朝一番に窓を開けると真っ白に吹雪いていた
時が流れるにつれて徐々に雨へと変化して
暮れる頃にはそれさえもあがっていた


駅の改札を抜けて家路につく
空には呑気に星がちらついていて
コー ....
天空の青はただ、孤独のいろ

神秘の源泉より切り出された青い石は

月の砂漠を揺られ、世界を支える山脈に沈む夕陽を眺め、

地中海を越え、さらに遠い国々に運ばれるためにある

 ....
月がいやにはんぶんで

藍のそらのそこが白かった

それはやけにぎらついていて

たったひとつの天体のごとだった


放りだされたにんげんは

この世にふたりといなかった

アナルセックスいがい

か ....
都会を知らないじゃがいもは
わけもわからず大阪方面の電車に乗り込み
その行く先を疑いながら
車内アナウンスだけを頼りにしている
スポーツ新聞の大きな見出しは
仕事とばかりにこちらに笑いかけて ....
一段と冷え込む朝だ
埃色の毛布に包まりながら咳き込んだ
小さな体の快活さに一層むせる
いたずらに温もりをまさぐるそれは
疑問符の尻尾を落ち着きなく振り動かし
そわそわと春の訪れを待ってい ....
あどけない湿度

風ほどけてそぞろに

空では光や影がであっている

来世への階段を幻視する


遠い空に

春に

屹立せよ風

自殺に憧れるその鼻を

岬のむこう ....
{引用=
赤くて甘い熟れた先端よりも白くて硬くてすっぱいお尻を
齧ったときのほうがずっと春に近づけるんだってさ。
朝から晩までへたのまわりに齧りついたのに、今日の天気は雪です。
舌がただれて痛 ....
■罫線

歩くことなんか出来ないってわかっていても
真っ直ぐに続く道を知りたかった
言葉はあまりにも無防備すぎて崩れそうで
その柔らかさを利用して思い切り固くした


発しては、ほろほ ....
白壁の結露が乾く前に
一足先に階段を駆け降りて
鏡の曇りが晴れるよりも早く
下駄箱から逃げ出した
必要なものが少なくなってしまい
机に描かれた落書きもどことなく素っ気ない

悴んでばかり ....
ぼくは裸にもどります
着ているものを脱いで記号にもどります
記号は誰かに気付いてもらうために
信号になります
見つけてくれるまで発信し続けます


金属と石に惹かれる女たちは
アイスラ ....
古い鉄の欄干と、煉瓦倉庫と、にび色の水面
イースト・リバーに遺灰を撒いてほしい
ローワー・イーストサイドの
薄暗いアパートの1室での最後

(自由な精神は漂う)

過剰に言葉を組み立てる ....
砂漠で馬に乗るのは無謀だからやめよう
俺の抱負は無残にも潮騒に打ち消されて
柔らかくていい匂いの貴方には届かない
砂漠で馬に乗りに行った貴方のことは
俺はもう一生涯忘れ得ぬ後悔になるだろうと
 ....
俺の名前はジェニファーだ
昭和の男をなめるんじゃねえ
うさぎを七羽ほど飼育している
図書館司書の女性と交際したい
図書館司書の女性と交際したい
図書館司書の女性と交際したい
誰かそういう人 ....
例年通り僕の誕生日は雨だった

街の所々から音泉が湧き出ていた

それは素晴らしい日々の幕開けだろう

それ以外は考えられなかった

なんなんだろう

この不思議な気持は

プ ....
隣人を愛した
隣人に愛されたかった

それだけだった
それだけじゃなかった

世界を愛した
世界に愛されたかった

それだけだった
それだけじゃなかった

私を愛したかった
 ....
変わらない景色に馴染めなくて
冬の雨も相変わらず嫌いなままだ
冷たい言葉遊びに対して
拒絶という、純粋すぎる答えを与えてくれた
微かにも願ったことがあったなら

さらば、青い花


 ....
主の居ない実家の風通しに行って
帰京する日の昼食は
親父が通いつめていたラーメン屋

生前
親父は帰省していた僕が帰京する日には
決まってこのラーメン屋で一緒に昼食を食べた

それだけ ....
わたしが今まで付き合ってきた人、ひと
みんなやさしい人だった
だからわたしはいつも
好きなタイプを訊かれると
「優しい人」と答える


きみはとても意地悪です
わたしの手が冷たいと ....
8mmフィルムに映し出された青い空を
精液で汚して
町の中をまわる電車に
逃げ込みました
逃げ込んだ先は年老いた少年の
末期でした

野良犬は小便を垂らして
猫たちは決して譲らず
許 ....
もう壊れてしまったから
捨ててしまうのですか?
ぼくの紡いだ時間の縦糸が
ぷっつりと切れてしまいました

重たい
川に入ると
そのままでは浮かんでこれない

壊れ物だけが集まる遊園 ....
 
 
泡の中に階段
階段の突き当たりに崖
飛び込んでごらん、ウールだよ
と言って
飛び込んでいく民兵たち
砕け散ったポケットの中に
鉄屑
こぼれ落ちた鉄屑の雫で
埋め尽くされた野 ....
髪かわかしたら?


髪かわかしたらメールしますね、って

きみの髪が一万光年の長さだったら

ぼくはもう宇宙にはいないかも知れない
米屋と倉庫の並びから
黒松のある石段までやってきた

市営バスの
卵色のソーダ水が
窓の中で揺らめいてる
並んだ頭はみんな後ろ向き
漬け物屋の側面広告にネコがいる

二夜の灯りを懐か ....
雪がたくさん 降ったから
きゅっきゅっと
アーモンドカステラ
こしらえて

にぎりずしをつくるよに
片手のひらで
雪を 食む         / ハむ
耳がふたつできたから
隣の垣根 ....
四葉のクローバーを見付けて

一枚葉をひき千切った

するとどうだろう

さっきまで幸せの幸福の四葉のクローバーだったけど

今はそこら辺にいる普通のクローバーになっていた

気味 ....
新しいドアの前に辿り着いて

ノブを回してドアを開ける

中に入ってからばたりとドアを閉める

今入ってきた場所と薄いドアの一枚で遠く隔てられた世界

ドアのこちら側でしばらく立ち止ま ....
「さあ、心臓の話をしよう」
名前の付かない生活と繰り返す死臭
或る者は可視領域にある組み合わせで血流を速め
また或る者は賢く壷の外で萎れて微笑む
狭い棺の中で生物学的な吐息に憧憬を抱いた刹那、 ....
目が痛くてもうホンジュラス
目が痛くてもうホンジュラス

かさばった生ゴミを
モデルルームに棄てたい
シルバニアファミリーの
末っ子とデートしたい

あなたのやり口は腐った ....
地球について
しんとした時間のなかで
僕らが一秒でも考えてあげることができたら
六十八億秒の祈りが生まれるよ

気持ちを吐き出してしまいそうになるくらい
好きなひとに出会えたのもこの星だし ....
腹いせ紛れに
近所の女に
愛を語った夜
夢の中で
大きな力が
渡ってはならない川を進行した
大群で
歌を歌いながら
さながら王朝末期の
十字軍だった

愛の名のもとに
人が人を ....
瀬崎 虎彦さんのおすすめリスト(796)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水たまりには世界が写っている- あ。自由詩25*10-2-8
ラピスラズリの青い道- 楽恵自由詩10+*10-2-7
たったひとつの天体- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...410-2-6
じゃがいもの小旅行- 中原 那 ...自由詩10+*10-2-4
フェイクファー- ゆえづ自由詩210-2-3
春に屹立せよ風- 吉岡ペペ ...自由詩710-2-2
((いちご)のつぶつぶ。)革命- 夏嶋 真 ...自由詩30*10-2-2
ノートのおと- あ。自由詩12+*10-2-1
雨上がり、春を待つ- 中原 那 ...自由詩810-1-30
スカンディナヴィア- within自由詩13*10-1-25
ギンズバーグが教えてくれた- ……とあ ...自由詩17+*10-1-24
なれのはて- セガール ...自由詩210-1-16
魔法少女ジェニファー(2期)- セガール ...自由詩110-1-16
誕生日は雨な世界- こめ自由詩1510-1-16
私の手は冷たいね- 嘘而自由詩510-1-10
さらば- 中原 那 ...自由詩10*10-1-10
語ることのない物語- kauz ...自由詩11*10-1-9
意地悪なひと- あぐり自由詩5*10-1-9
8mmの空に- within自由詩8*10-1-9
コワレモノの涙- within自由詩20*10-1-8
ノイズ- たもつ自由詩1310-1-6
ぼくはもう- 吉岡ペペ ...自由詩710-1-5
夜半まで- しべ自由詩310-1-3
ゆきうさぎ- 鵜飼千代 ...自由詩4*10-1-3
四葉のクローバー- こめ自由詩1010-1-2
ドア一枚向こう側- 楽恵自由詩6*10-1-1
愛が足りない- CAMILLE自由詩309-12-31
マクノウチ- CAMILLE自由詩209-12-29
六十八億秒の祈り- 吉岡ペペ ...自由詩1109-12-29
パブロ- 真島正人自由詩2*09-12-28

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