高い空
たかよし

空を見上げた
あまりに高い空なので
空に落ちていく妄想に
とらわれた

空の片隅には
誰かが切り飛ばした
爪のような
透けた細い月が出ていた

重力はその物理法則を
放棄して足は
地上から離れる

そのまま僕は浮かんで行き
家々の屋根を越え雲も越え
あの細い月に腰掛ける


自由詩 高い空 Copyright たかよし 2006-01-11 22:49:41
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