すべてのおすすめ
青い空を白い雲が流れて行く
さらさらと水の流れる音がする
地上から隔絶された空の楽園
ここには僕以外誰もいない
静寂と孤独だけが僕の友達
ささやかに続く平穏な日々に満足していた
あ ....
わたしは愛したい
あなたの優しさ
わたしは愛したい
あなたの眼差し
わたしは愛したい
あなたの存在
猫である
愛である
※
ファミレスの窓側席で神事を語る
日 ....
一羽の鳩が飛んでいた
わたしの乗る列車を追いかけるように
無機質な四角い窓枠のなか
黒いコートの肩越しに
羽ばたき続ける
白い鳩の
翼
※
線路を渡る架線を巧みに避けて ....
Ⅰ
ちらちらと粉雪が舞うなか
高らかにラッパの音が鳴り響く
あれは祝福の合図か
それとも最後の審判への警告か
澄んだ空に鳴り響く清らかな音に
私は身も心も洗われて行くような気 ....
一歩近づくと
きみは眠ったまま
本の中
そんなに星ばかりみてたら
雪みたいに溶けちゃうよ、と
さみしい私がささやく
冬のカーテンにくるまって
目を閉じたきみ
プレゼント ....
死期を悟ったと言って
父は仕事を辞めた
これからは好きなことだけして暮らすぞと言って
山奥の民家を買い
池と鶏舎つきだぞと笑った
週末に会いに行くと
家の改修を手伝わされた
鳥の世話も鍬 ....
ミロのビーナスは
両腕で僕を抱き締めようとして
両腕をきりおとされた
あの黄色い満月は
巨人が少しづつ月を食べて
そして初めて三日月になった
あの太陽は好きな人と目 ....
進化したね。
嬉しいような 寂しいような。
でも、人間は成長しなきゃ
I must grow
だから
愛 増すと 成長
なーんつって(笑)
楽しくやって ....
哀しみという名の街で
二人 出会ったの
涙雨の降る街角
空も泣いていた午後
さびしがりやの恋人たち
ガラス細工の傘をさして
色褪せた通りを歩いていたの
心の傷跡なぞるように
冷 ....
山の麓、谷間の果てる所に家はあり
冬場はいつも風花が舞っていた
ストーブは子供の役目で
おっかなびっくり薪を割り
煙にむせびながら火を起こし湯を沸かした
町までは午前と午後に1本ずつ ....
そうして
列車は燃え上がる火山の山腹を廻り
向かい合って座っていた僕たちの
車窓から美しく災害が眺められた
列車のドアから乗客たちが飛び降りていった
飛び降りては降りそそぐ炎のように水鳥を抱 ....
庭園を吹き渡る気流に乗って山脈を越えると
なだらかに広がる山腹の緑の森と
森に囲まれた湖
そして川があり滝があり
庭園を巡る園路は地形に沿って這い回り
緑の平原は地平まで広がり
その地 ....
ヒトはトリに憧れるが
トリはヒトのことを相手にすることなど断じてないだろう
ヒトは見上げ トリが舞う空に向けて想うのだ 例えば
A picture ---この言葉を唇に乗せるヒトは、
....
小さな赤い宝箱のなかには
赤い血で練られた
犬の人形が一人
教会のステンドグラスでは
神が僕らを見下していた
見えない手によって
人々は屍となっていた
何もし ....
いつかの電車の中
きみの隣にいる
窓から見える
もののすべてが
きみとつながっている
薄れゆく意識の中
いつまでもここにいたい
ふたり同じ景色になって
....
あの時
何もかも終わっていた
終わっていなかったのは
心臓が動いていることだけだった
ゴールはもっと先にあると信じて
走り続けた
体力はありあまっていると信じていたが
実際は何も残っ ....
夜は静かだろう
なんて思うのは
私の耳がどんなに外に傾いているのかということ
胸のうちでは本当は、どれだけ沢山の働き蜂が、働き蟻たちが
せわしく流れていることだろう
私の子供 ....
このところちょっと体調悪くて
なんにしても
弱気がちな自分に気付いてみたりする
元気なときなら
生になんて執着しなくて
潔い
そんなことばの良く似合う心模様だったはずなのに
具合 ....
やわらかに色紙の花園で
子猫が蝶々を追って駆けて行く
{ルビ淡紅色=ときいろ}の薫りを放つ花たちは
自慢の花びらを踊らせることにいそがしく
まるでそれは雨のように降りしきり
この花園を埋め尽 ....
流れるのは黒い陽炎
バスケットゴールにぶち込むのは
ダンク以外に美しき憎しみの断片
キラリひかった一番星に何を祈る
流れ星に願い事をしても
ソレはただ落ちている ....
冷んやりした部屋の
窓際に椅子を置いて座る
裸電球に照らされた
オレンジ色の壁に
魚の形の滲みが付いている
じっと見つめていると
風が梢を揺らす音に混じって
足音が聴こえてき ....
きのう
飛び去った飛行機のように
蛾が震えていた
取り残された最後の技師が
数値を記録し続けている
薄汚れた窓硝子の向こう
森を走っていく少年あるいは少女の白い素足が
境界を飛び越えなが ....
ダイ、ダイラ、
風吹きわたり
陽あたりのいい場所で
投げ捨てた果実の種が
ことごとく芽吹いて巨樹となり
大地を引き裂いて
ダイ、ダイラ、
風吹きわたり
陽あたりのいい場所で
はらわた ....
風の中で震えていた瞳
あの日突然奪ったくちびるを
二度と忘れはしない
美しい少女よ
一生分の愛を君に捧げよう
自分勝手な愛で
君を愛し続けることを許して欲しい
例え永遠にこの ....
春になったばかりの頃
白い帽子を追いかけて
春風の中を駆けて行った
草原の若い草からは
真新しい緑の匂い
南の方からは
温かい日差しがさして来る
空が青くて
眩しくて見れない
....
詩は直線
半透明の窓をつらぬいて
雲の向こう側へと延びている
どこまでつづいているのかは誰もしらない
論攷は線分
ナイフで頭と尻尾を切り落とす
君はお茶をのんであくびする
ようかんの ....
どこかの知らない住宅地で流れている
いびつなサウンド
それはまだ若い男が夢をあきらめず
努力ということをしている
それでも夢という狭き門に
自分は通れない事はし ....
いつもの朝の中いつも同じ時間に起きていつもどうりに学校に行く
何故俺はそんな決まり切った世界で生きている
どうせ大人になってもこんなのと同じせかい
一生変わることない景色を見てやがて老いて死に行 ....
あなたがそばにいるだけで
まわりが海に変わる
ほんの少しだけ夜のような
ほんの少しだけミステリアスな海
このまま小さな魚になって
あなたのまわりを漂っていたい
あなたは私の梢を揺ら ....
いつかこんな日が
来ればいいと思っていた
待っていたよ
二人が結婚したいと
言ってくれる日を
随分とお転婆で
跳ねっ返りの娘が
いつしかおしとやかになり
君を連れ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33