昨日は
君も僕も休みだった
二人で買い物にいって
お茶碗と箸を買ったね
僕が藍
君が紅
藍いお茶碗と箸
紅のお茶碗と箸
おそろいで兎の模様に ....
会ってご飯食べてチューしてそれから
恋人になりたいって
言われても
さらさら流れる感情をどこかでせき止めて
今日から恋人だなんてどこかおかしい
ちゃんちゃらおかしい
自然に恋人になれないの ....
スプーンに 乗っている
人待ち指
のぞきこんでは
大きな眼ばかり
いたずらに
一周させて
どうしても
のみほしてしまいたい
ポーズは
さっき
はじめた
楽しげに話す君の唇に
僕の人差し指を
押し当てる
唇は何度も重ねたけれど
指でのキスは初めてだった
柔らかくて
弾力のある
君の唇が
僕の人差し指に ....
涼しい街を
旅するさかな
大きな瞳で
まばたきするよ
かなしい夜は
明るい街で
楽しい夜は
深い闇のなか
旅するさかな
今夜もひとり
止まることなく
回遊するよ
さ ....
こうこう みお とぎり
かけ め まゆ しぶき
こくうり くち つむり
ほされる ゆび のさき
きりなみ ほほ さすり
もえいる くさ わだち
たとえかすり傷だらけだろうと
かさぶただらけだろうと
君は
俺だけのマリアだった
俺は
君がいるから
かろうじて
今日一日でも生きられた
なのになぜ
....
窓ガラスの向こうは
漆黒の闇で
雨が擦り切れた銀の糸みたいだ
俺も人間としては
かなり擦り切れてる
いつも
同じところをぶつけるし
いつも
同じと ....
かし はける ひづめ
つもり つぐなう は
ひきり まよう そう
にたち こめる まゆ
らがん なぞる ちり
こする とおい ほほ
ふかれたとおりに
まいちる おみみ
かさり とせに
そろわぬ あんよ
ゆく かい せく てて
ほお えみ むむ わわ
ほされ すぎ なう
さろう のほ ゆれ
かたらせた たまひこ つむぎ
そとえだひ ののほほ ふれる
つきゆいた みほのみ ほして
せになくや ままむく ひめか
さよう に
増す
ばったり
倒れこむ まつ毛
傘は 持っています から
から
きかせたい のでしょう
告げたい から
から
さよう なら
から から傘
ずっと 遠く輝いてる 星は
もう ずうっと前に 輝いて
今 私がみてるものは 過去
光 とどいているのは 願い
いつまでも まにあわなくて
いつまでも まっていられる
ずっと ....
わたしがいたら
あなたは
うれしいのかな
よくわからない
わたしはあなたがいると
さみしいの
おなかが痛くなって
道のはじっこにしゃがんでいたら
知らないお兄さんがそばにきて
だいじょうぶ?
と聞いてくれた
わたしは顔を上げた
なんと言おうか迷ったけれど
「おなかが痛いんです」と ....
雨に濡れて生きたいと思い
散る花をみて死にたいと思い
雨に濡れて死にたいと思い
散る花をみて生きたいと思い
海をみて死にたいと思い
海をみて生きたいと思い
結局 ....
昨日も眠れなかったよ
ちゃんと薬飲んでるのに
何でだ
俺の体に
薬が慣れ親しんでいるんだ
俺の体が
薬に乗っ取られる前に
お前の腕で
その腕 ....
七日目の夕暮れ
悲しみの中身は今だあなたへの切願なる想い
大切にしてきた海の滴が
少しづつ込み上げて重ねた後の唇を辿り
瞬きという時に忘失を委ねていた
いつも夕立が来たら虹を見る
そ ....
笑顔の底
瞳の夢
想う都
あの子が摘んだ紅葉
彼女の子供が摘んだ紅葉
どこまでも続く
想う都
そう想えばの夕暮れに
風は鈴の 音の 色を
....
たったったっ と少年が
往来を小走りに行く
戦争が はじまるかもしれない ので
外国人が 多い
声をかければ 靴を磨かせてくれる
稼ぎ時だ
記者だという男などは しきり ....
あの人は悲しい人だった
公園のベンチで
名も無い詩人の詩集を読んでいた
落葉を栞代わりに挟んでいた
あの人は悲しい人だった
誤字脱字だらけの
名も無い詩人の詩集 ....
封鎖して
外出禁止
誰でも
拘束する権限を持ち
そんなことをされて
生き延びる人がいるのか
ごはんはどうやって食べるのか
誰が手当てをするのか
これから会社に行 ....
両手でそっと包んだ鳩が冷たく固くなっていくということ
小さな部屋でひとり眠る夢のこと
最後の言葉を告げるためにやってくる
自転車のこと
同じくらい愛し合っていると思える人と出会い
二人でしっ ....
雨粒が窓に絵を描いてる
知らない名の花
知らない名の鳥
遠くからやってきた雨粒が
空に溜まった夢を運ぶ
ねえ
信じてるのは
わたしの気持ちだけなの
だから安心して
心配しないで
あなたの言うことなんか
はじめから信じていないから
いくらでも言っていいんだよ
わたしもたくさん言うね
心地 ....
ふるい舟が遠く
波をおこして
海の中
泉をわかせる
空に近く
のびた飛沫は 羽
ふさがれた土地
求めながら
陽射しに
日陰 ゆるしながら
いかり をあげ
悲し ....
自分の詩作について、思うことです。
○伝えること、表現すること
「いかに多くの人に、うまく伝えるか」と「いかに自分が満足できるように、うまく表現するか」は対極にあると思うのです。
伝える ....
夕暮れ部屋の中で
君はキットカットと
出掛ける支度に夢中
俺は鱈のムニエル作りに夢中
いつものまな板の周りに
時々の鱈が甘塩で二切れ
その親愛なる白身を
俺から奪わんとするエノキとシ ....
ああ・・無常と無上
それは笑顔の
前にみた微笑です
ああ・・無常と無情
それはあなたの涙を
ぬぐったあとの
乾かぬ頬と
みてしまう俺の気持ちです
ああ・ ....
カット!
違うんだな そのコーヒーカップに入ったスプーン
もっとクルクル回して
ユダヤ人ならもっとクルクル回すんだよ
そう 頭の中で目の前の恋人のことも考えるし
干してきた白いシャツが乾 ....
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