攝津はその日も浦安の倉庫で肉体労働していた。
 攝津は自らの仕事を気に入っていた。厭々ながら、金銭の為に始めた仕事ではあったが、慣れるとともに自分の力量、技術を発揮する喜びを知った。低賃金が悩みの ....
鳥取の冬雲が北風に迷っています
今日は大潮だというのに月が
複雑にからまっているのです

 私の言葉は上手でしょうか
 そんなことよりも伝えたいことの、
 たとえば月の輪郭を
 なぞる指 ....
僕は強いぞ!
僕の牙は鋭いぞ!
怖いものなんて何も無いんだ
失うものも守るものも何も無いんだ

自由気ままに生きるのさ
誰にもしっぽなんて振るもんか

がるるー、がるるー
噛みつくぞ ....
病院で診てもらったら
うどんこ病にかかっていました
お医者さんは
専門じゃないので、と言って
生花店の名刺をくれました



お店のひとは
ぬれた脱脂綿で
手のひらを優しくぬぐって ....
ラムネのビー玉を
半分あげるの、と鳥かごに入れて
じっと様子をうかがっている
握り締めたもうひとつには
何が映っているの

+

冷蔵庫の隅に
食べちゃだめ
と念を押されたりんご飴 ....
       余 熱


       そこは
       しろい花が咲いていて
       緑も若やいで うつくしい
       空気は
       いつまでも清澄であり
  ....
銀色の
波に揺られて
揺れる
七色

ちらり
ちらり
降り積もる
銀色の
鱗の雪の下で
手を
伸ばしてみる
七色


銀色の
波の下に
静かに波打つ
七色

お ....
 出来上がった炭酸が混入している溶液に水酸化ナトリウムを加えると、塩化ナトリウムが析出し、炭酸溶液ができる。塩化ナトリウムを採りだし、炭酸3に酢酸1の割合にし少量(1パーセント)の硝酸を加え、4・5日 .... おなかが痛くて
おやすみしたという娘が
しょぼくれた眠い目を
こすりながらくれた
カカオ

バレンレーの日と
君が言ったから
誰がなんと言おうと
今日は
バレンレーの日

あた ....
ねぇ神様
もしそこにいるのなら
罪深いあたしを
どうか許して
くださいな
アーメンザーメンチャーシューメン
統合不全
情緒不安定
不安障害
禁色の恋醒めやらぬ夕べにはピアノ奏でつ思ひを凝らす ヘンタイにヘンタイを重ねて今あるいびつな姿を獲得してきた。
あるときはドグマチール、あるときは女性神経、あるときは声の作用を蒙りながら。
元気になるには声を聴かなきゃ。声はどこからくるの?
生き ....
指輪を失くしたと
手を擦り
目が覚めた朝は
階段を慌しく降りる
冷たい空気を吸い込んで
駅へ急ぐ
人の波、人の波
わたしを忘れないように
改札機に名刺を入れて
こころだけしゃがみこむ ....
     一日まるまる泣き腫らしていた
空が 今日は朝からルンルンの上機嫌です

            季節のながれは 
     ひそかに映しだすのでしょうか
        そのひとの ....
月曜日
わたしには仕事などない
だけど、うちにばかりいると叱られるから
とりあえず、仕事に行くふりをして
たんぼの畦道をよろよろと歩いた

畦道は細くなったり
太くなったりして
歩きや ....
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070919/135317/

http://business.nikkeibp.co.jp/fb/ ....
春兆す空を二つに分けるごと
飛行機雲は青き陽の中

入院の友に送られ外に出る
日照雨の空に冬の虹たつ

京都には冬が似合ふと初雪に
神戸の人は寒さも加ふる

子等達が どんぐり寄せて ....
わけもなく心和める夕暮れや
秋はやさしさ運びくるらし

音たててころがりて行く空き缶に
信号待つ間の視線集むる

夜半覚めて物読みおればしぐる音
しばししてより また止みにけり

木 ....
働くってことは
否応無く押し付けられた役柄を演じること

食品会社に勤めれば
賞味期限の記されたシールを貼りかえる日々
罪の意識など三日で消えてしまう

コールセンターに勤めれば
クレ ....
「今四条通りに居るし出てきいひん?昨日の喧嘩は白紙に戻して」


「なら広隆寺で泣き仏像でも拝む?」「今どこにいる?」「外語大前」


バスよりも歩きが似合うこの気持ち 天神川を静かに下れ ....
そこはいつも
清潔な湿度と
せつないじゅうりょくの
香りにみちている

身ごもったおんなたち
髪を横に束ね
しずかにもたれている
雑誌をうつくしく取りだし
うつくしくめくる
とろと ....
AIという類人猿が支配する町で
プレカリアートたる我々の無抵抗不服従単純労働
ここは湿り気があるから白い虫
わたしには栄養があるから白い虫がわく
クリトリスをこねる要領でひねりつぶす

日 ....
目の前の妖しき影に いぶかるも
あげ羽蝶なり 思はず和む

草の実も少しふくらみ見えてきし
秋に入りゆく風の移ろふ

目の前に子蜘蛛落り来てテーブルの
上を正しく距離おきて飛ぶ

 ....
真向ひし雪大文字に息呑みて
崇高なる美に心洗わる

鴎には雪が似合ふと久々の雪積む
景色川辺に立ちて

乙女子が幸せそうな顔をして
隣に座る夜の地下鉄

口紅をつける事なき此の日頃
 ....
わたしは たしかにそこにいるようなきがしました
探さなくてもよかった
わたしはそこにいたのです

きぼう
きぼうだ

明るい箱のなかで
宝石はきゃっと可愛く光る

ジリジリと電気の ....
落葉がそぞろに風にふかれ
雲は青く高い空をゆく

うらの{ルビ小径=こみち}の縁石に腰をかけて
杉といっしょにゆれている

夏の{ルビ遺言=いごん}は朽ちることなく
静かに実 ....
サンダルの指さき焼いて終わる夏
    さわぐ波音遠くに聞いて


誰もいないパラソル揺れて砂浜に
    思い出さえも続くスナップ


飲み干したカルピスウォーター氷だけ
     ....
私の遺体は焼かないこと
埋葬の道中には子どもを3人付き添わせること

子らのつやつやした黒髪は、
青々した緑葉を飾ること
そして彼らの透き通る白い肌は、
漆黒の羽織で覆うこと
死の色の中 ....
SEXしたら捨ててやるつもりだったのに

それなのに

それなのにさ

君はあんな悲しい出来事ことに直面してるんだもの

好きなわけではないけどさ

助けずにはいられなくなっちゃた
父さんが履歴書を書く春炬燵

ホテルXOの看板黄砂降る

ままごとの包丁洗う万愚節

春昼やゴム手袋が落ちている

歯ブラシを真っ赤に染める受難節

小橋中橋京橋渡る花疲れ

 ....
A-29さんのおすすめリスト(148)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
労働- 攝津正散文(批評 ...210-1-19
月の輪郭、風の影- たりぽん ...自由詩19*08-12-22
孤高- 光井 新自由詩5*08-12-20
うどんこ病- 佐野権太自由詩32*08-8-27
夏の残り火- 佐野権太自由詩18*08-8-19
余熱- るか自由詩24*08-8-1
アオリ烏賊- 北村 守 ...自由詩5*08-6-21
空中炭素固定法(その2)- 生田 稔散文(批評 ...2*08-6-19
バレンレーの日- 佐野権太携帯写真+ ...28*08-2-14
ねぇ神様- 攝津正自由詩107-12-21
禁色の- 攝津正短歌207-12-16
nutty_queer_associationist- 攝津正自由詩407-12-16
白く見えた空- よしおか ...自由詩2*07-11-29
光跡(五)- 信天翁自由詩107-10-31
なんでもない一週間- 小原あき自由詩36*07-10-26
農家切り捨て論のウソ、の嘘- はらだま ...散文(批評 ...16*07-10-21
66P_「短歌2」より- むさこ短歌8*07-10-19
64P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-10-17
働くってことは- 恋月 ぴ ...自由詩28+*07-10-10
京で休日- 町田アキ ...短歌2*07-10-4
にんぷ専用車両- 佐野権太自由詩14*07-10-4
矢印_β版- 石原ユキ ...俳句3*07-10-2
62P_「短歌2」より- むさこ短歌8*07-9-23
60P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-9-23
ポケット- 鴎田あき自由詩1*07-9-22
きもの- こしごえ自由詩18*07-9-15
さよならの砂- 石瀬琳々短歌8*07-8-18
埋葬について- ケンディ自由詩607-8-17
ちぇ、めんどくちゃい- こはた自由詩107-7-25
春昼- 石原ユキ ...俳句3+*07-7-24

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