夕暮れ

さびしんぼう

だあれもいない公園で

影踏み
かけっこ
かくれんぼう

風といっしょに遊ぼうよ

いつも泣いてる
あの子とふたり
遊びにおいで
またおいで
 ....
突き抜けた青天から目をそらし
振り返ってしまうことがためらわれ
気付かなかったことにした

水滴ひとつ浮かばない箱を抱えて
所在を見つけようともしなかった
抜けた羽毛を一枚入れて
ふたを ....
彗星は氷の塊だと教わりました

ゆんゆんと楽しげに
春風はすぎてゆきます
りんりんとさかしげに
春の日がおちてきます
春風は単に空気の移動な ....
角砂糖をひとつ
昨日の夕焼けに落とした
レモンだけじゃ
辛すぎるかもしれないし
ただなんとなく

作り笑いをひとつ
一昨日の捨て台詞に添えた
当って砕けただけじゃ
苦すぎるかもし ....
ヨークベニマルはいい所だ
昼には良いものがたくさん売っているし
にんじんじゃがいもたまねぎ99円だし
夜には
昼に手が出ないものが安くなっているし
駐車場には心地よいBGMが流れてるし
み ....
やわらかに色紙の花園で
子猫が蝶々を追って駆けて行く
{ルビ淡紅色=ときいろ}の薫りを放つ花たちは
自慢の花びらを踊らせることにいそがしく
まるでそれは雨のように降りしきり
この花園を埋め尽 ....
浅黒い空に陰鬱な虫が踊る、太陽の時間に間に合わなかった雨上がり、そこの破れた靴の中はもうすでに踏みつけた水たまりの記憶で一杯で…アスファルトの上で腐葉土を踏みしめているような違 .... 花びらひとつに夢ひとつ
風に吹かれて流されて
花びらひとつに愛ひとつ
あなたに届けと願います


すらりと伸びたスイセンの
葉っぱが風になびいてタクトを振れば
ラッパが奏でる愛の歌
 ....
人当たりの良い夜風に浮かれて
ゆうらり裏道をそぞろ歩く
コンクリートの余白から湧き上がる
若すぎる命のにおいに
甘い吐き気をもよおしながらも
どこにも辿り着けない足取りで
高層ビルを迂 ....
滲んだ太陽に
土手までのびた茜色
わたしたちは 何に染められたんだろう


もしも、の空を眺めていた
鏡みたいに、
あるいは透明な


空は、夕暮れ
おしげもなく跳ねる、金魚にま ....
 
 
月工場で
おじさんたちが
月を作っている
その日の形にあわせて
金属の板をくりぬき
乾いた布で
丁寧に磨いていく

月ができあがると
ロープでゆっくり引き上げる
くりぬ ....
唇は
春だった

柔らかくて
惨たらしかった

前髪は
夏だった

煩わしくて
あてどなかった

耳たぶは
秋だった

満ち足りて
素っ気なかった

鎖骨は
 ....
 詩も書けへんのか


 人けなす言葉はようけ 知ってるのに

 自分の不幸の理由はたくさん語るのに

 
 ただの言葉のカスタマイズや

 捨てられた言葉のリサイクルや

 ....
 
 ポピー
  オレンジ色と言う言葉

 ラベンダー
  むらさき色と言う言葉

 スズラン
  確かに白い鈴が鳴る

 忘れな草
  小さな小さな花弁の黄色は忘れない

 ....
仮定されたパラレルワールドの選択問題
うんざりしたから蹴り飛ばす
容姿だ性格だとは言いつつも
最終的には金か知恵
こうもしらけた現代で
風呂場はアブクブクブクと
下駄箱でクツクツ笑って馬鹿 ....
顔のぼやけた数人を認めないことで
自分の価値をあげようとしてる

仮面ばかりが豪奢になったこの星で
どうして素顔を人に受け入れてもらえるなんて

思うの。


 君がつむいだ言葉と嘘 ....
いま 窓の向こう バスが通り過ぎた
家の近くの停留所
僕の乗ったことのないバス
バスは走っていく
静かな夜の街路に
大きなエンジン音を響かせて
十字路を真っすぐに横切り
マンションの四角 ....
何故君の手のひらは
綺麗で
広くて
女の子みたいに
冷たいんでしょう?

わたしの手のひらは
ぼこぼこで
小さくて
いつでも熱くて
どこか湿っぽいです

だから

その
 ....
 この星系のどこか
 色でけずったメタンガスにちかいどこか
 バスの墓場がある
 何億台もかさなりあって絶命している
 すすけた錫がキーンと光っている
 純粋だと主張する天頂方向に

 ....
喪失した傷は取り返せない
異次元の彼方に漂着した 傷に
いつかあなたは口づけ青ざめる
日の出直前の白白とした空のように

種子の記憶が芽生え。
ミシミシ、と殻は青ざめ幽かに
震えつつ怯え ....
暗い車輌が
過ぎて行く
きしる車輪の
音を残して
どこかに消える
儀式の時刻
中空を漂う
待ち人の視線

遮断された
昨日・今日・明日
の私
水族館で
深海コーナー
ダイオウグソクムシ水槽の前で
しゃがみこんで
ひらひら

なんとまぁ
水族館のスタッフは
餌付けに成功したらしく
(それまで何食べてたんだ?)
最近では
 ....
 

目の見えない猫に
少年が絵本を
読み聞かせている

まだ字はわからないけれど
絵から想像した言葉で
ただたどしく
読み聞かせている
 
猫は黙って
耳を傾けている
少年 ....
春の先触れの強い風のなか
身を庇う{ルビ術=すべ}も無く凛と咲く
あなたの姿に目を奪われる

雲を払った青い空に
くっきりと白く
手のひらの様な輪郭が美しい

潔く
真っ直ぐに
届 ....
とおい秋に
実るものはなんだろう
わたしが実家の門を通るときに
ふと、かいだ
祖父が築いてきた
歴史のにおい
短いとも長いともつかない


毎朝はやく
仏壇に水をあげる、祖父
 ....
? 蝶

シ/モクレンの一秒は
蝶の魂と同じ

奇妙に歪んだ美醜の契りが
爪先で蠢いて翅にかわる


うす紫がゆっくりと溶け出し
バスタブの温度を下げる

浴室で眠る蝶の夢は
完全に対称 ....
「ねぇ。」
「ねぇ、キミ。」
「ねぇ、ねぇキミ。」

無限廊下の、うさぎいすが鳴きました。
淋しいうさぎいすは、死ぬのです。



無限廊下に並ぶのは
無限個数のうさ ....
骨を飲み込んだ壁の絵は
歩けるようになった
かすかに影をいだいて
陽をひきずり
音を避けて
草の渡れぬ反対側へ
道に線をのせた

ぽとり と雨が
さほど濡れない
ひさしのついた壁の ....
ぼくたちは春を起点に遠ざかる公転軌道を失った星






君という病を喪いかたかたと瘧(おこり)のように震える柱



便箋を一枚一枚丁寧に破ればただ ....
繋がって
また
諦めた
歯がゆさで
ワンマン電車が走っていく

わたしの
肯定を知りたい

たくさんの競争心を
おぼえたふりをしていたらしい
甘やかされている時間にはふと
だれ ....
瀬崎 虎彦さんのおすすめリスト(796)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夕暮れ_橙_さびしんぼう- 未有花自由詩21*09-4-22
祈ることで許されると思っていた- あ。自由詩25*09-4-21
彗星は氷塊なのだから- 佐々宝砂自由詩609-4-17
理由- nonya自由詩24*09-4-16
清正美- 蒼木りん自由詩109-4-14
花の森にて- 未有花自由詩19*09-4-13
ひとつずつ死滅する暮れ方からのアルペジオの残響- ホロウ・ ...自由詩1*09-4-12
花びら郵便- ルナ自由詩1109-4-11
春宵- nonya自由詩15*09-4-11
遥か- さくら自由詩17*09-4-8
月工場- たもつ自由詩3809-4-7
春夏秋冬春夏秋冬春- nonya自由詩13*09-4-6
きょうかしょりんりいいんかい- 山崎 風 ...自由詩5*09-4-5
お宮入り- 山崎 風 ...自由詩409-4-5
何様ハリケーン- 中原 那 ...自由詩2*09-4-3
今宵はあなたの舞踏会- 水島芳野自由詩509-3-31
バスが通り過ぎた- 北野つづ ...自由詩409-3-31
絡め手- 愛心自由詩14*09-3-30
バスの墓場- コーリャ自由詩19*09-3-28
ある旅人- こしごえ自由詩5*09-3-27
夜の回送車- フクスケ自由詩209-3-26
ダイオウグソクムシと- 小池房枝自由詩8*09-3-26
絵本- たもつ自由詩3009-3-25
白木蓮- 花の静寂自由詩4*09-3-25
実る- かんな自由詩7*09-3-24
psyche_Ⅳ〜Ⅵ- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...20*09-3-24
無限廊下の、うさぎいす屋- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...10*09-3-21
雨小石- 砂木自由詩15*09-3-18
春を密輸- しろいろ短歌1609-3-15
黒潮鉄道- 伊月りさ自由詩35*09-3-9

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