はあまりにも楽譜通りで―大病院の会計で知らない誰か ....
欠けたグラスの縁から飲んで唇から途方もない血を流せばいい
解けた鎖を無茶苦茶に絡め直して永遠を誓えばいい
もう二度と手に入らないものは
どんなに蔑ろにしたって誰にも叱られない
闇雲に生えて ....
色味にトチ狂って
暗がりに吐瀉物
別々の腕時計の
指し示す同じ時刻
グランギニョールのフィギュアと
バラライカのドーナツ盤
ベゼルの割れたディスプレイ
気分の乗らない売春婦
電気自 ....
粘ついた舌ですべてを容赦なくなめつくすような雨がようやく上がったあと、機銃掃射のような太陽の子らが跳躍を繰り返した、俺は脳味噌を安い匙で掻き回しては言葉を拾い、左官工のように投げつけては撫でつけた ....
夜が壊れていくから
窓に包帯を巻いた
朝は舌なめずりして
地平線の先で出番を窺っていた
幼子の泣声、いや
盛りのついた猫だろうか
街路はあらゆる音を
まっすぐに伝えてはくれない
....
世界は水晶を透過したかのようにどこか輪郭を甘くして、副作用で冷えた俺の身体は冷蔵庫の果物みたいだ、生来的なペインに砕かれた午後の欠片、台所洗剤がバラす油のように居なくなる、ラジオで聞いたコクトー・ ....
おまえの
見開いた目の
いたみ
排水口を、すべる
小便の
甘い匂い
午前零時の
渇いた鐘の音が
脳味噌の中で鳴る
今日の臨終
噛み砕いた林檎の酸味
手 ....
アラガイsさんのホロウ・シカエルボクさんおすすめリスト
(246)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
いつか声をあげるときに
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
21-8-23
ボロ布のようなマリア
-
ホロウ・ ...
自由詩
6*
21-6-20
深い夜の砂漠
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
21-6-13
神経組織の夢
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
21-5-23
もしもあなたが詩人になるというのなら
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ホロウ・ ...
自由詩
10*
21-4-19
十四歳で死んでいったやつらに
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ホロウ・ ...
自由詩
15*
21-4-6
常にこめかみにあてられた銃口が囁いている
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
21-4-4
キャンディ_アイラブユー
-
ホロウ・ ...
自由詩
5*
21-3-31
アフター・ミッドナイト
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
21-3-8
あなたはただ佇んでいる、それがわたしには心地好い
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
21-2-10
サン・トワ・マミー
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
21-2-3
あらかじめ瓦礫の中の
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ホロウ・ ...
自由詩
5*
21-2-1
まるでうまくいかない
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
20-12-14
乱反射する生の所在地
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
20-7-27
世界中のさよならの鐘をふたりで
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
20-7-25
夢を見るのは悪いことではないけれど
-
ホロウ・ ...
自由詩
12*
20-7-19
目隠しの奇想曲
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
20-6-17
子守歌は静寂の雑踏のなかで
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
20-6-15
ロックンロールはだれのため
-
ホロウ・ ...
自由詩
8*
20-6-7
不意打ちのようにやって来る
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ホロウ・ ...
自由詩
7*
20-6-2
愚かさの取り分
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
20-5-31
カウントを取るにはビートが染み込んでいなければならない
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
20-5-21
現実だってたぶんまじないみたいなもん
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
20-5-17
ぽっかりと空いた穴みたいな時間
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
20-5-14
吟遊詩人の歌
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
20-5-11
だったらrip_it_up
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
20-5-10
プールの水は何色でも構わない
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
20-5-7
ステラ
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
20-5-3
寄生虫の頭を捕まえて喉から引き摺り出す
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
20-4-30
いつのまにか空っぽの血管
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
20-4-28
1
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