この草のにおいを意識し始めたのは、
いつからだろうか。
翳る当為が、こおりのように漂い、
透きとおる幻視画のような混濁のなかで、
きみどりいろに塗された、切りたつ海岸線が浮ぶ。

冬の呼吸 ....
沸騰させ過ぎて死んだ
白血球と赤血球が
私の掌で涙を流していた
 
お墓をつくってあげる

火をつけたはずの私が言うから
組織液まで煮え繰り返ってきた
 
 
真夏日が続く
そ ....
使い古したような
ソファーに沈みながら
ゆっくりと
足をばたつかせる
 
水中散歩でもしようか
その、一言が
恥ずかしくて言えないまま
そっぽを向いている
 
 
君はきっと
 ....
瓦礫の海を躓かないように慎重に歩きながら
君の姿を盗人のような目つきで懸命に探している
廃墟の中 放心しきったストリートミュージシャンの少女がアコースティックギターの虚ろな音を鳴らしている 一円玉 ....
マンホールを開けて
すっぽと中に入った

地球を抜けて
ずっと抜けて
だんだん熱くなって
手足が溶けて

胴体と頭が
どろどろになって
固まって
真っ黒になった ....
なぜあなたは 
病の親の世話をして 
毎朝歯を喰いしばり 
家の門を出て来る部下が 
体調崩し仕事を休む 
辛いこころが見えぬのだ 

わたしは今日も ふんふん と 
あなたの腐った愚 ....
ファーストフード店ではコップにストローが立てられて出てきた
マニュアルが与えてくれた親切 
私のささやかな楽しみはスタートラインに立つより早く消えた


仕方なく暗幕を下ろし外界を隔離し ....
               07/07/24


これからは、
哺乳類のように生きていきます
そんなこと言われても
初めからそうなのだと言いたかったが
爬虫類と言い違えたのかも知れない ....
アンドロイドになるのは容易い

毎朝 世界にいざ、入獄
反復する彼の言葉だけ持参

雨ざらしの秘密
振りながら縺れる水、を笑う


時に大きくうねる
波、それからプラト ....
チョキチョキと なんでも切るよ チョッキンな
僕の鋏は グーにも勝つよ
源流に程遠くなく
清らかな姿を
留めながら
静かに流れゆく
孤独な細い川


貞節な乙女を
思い起こさせる
喧騒に揉まれる前の
ひとつの
純真

フルートの音色が
時折舞い ....
朝霧の蒸発してゆく速さに
子供たちは
緑色の鼻先をあつめて
ただしい季節を嗅ぎわける


くったり眠っている
お父さんのバルブを
こっそりひらいて
空色を注入する
うん、うんとうな ....
バックミラーに映る

夜の自販機

ひとのように白く

ひとのように小さくなってゆく


風がやんだ

蝉が鳴いて

闇がやんだ


バックミラーに映る

夜の自販 ....
右手にアイボリー色の傘
左手にスケッチブック
いつもの原っぱ
大きなくすのきの下に
しゃがみこむ
 
パレットにはお空の涙
透明な絵の具を
筆先に含ませ
描写する世界は無限色
 
 ....
カッパカッパラッタパラッパラッパウンパッパ
パラソルデルソルシオモッテコイ

しっかり夏売り出し中、でも
パラッパラッパと雨降る梅雨日和
気の早い百貨店では
夏じまいセールだって
冷 ....
夜明けとともに
目的もなくふらふらと
外を歩いてみる
そこの夏は冷たかった

葉の上の雫に触れ
その一瞬にしかない冷たさは
手のひらの中で
やがて消えてゆく

川のせせらぎの音も
 ....
あいが死ぬ

また

そこで

あそこで

小さな息はいて

誰にも見えないから

簡単に

あいが

しぬ


息を吸って
大声で泣いて
 ....
手を引いて
歩く指先は、きっと
温かかったような
そんな気が
している
 
お母さん、と
間違えて呼んだ私の
頭を撫でては
大丈夫と
微笑んでいたから
 
 
髪を結う仕草の ....
あの
紅く透き通った朝陽は
使い古されることもなく
一日中世界を照らしていく

この光を待ち焦がれる夜も
この光を恐れる朝も

この一日
誰かは泣き
誰かは笑うだろう

わたしはたぶんたくさん泣き
き ....
紫色の夜
チャリで駆け出す
月の跡 世界の裏側

 
 

突然
怖くなって
鳴り響くサイレン
逃げ込んだ
ひとりの部屋
冷たい床

 

夜中に脱いだ
抜け殻 ....
+落葉の日には


 赤い色、青い色
 残りの空を数えている
 穏やかな日々、頬は
 青く紅葉として
 時間は等しく流れていく

 境目に乗って遊ぶ
 あなたの身体に耳を置く
 ....
 
 
流れる景色を
ふと見た瞬間
確かに
泳いでいたのは
白いくじらでしたけれど
 
すかさず構えた
携帯の中には
うまく
おさまりきれなくて
 
するり、と
いなくなっ ....
都会の真ん中で
放射能に包まれて
気が狂いそう

良い物は良いと
信じてやまない信者達で
鼻が腐りそう

大根もきゅうりも
曲がった物はみんな悪で
廃棄処分する世界
嫌気がさして ....
 ひんやりとした湖の底で
 青を反射しているハートの指輪
 の持ち主など、はじめから居なかった
(その周りで
 目を濁らせ漂う魚たち
 は、
 宛ら、雑踏でせめぎ合っている
 吐き出され ....
間違ってもいない公式を
何かおかしいな
疑って消してみた
 
もう二度と正しい公式はたたなくなった
 
 
暗くもない部屋の電気を
何か違うな
怪しんで回してみた
 
もう二度と ....
きめ細かい粒子が
向こうの水平線に
ゆっくり溶ける

聞こえない音色は
憂鬱の向こう側

黄色の支配に
世界は従う

蝶のワルツ
橙色の光に絡まって
そのまま堕ちていって
消 ....
蝉が鳴けば

朝からせつない

ドキドキして

何年かまえがせつない


大人のくせして

子供だった俺たち

よく別れられたよなあ


蝉が鳴けば

朝からせつな ....
清涼なる川面に素足を浸し
そろりそろりと踏みゆき
冷やかな感触を足裏に楽しむ
風の音や遠く聞こゆる鳥の囀りは
せせらぎに紛れ
やがて胎内に居るかのような
懐かしい静寂の音に包ま ....
こんなに寒い夏の朝には
キミをなにかで包みたい

アイかなんかで
その男とは
高校三年の時
はじめて出会った。

自転車に乗り現れた男は
前駕籠から魚を無造作に取り出し
黙って彼女の前に置き
ぎょろりと目玉を
おれの方へ向けると
また自転車に乗って ....
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