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寄せては返す小波のように、
哀しみだけが胸を満たす。
何が哀しいのか、
何に泣きたいのかすらわからないのに、
ただただ
僕は涙にならない涙を流し
声にならない悲鳴を叫び続け ....
狂気が壊れるモノで
正気が積み上げるモノ なら
その境界は何処に在るのでしょう?
(小さな子供は考え続けましたそして一つ思い浮かびました)
ねえ神様聞いて下さ ....
瞬間の波にさらわれて
僕らはっとして産声をあげる
永遠の海に溶けた心が
掬われたんだ 今
悠久はゼロと等しく
瞬きは永遠と化して世界を刻む
人が悩むべきただひと ....
いつもいつも のぞくことができなかった
他者のこころの おくそこの くらがりを
のぞけないのが あたりまえだと
いつか閉じた目の すきまから
こぼれてしまった 痛々しいもの
どうにもとり ....
こころの
やぶれあなから
ひかりがさしこんで
ねむれない
あいまいな よる
ねむっているような
ねむっていないような
ふわふわと かたむいた
やみのなかで
ねむりは
....
私の中で水銀が蒸発していくようだ
体温で沸騰して犯されていく肺だ
今日も湿原は私以外のものでできている
鷺の仲間が冷たい水面で啼くのも
空を刺す枯れ草が雲に巻かれるのも
ふいに思い出すキ ....
雲ひとつない
ここはグラスの底
{引用=
では次に、炭酸水をきちんと測って
フラスコにいれましょう。さあさあ
....
その日も、少年(予定)は、間違えた言葉をそのままに口にする
変換の仕方も削除の方法も、最後には気付けないことばかりなので
いつまでも、「あ」と「い」が上手く発音できない
それでもいいか、なんて思 ....
夏に金魚を掬った。
冬に金魚は死んだ。
悲しかった。
八本目のアイス棒が庭に立てられた。
剥げかけた朱色の腹を浮かべて水に浮く、浮く。
元から死んだような目はさらに光を失い、失い。
....
太陽のしずく
果てしない海
{引用=
港では妻が夫の帰りを待ちわびていた。
妻は夫のために編んでいる、縄模様の
セータ ....
あれはどこからきたのかな
きいろくひかるまるいもの
だれかにきいてみたいけど
だあれもいないいないみた
{引用=
海沿いの一軒家
....
初めてね海を見たの
うん
きれい・・・・・
怖いくらいだね
....
この街で一番高い時計塔を勝手に「エッフェル塔」と名付けたきみを、
今日も僕はそのエッフェル塔まで迎えにいくんだ、自転車で。
そのエッフェル塔の真下にある噴水に腰掛けて、
つまらなそうに足をぶ ....
薄青い白夜の冷気は鋭く 肺の在りかを貫き
遥かな地平線は緩やかに弧を描いていた
私は 天地の狭間を見定める弓のやじり
雪さえ降らない凍った大地を歩む日々を もういとわない
あれは長い午後 ....
砕けなければ
新しく生まれてゆけないのです
緩慢なうねり ではなく
大陸へ押し寄せてゆく
分解できない想い
いつも視ていた空
光は幾度も
し ....
僕に吸い付いて
青い映画を見せる
ミシシッピー川のほとりで
mとpが仲良くならんでいる話
iとsが喧嘩をする話
靴
雲
Gのおと
川は流れて
....
どうしてだか
もくぜんのせかいに
しがみついていると
こころがみにくくなる
ちっぽけにみえる
うすよごれて
きたならしい
すべてのひとに
もうしわけなくなる
きれいなけしきを
....
もしも許されないなら
この瞳を抉り出して捧げますから
貴方の薬指を飾る石にしてください
蝕まれてゆくのはいつも正常な意識ばかりで
何かを伝えようとするたびに奥歯が軋んで
上手く ....
酸性雨が降り
森が枯れて
花は身じろぎもせず
こっそりとあぶくを吐く
内なる情念を
笑った眉尻にはりつけて
澄んでゆく
影
道草が過ぎたので
傘をなくしてしまった ....
煙草を買おうと部屋を出た
外は大粒の雨
アスファルトは鯨の背中の
光沢で濡れ
商店街のタイルばりの地面は
輝く水をたたえる湖
薬局のトタン屋根を
雨が叩く バ ....
東京は
私たちの隠れ家だった
誰も私たちを知る人などない街で
なにもかもを忘れたふりをして
ただのオトコとオンナになるための
狭くて大きな隠れ家だった
東京タワーも水族館も
....
その昔
刑場へ向かう道程で咎人はこの橋の上に立ち
己の最期の姿を川面に映したと云う
インチキな占い師に
「貴女の前世は罪人でした」
と 言われて以来占いはやめた
この善良な ....
たとえば
カーテン越しの陽だまりに
できるだけぽつんと
たよりなく座ってみる
時計の針の
こちこちという音だけが
胸にひびくように
明るみの中で目をとじる
いつの日かお ....
空を見上げた
あまりに高い空なので
空に落ちていく妄想に
とらわれた
空の片隅には
誰かが切り飛ばした
爪のような
透けた細い月が出ていた
重力はその物理法則を
放棄して足は ....
頬杖をついて
空ばかり見ていた
流れながら
形を変えてゆく雲とか
鳥が黒い点になって
吸い込まれてゆく姿とか
指先でペンを回す仕草を
無意識になんどもしていて
と ....
ヘッドライトを浴びて踊る雪は
しだいに密度を増して
行く手の視界が遮られる
海岸添いのゆるやかなカーブが
永遠に終わらないという錯覚
私たちは
どこへ ....
君と僕歩いたね
手も握らずに
二人の距離と温度
冷めていった
飲まずじまいの珈琲みたいに
冷たくなった
小さな寂しさ
消えていった…
褪めていった
捕まえてごらん
物事の本質や中心は
あっけなく
そっけなく
鰻みたいにぬるりと
その手から容易く逃げる
亀を捕まえるように
簡単にはいかないんだ
混沌と虚無
襲い来て
僕の意味奪う
超えられぬ
実存
薬の白さより
冷たい雪が
僕の心に降り注ぐ
ある秋の昼下がり
空から蝶の羽が落ちてきた
すかさず見上げたら
小鳥が一羽飛び去った
僕もそうだが人は
蝶の羽を好むが
小鳥はその肉を好むらしい
彼の食べ残し ....
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