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靄を抜けて

トンネルをくぐっては

枯れ山に光

夢の残滓に朝の黄昏れ


ひとはいつ

なにを始めるのだろう

ひとはいま

なにを始めたのだろう


靄を抜け ....
かんかん照りの星空に

ふたりの哀しみ

狂いなく配置されている

ぼくらは模型の街にいるようだ


ふゆの夜が

星粒を散らしている

見上げるたび

眩暈してふらつい ....
朝日に曝される夕べの残滓

そんな粗雑もたまにはいいか

長い目で見るって

時間レベル?

たましいレベル?

生きているうちに結実するものなんて

成功か失敗しかないと思う ....
俺は愛人にロープを買ってこいと頼んだ
じぶんで買うのが恥ずかしかったからだ
いや、正確にいえば
恥ずかしさに耐えるストレスを回避しただけの話だ

愛人はコンドームとロープを買って
俺の部屋 ....
足もとのカラスは飛び去らなかった

朝のホテル街をふたりで歩いた

いいのに、でも、ありがとう、

女を駅まで送っていた

ぼくらはたとえ話のなかを生きている


これは、なにか ....
希望は与えられている

悲しみは与えられている

ショパンを練習している

テンポの変わるところが

音がほどけてしまってながれない

おなじところで音もわれる

灰色の街で
 ....
きみがくれた情熱

誰のために使うというの

季節はずれの純情

冬の風に吹かれているよ

何度も誓ってみた

ひとりきりのふりしてた

してみたけれども

いつかまた別れ ....
命を継ぐいがい
時を旅することはできないぼくらは時の旅人だ

星は知らない
互いに知らない星と一掴みにされて
勝手に名前をつけられていることを
星よ、ぼくらが、なぜそんなことをしたのかって ....
駐車場をながめていた

どこからか猫のなき声が

マーフィを探すように

二人で目を動かしていた

俺は今どこにいるのか

愛人のマンションにいる

そんなこと聞いてない

 ....
ぶらりと定食屋に入った

カウンターのうえに並ぶおしながきを見ていて

カツ丼をもうながく食べていないことに思いあたる

学生のころ日に三杯は食べていたカツ丼

あれから二十年か・・・ ....
夜のまんなかで

煌々と

月は月している

そのまわりに散らばった

それぞれの場所で

星たちは星している



宇宙はなにを


ものまねして


いるの ....
全寮制の中学に通っていた

六時から十時までは

途中休憩をはさんで学習室で勉強だった

中間試験が終わった十月の土曜日

その日だけは自習時間がなかった

テレビ室には二十人くら ....
十月さいごの日だまりが

ぼくらに光を継いでゆく

風のしたで悲しみをかまえ

いちばん好きな他人を失う


恋人の不実をまえにして

ぼくは悪くなかったのか

神様、怒って ....
聞こえるの

まだ悲しくないあの頃

振り向けば

そんな気持ち片づけて笑ってる


遠い

記憶のまだまんなかで

夜道を

祭りのあとみたいに歩く

月明かり
 ....
俳優は事件をひとりで引っ被っている

現場にいた元総理の息子と

死亡した女とのあいだには

国家レベルで容認できない何かがあった

この事件を掻き消そうとして

あの女優夫婦にも ....
宇宙の中心に

じぶんを置いてしまうから

厄介がうまれてしまうのだ

宇宙の中心に

じぶんを置かなくたって

どうせ置いてしまっているのが

じぶんというものだ


 ....
四日の夜には息子と散歩をした
息子は自慢話を聞かせてくれた
子供ってたぶんみんなそうだ

ふしぎな月の夜だった
月のまわりにおおきな円弧がかかっている
それを息子に教えた

お父さん、 ....
うっすらと

冷えた微風にほんのりと

さやかな湿度とキンモクセイ

夜道をスーツは落ちてゆく

まよこを電車が落ちてゆく

ほんのりと

さやかな湿度と焚火のなごり

胸 ....
星よりはやく西へ東へ

飛行機たちの遠い明滅

夜の坂道に外灯がたつ

いくつかの影をまとい

僕は長い坂道をくだる

僕は夜の無生物になる


さびしい、とつぶやいた

 ....
風が吹いている

青く灰色のピンクの影のなか

夕暮れの香りが運ばれている


いちにちは

誰にかやさしい終わりを告げる

よるに棲息する

わたしは無生物になるでしょう
 ....
湯をもとめ

山林にはいる

猪か、獣の臭いがする

腐葉土を踏み

靴底を滑らせてゆく

真実は

湯をもとめてはいない

獣を撃つことのみ

思考している、否、体が ....
傷つきやすいこころがあるならば

ひとを傷つけるようなことをしてはならない

喜びを感じるこころがあるならば

ひとに喜んでもらえる自分でなければならない

キンモクセイは夜のどこにあ ....
目的はあったほうがいい

そのための

道標としての目標はあったほうがいい

そういうことが

しんどいことだと思うひともいるだろう

言葉は個人にとどかない

これを孤独と言 ....
蛍光灯のひとけないフロア

コピー機の出力の音

そとの雨が窓をぶっている

指示されたことを

消し込んでいる部下たち

十月の夜が

ほとぼりのさめたような顔をして

 ....
十月の午前の窓は開いていた

どこか遠くで冷やされた風

部屋はあのときの青に澄んでいた


十年ほどまえ商用で行ったアルゼンチン

仕事を昼までに終え

通訳兼運転手の日本人が ....
秋のひかりが青く透けている

夜の名残か虫の音がしている

どこか遠くで冷やされた風が

くすぐるように頬をかすめた


日曜の朝は自室に引きこもる

朝刊は長ぐそで読んでしまったから

買っていた何 ....
おれは酎ハイ

ふたりは生中

途中下車して駅前の

会社の帰りやきとり屋


仕事の話

お互いの主張

多少気まずくなる話

家族の話

時計を見ると

もう ....
ぼくが通った予備校にはテニスコートがあった
ぼくは予備校の仲間たちとテニスに没頭した
二十年まえの話だ

ぼくらの他に
テニスコートを使用する予備校生はいなかった
ぼくらの異様な熱気に
 ....
空は夜空ではない

星でもない

宇宙そのものだ

宇宙そのものから

虫の音が

降るように聴こえている


哀しみ

孤独

裏切り

不実

それらは
 ....
まだ頭で祈っている
まだ全身で祈れていない

全身全霊だ

頭で祈っていることを体感している、というのもおかしな話だが
全身全霊とはよく言ったものだ
頭で祈っていると祈りは持続しない
 ....
nonyaさんの吉岡ペペロさんおすすめリスト(285)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝の黄昏れ- 吉岡ペペ ...自由詩310-1-9
模型の街- 吉岡ペペ ...自由詩610-1-6
ボクらの轍- 吉岡ペペ ...自由詩809-12-28
永遠- 吉岡ペペ ...自由詩609-12-20
二度とは口にせずにいた- 吉岡ペペ ...自由詩1209-12-7
灰色の街- 吉岡ペペ ...自由詩1409-11-29
日和見かな- 吉岡ペペ ...自由詩509-11-20
星は知らない- 吉岡ペペ ...自由詩10+09-11-15
猫がなく- 吉岡ペペ ...自由詩909-11-9
カツ丼とゴッホ- 吉岡ペペ ...自由詩909-11-7
宇宙のものまね- 吉岡ペペ ...自由詩809-11-3
中二の秋- 吉岡ペペ ...自由詩509-11-2
ぼくらは光を継いでゆく- 吉岡ペペ ...自由詩2109-10-31
聞こえるのは- 吉岡ペペ ...自由詩609-10-27
詩を信じる- 吉岡ペペ ...自由詩509-10-27
宇宙の中心- 吉岡ペペ ...自由詩709-10-25
四日の夜- 吉岡ペペ ...自由詩909-10-23
子を想う- 吉岡ペペ ...自由詩1709-10-21
夜の無生物- 吉岡ペペ ...自由詩809-10-19
夕暮れのあしあと- 吉岡ペペ ...自由詩1809-10-18
久しく忘れず- 吉岡ペペ ...自由詩809-10-13
夜のキンモクセイ- 吉岡ペペ ...自由詩1609-10-11
孤独- 吉岡ペペ ...自由詩809-10-8
ひとを責めるな- 吉岡ペペ ...自由詩609-10-5
どこか遠くで- 吉岡ペペ ...自由詩1109-10-4
秋の午前が青かった- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...509-10-4
おれは酎ハイ- 吉岡ペペ ...自由詩7*09-10-3
予備校のテニスコート- 吉岡ペペ ...自由詩709-9-30
秋の宇宙- 吉岡ペペ ...自由詩1009-9-28
祈り- 吉岡ペペ ...自由詩909-9-25

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