現場、吉祥寺
マクドナルド井の頭公園店、店舗改装におけるはつり、解体作業。
ともに働くおっさんたちは寡黙だし
公園には猫や水鳥がいる
10時と3時の休憩にはそこに猫をさわりに行く
 ....
東京特許許可局
俺はおまえを許可しない
おまえのような早口言葉は到底容認することができない
おまえだけじゃない
赤巻紙青巻紙黄巻紙や新春シャンソンショーにも伝えておけ
ふざけるなって
おま ....
 文化祭の後、我が演劇部員たちは
月を呼んだ。その長い台詞を忘れずに
思い出せるだろうか?一字一句間違えずに、
たとえうろ覚えでも読み上げれるように
積み重ねたそれが分るように生きれているか。 ....
あきらめる
研ナオコもうたってる
かもめはかもめと
ああジョニー
夜明けだ
公園の朝
おれたちにホームはない
ないものはない
だが鳩はとぶ
お前もとべ
翼はいらない

だがジョ ....
 工場群のライトが、夜霧に色を与えていた。
ぼくらを前に進ませたのは無意味な赤信号。
あるいは冬の固い道路の上で、軽自動車に
箱詰めで向かった、廃墟となった工場の屋上から
貯水タンクの上から見 ....
わかんなくていいよ
そういってウミスズメは
うなだれて水に入った
ここの漁師たちは野蛮だから
ライフルを持って船に乗る
水面下を飛ぶように泳ぐ君を散弾で撃って
ああ そうさ ....
羽根のはえた指で
不透明のやわらかい
やわらかい虚無を撫でながら
ゴウゴウと吹きあげる
おおきな風を
待ってる


やあ、とか
ほう、とかって
羽根のはえた指で
お前 ....
私が今どこにいるのか
あなたには
分からないかもしれません

でもいつか私は
一つの灯台となり
私の存在を
あなたに知らせることでしょう
広大な海をも超える
確かな力を手に入れて
 ....
グラスの底から小さな泡が
いくつもいくつも湧き上がって
水面で弾けたささやかな音
聞こえるはずもないのに
まるで泣いているように
どこか寂しげに消えていく

澄み切ったソーダ水の中を
 ....
煙る午後に
まどろむ陽光が
研磨された鋏刃の隙間
さわさわと開放し行儀良く
沈静し少し乱雑に
定着する


鼓膜を突き抜け
仄暗い床板の軋みに
胡坐を掻いて青い影を落す
女の ....
稲妻でみんな酔って終われるって言うから此処に来た
だから早くそれを出せばいい
そう言いながら手を傷つけて血を流しながら
貝殻を握りつぶしている友達を笑って見ている
俺たちはライトアップ ....
女にふられたので、
まぼろしの、
影を慕って死のうと思った。
もうほんとうにそう思った。
タイムマシーンにお願いしたよ。
ビジネスホテルのエレベーター前の鏡の前さ。
俺は五年後から来たつも ....
ピンク通りにゴムホースの束
豚かと思った
人間の半身が転がってればいいのに

抱いてやる

「新宿は庭みたいなもんだ」と言った男が死んだので 
あたしはなんとしても新宿を庭にする

 ....
みんなエアギターを弾け!
いやギターじゃなくてもいいから各自エア○○をやれ!
エアでやりたいことをやれ!
やれないこともやってしまえ!
俺はエア全てやるぞ
エアメルセデスに乗って
エア最高 ....
感情の正しさは、事実の正しさと必ずしも一致しない。
しかし私たちは、それでもなお、感情のリンプンを撒き散らす真夜中の蝶なのです。
嘘偽りのない、素直な放火なんです。
しかしそれを災害と見なしたあ ....
ムンムンだ もう

狭い山道に俺はいま 立っている
工房からの帰り
ひとりひとり
ぶつかりそうに
すれ違いながら
笑って
ほほえんで
あいさつする
俺も同じよう ....
郵便受けを屑篭にする三文広告
枯れ葉だったらいいのにな
枯れ葉だったらいいのにな
虫の声といっしょに、
君の手紙があればいい。
いえでします
と書き付けて机に置いた

小学校に とりあえず向かう

誰に叱られてだったか
何故か知っていた 家出というものを
はじめて決行した 小学一年生の時

きょろきょろみた  ....
したんです
最近日々が
不真面目で
申し訳ない

のぐそ
したんです
僕の住む街から
工房のある隣の港町まで
海沿いを
くねくね
うねうね
モンテ・ウリアという ....
今はもう ひとりで歩いてるこの道
桜並木も もう僕にはまぶしいだけ
二人で歩こうと約束したはずなのに
見渡すばかり桜の中ひとり

突然のことだった
君はニコニコして帰ってきた
嬉しそうに ....
             はばたき
               怯え
                鼻先で
                子供たちの
             ....
「裏山に捨ててあった人型あれ誰のかな?誰か人だったのかな?。」




「そう言えば最近姿を見ないけど人なんて他人事だよね。」

「博物館で見た人間の標本 ....
咳をしたらたまたま側にいた
隣の課のえむさんが
フルーツのど飴をくれた
えむさんがフルーツのど飴を好きだなんて
初めて知った

えむさんは僕より十歳くらい下の女の子だけど
背は僕より十セ ....
冷やしたコーラじゃ炭酸のトゲが突き刺さる
それで思わず涙を流すわけだが

だから あったか〜い コーラが飲みたい
ベッドに寝転んで
何もせず夢想しながら


  二酸化炭素の雲で曇った ....
黙っているだけで、
聴こえてくるよ。
こんにちはこんにちは。
ことばさん。






道路工事の音リズミカルどどどどどど土曜日にはしないでね。
 ....
降りつもる首しめるよに降りつもる信じることのできぬしあわせ



ひとつまみふたつまみして倒れゆく小さな夜の集まりの塔



家の背にあふれはばたき打ち寄せる星に至る火 ....
傷口のガーゼを剥がすことさえもまだ躊躇いて君は研修医 また三分持たなかったまた三分も持たなかった…ぼくそうろう。
もう!三分持たなくてもいいからせめて前戯に三十分かけてよ。



吹かせてやるぜ今夜こそゴールドフ ....
僕が働く村は 小さな漁村で

大工仲間のゴルカ君と ベンチに座ってお昼ごはんを食べる
ゴルカ君の奥さんのロシェさんはお料理の先生で
ゴルカ君の持ってくるお弁当はいつもキラキラしている

ゴ ....
石ころが落ちていた
少し透きとおってきれいだったので
拾って帰った
こんなもの拾ってきて
母は決してそう叱らなかった
しばらく手で触ったり眺めたりしたあと
かわいそうだから放してあげて
 ....
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