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神社の縁の下は雨宿りの場所で
みんなの隠れ場所だ
賽銭箱の階段の脇から入って
宝物を蜘蛛の巣の奥に隠した
捨て犬も捨て猫も一緒に連れ込んだ
 ....
ふたしかな水を生きて
行方のどこにも底がない


くうかんを蹴りあげて
足音を確かめる
ひかりは、
柔らかくかげを踏んで
どこか遠い国になった。



どこまでも水。
ぼく ....

仕事帰りの街灯の下
夜がひたひたと打ち寄せている
その波打ち際に立ってふと
えッと吐き気を催した
げぼッと咳き込んだ口から足元へ落ちたのは
幼いころのお友達だ
あの頃いつも遊んでいた ....
今夜の月は
半分しかないのに
風力発電の三枚羽根に
砕かれている
居場所がなくて
ぐるぐると、さまようものも
照らし出されれば美しいのだろう
今日も祈っている

風車越しに月を掴もう ....
ゆっくりと赤ん坊に返る
その人をわたしは知っている
夫の祖父だ
わたしを、「大きな女だ」と言った、祖父だ
いつも戦争の話をする、祖父だ
布団の上でお絵かきをしていた、祖父だ


初めて ....
遠い管楽器の呼吸が
校庭にゆき渡る
共鳴して震える放課後の
まぶたが橙色にうつ伏せて
伸びてゆく睫の影が、滲む


正しく失われたチャイムの
赤い、低い、余韻
その、金属の香 ....
<伝える>

ひとつの言葉に
ひとつの意味しか
与えられていなかったら
ちゃんと伝わるのかな

肯定と否定の
二者択一で
チャートを辿っていけば
簡単に真理に近づけ ....
一匹のウマオイが
楽な姿で
息絶えていた
緑が
ひと際目立った
 
隣のビルディングから
人たちが出てきた
時間の話をしたり
何かを好んだりしていた
       あいするそのひとは
       いのちあるひと
       あいするそのひとは
       ひかりあるひと
       あいするそのひとは
       うたのある ....
  かなしくてもしあわせでも
  かぜはいつかあめになってしまう

僕の知らないところでも
発電風車をすり抜け
ロウソク工場の煙をながし
ビルの隙間で口笛を響かせ
千切れた段ボールを蹴飛 ....
鎖骨の
においが
こぼれ落ちたら、

さかなのゆめに朝がくる



ことば未満の愛を交わして、
ゆっくりとたしかめる
てあしの記憶

水の
においの
シーツを背中に
 ....
気づいたときには、わたしが
わたしという輪郭に 縫いしろを足して
日常から切りとられていた
景色はいつも、ひどく透明なので
ふりかえっても もう
戻るべき箇所を、確かめることができない ....
わたしの棲む場所を流れる川に
水はない

誰かが
橋の上から捨てた言葉を
灰色のさかながついばんでいる


     *


夏の暑い日、わたしは
忘れてしまいたい過去の過ちと ....
小さいときの彼は
割と人見知りのほうだったと思います
竹棒の先に白墨挟んでね
線を引きながら道を歩く
不思議とそんな遊びに熱中するような子でした
長々と続いた白線を振り返って
嬉しそうでね ....
夜は僕の肌をなめまわし
僕の知らない僕のこころと密会する


君は君の手垢をつけ
僕は僕の手垢を付けていく
君と僕の手垢が重なることはない
見つめあうことのないふたり


洗剤は合 ....
自ずから成る
耕作の係数に支配された土

この土地に極楽鳥は野営し
その雫で濡れた重たい巣をいとなみ

静かに沈んでゆく ぬくもり

作物を繰り返し保っている
土力の茶色に緑は 
 ....
ベーコンチーズトーストを差し出す

どんなに慌ただしくても
両の目からの弧光
を浴びて

お腹 風船みたいだよ

やわらかいんだろうか


コーヒーを啜っては新聞をめくる
ひい ....
甘やかな
ひとさじの記憶を舐めたので
それにすがって
いまでも背負う
185センチをもてあます
トンガッテ戸惑う魂を


(ウザイ)
(ウルサイ)


五角形のつぶてを
吐き ....
 
 
 
 
 
 
待ち合わせの丘
日だまり色のカーテン
この窓辺で
私は、煌めきながら
そよ風に
なるのだと思う
 
そして
空白にも似た
意識の海で、泳ぐ
その ....
夜風がゆるく吹いていた

さくらが銀河のようだった

カップルが一組

川向こうのベンチに座っていた

僕たちはすこし道に迷ったようだ

たまに肘があたる

あてどない人生が
 ....
春の雨に隠された怖れを彼女は見ている
幾つものしずくに映る逆さまの世界を
彼女は見ている

からだの動かし方は知らない
時代がかった衣装の代えもない
おひな祭りというものが過ぎて
誰かさ ....
人んちの猫を
眺めるのはいいな

溜息で吹き飛ぶ薄給だというのに
ある日袋がずっしり重くて
慌ただしくぶちまけて
猫がキョトンと転がったら
がっかりしてもいいな

孤独という状態を
 ....
出口に中指を添え
Tシャツとジャージ 石鹸に座ってよろめく

壁を蹴ると滲む 気化した感情
昨日の雨は冷たかったが
雨上がりを見逃してしまった

窓を打つ音は
雨後雨と報じる
曇りガ ....
そこは、海だったかもしれない
砂漠だったかもしれない
眩む赤に息をしたとき
空っぽに鳴いた
 
 
ざわめきを愛ととらえて
神様から定数を与えられる
 
 
わたしは、魚だったかも ....
いくつもの読点で、あなたを区切って
体内へと運ぶ


元のカタチを、思いだすこともできないくらいに
細切れに、咀嚼していく
小指の爪から、過日の砂が落ちて
潮の匂いがした


 ....
 さようなら  将来に死に装束を着せたすべての心臓たちよ



 他人から見れば大したこともなく第一話ばかり毎週流す



 分岐点で失敗→リセット…そういえばセーブした場所なんて ....
なくした言葉がいくつかあって 
それを、また 
見つけだすのにあたふたなんかして 

正しい言葉 
わからないんだ 
ぼくは 


言葉は無力だと知っていて 
それで ....
眠れない夜に
眠ってしまった店を想う

焼き魚が食いたくて
冷蔵庫の灯をまさぐるが
プラスチックしか見つからない
ジュースを転がす

傷んだ腹がないている
鍋焼きうどん食おうにも
 ....
 
父は毎日仕事で帰りが遅く
平日は構ってもらえなかった
父は日曜日になるとキャッチボールをしたがり
僕はよく公園に連れて行かれた
普段からあまり活発な方ではなかったので
あまり楽しくはな ....
泣いた日
左手が動かなくなった日
ボケットに突っ込んだ手を
先生に注意され
からかわれた手と
庇われたことが恥ずかしくて
泣かされた日

泣かされた日
いつも庇ってくれてた友達が触っ ....
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