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吹雪を歩む子の喉を
ぬぐうようにすぎてゆく火
忘れかけた尾のかたち


飛び立てずに泣く夜の
足もとに凍り重なる光
土の底の根を照らす


波も血も笑みも
こがねと涙 ....
 その少年は、少女で動いていた。
 少年のどこかに少女が埋めこまれている。
 少年はときどき吐き気がする。
 そういうとき、たいていそれは夜だけれど、砂浜を思い描く。すると、少女が少年の砂浜を歩 ....
亀を背負って
懐かしい人の苗字を呼びながら
塩を舐め続ける
水が飲みたい

+

かまきりの新しい
亡骸を
司書は黙って
見ている

+

カンガルーが直立したまま
波音 ....
古いじてんしゃのように
朝が下ってゆく


風邪声の
のどに ちいさなにがみと
這いつくばるようにおとずれ
さらさらと消えゆくよるを
くちびるに
にじませ

朝が下ってゆくと ....
ウィスキーを舐める

回想を重ねる

画像が荒れてゆく

煙草がスカートの端を燃やす

後頭部にあてがわれたあなたの手を想う

耐えられなくなり、誰かと営む

営みは儚く、 ....
バスに乗り込んで
マーマレードをパンにたっぷり塗り
ラジオの側から離れずに
ストロベリーシェーキにアイロンをかけて
トマトジュースをエッフェル塔にぶちまけたら
アマリリス!時計の長い針を ....
暗闇の中/外灯/マンションの光/走り抜ける自転車のライト
鈴虫の声/ざわめく木々/血に飢えた獣たちが横切る
ポケットの中から取り出した一粒の飴を
震えた手が地面に落としてしまう/砕け散った飴
 ....
階段を上っていく
ホールには明り取りの窓から差し込む光が溢れ
かつてそれは観葉植物の大きな葉を照らしたこともあった
河口の近くで手をつなぎバスを待っていたとき
足元には確かに雨ざらしになった動 ....
空から下がる紐の影が
円を描いて泳いでいる
姿かたちの失い生の声
幾度も土へ打ち寄せる


源を抑える手は緩く
光も水も渦巻いている
したたり落ちるもののなかに
灰と緑の ....
白く鮮やかに咲きほこる、
一本のモクレンの木の孤独を、わたしは、
知ろうとしたことがあるだろうか。
たとえば、塞がれた左耳のなかを、
夥しいいのちが通り抜ける、
鎮まりゆく潜在の原野が、かた ....
空につるされた
大きなはねがまわる
からおとたてる
かいてんが どこか
はげ落ちたがいへきのさびしさ
人の形をしたうすいかげが
つめの先にあつまる
ことばを探している
おびえてかくれた ....
   やさしさもみんな抜け落ちて
   そいつはセーヌの流れに消えた





キリストマリアを引っかいて
破れた爪で十字を切った

 ....
散らさなくとも
散りゆくもののそのままだから
    浜辺
    知らせ
    島を生んで
同じ高さが
同じ高さのままで違うから
    猛り
    迎え
     ....
鏡がふいに斜めを向き
部屋のすみが溶けて明るい
鏡のなかには無色の柱
扉の前には銀の曇


銀はひとり歩き出し
窓を向いては立ちどまる
たたんたたん たたんたたん
素足の ....
折れた枯れ枝に添ったまま
消えていく水時計を持つ土色の葉

陽射しを後にした地の床への風くぐり
通りの方から聴こえる小声

渓谷は乾き こぼれた石
切れた羽に 埋め込まれ

飛ぶ ....
春になりましたねぇ
と叫んだら
おまえっていつもじゃん
と言われてしまった
それって何なの

グラデュエーション

今の季節
はっきりとした区切りのようなものを感じる

北の国よ ....
日曜の朝
一人の娘が固まっている
俺の妻だ。
枕元に携帯電話が二つある
電池パックを入れ替え
その機種でしか出来ないゲームをするらしい
いまはモンスターハンターというのをしている。
雨が ....
遠いロンドンに宣戦布告してみたり
そばに立っててくれと頼んでみたり
それでも飽き足らないので
火星の蜘蛛と宇宙に飛び出してみたり
それでもどうしようもないから
私に火をつけてくれと懇願してみ ....
ここさ、庭広いでしょ。
全部芝生だしさ、小川まであるしね。
水が綺麗かどうか知らないけどね。
夏はお前、入るんだろうね。

目の前の大学にはもっと広い芝生の庭があるよ。
お前、 ....
晴天の空間に
眩暈を誘いながら在る 誰
敷石の上に薄い影投げる日が
暮れる 薄刃の風が

私やお前を切るのだろう
誰 曝して満ちた

静か 冷えてゆく
夜か 息か
山高帽
トレンチコート
マスクから漏れる
チェックメイト
春のフェアリーサークル
新緑生い茂る丘
(世界)の中心で
足許にチェス盤
黒 白 茶色い声と温い風
私達の為のオペ
木陰の ....
ぽちむは家を出ました
モスクワに行きました
それで売春婦に会いました
自分もなろうと思いました
その売春婦にいくらって言えばいいのって聞きました
売春婦ははっきりしたことは何 ....
  一 風呂

 陽の涼しい頃。
「お風呂からどうぞ
と彼女(?)は云った、
日本式の内庭に案内されると
葦簾張りの小屋に岩風呂があった

霞んだ白に残した青み、
空高く尾翼は全く見 ....
あなたが中にいる時は
わたしはずっと外にいて
見下ろしている、。心臓
二つ((十五度ずれて
地球が振り向く
その音に
カーテンは揺れ
隠れた場所を明かしてしまう

鳥が
 ....
倒れる
水差しが
ふとしたはずみで指先に触れ
ゆっくりと音もなく
まるで夢のように


倒れる
デイジーの{ルビ花弁=はなびら}が
こぼれた水の上に散らばって
白い沈黙
切なさに ....
みちはわたしとともにゆく
みちはわたしをとおくへはこぶ
みち程のわたしをみちは背負いもしずかに
みちはわたしとともにゆく

みちはわたしとともに逝く
みちはわたしのうしろ辺に
果てしもな ....
コンクリートの壁に
長く続いている雨が
滑らかに曲線の
渇き潤して垂れてゆく
寝息を立てて
ゆっくりと
沈下している灰色に
波動の存在を
信じた午後の
奇妙な光り反射している
アル ....
屋上にいると からだはんぶんずつ消えていきそう ゆうしてっせんが空をてっぺんから
だめにする、僕のあしもとのおもみがなくなり、飛んでいく鳥の骨を抜きとってしまった、
「ひる」口にできない。つた ....
光りの差し込まない部屋の中で
蛍光灯の下 白いノート
灰色の罫線の上に
はにかむ口元を今日も書き取る
鉛筆で書かれたそれは
何度も繰り返す
さようなら

午後の堤防の上で
潮風によろ ....
箪笥の奥には
凪いだ海がしまわれている
微かに潮の匂いが漂っている
妻は夕暮れの淡い光に
静かなシルエットとなり
折り目正しく丁寧に
洗濯物を畳む
その姿は僕らの感傷を代弁する
何 ....
ピクルスさんの自由詩おすすめリスト(832)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート(こがね_めぐる)- 木立 悟自由詩507-4-1
少女式- 今唯ケン ...自由詩16*07-3-31
かなしみ- たもつ自由詩37*07-3-31
朝が下ってゆく- はな 自由詩20*07-3-31
コバルト- 猫のひた ...自由詩10*07-3-30
バス通り- в+в自由詩207-3-28
家に帰りたい- 狩心自由詩4*07-3-28
独白- たもつ自由詩907-3-28
ひとつ_さざめく- 木立 悟自由詩707-3-28
三月の手紙__デッサン- 前田ふむ ...自由詩32*07-3-27
スラッシュトレード- 及川三貴自由詩13*07-3-27
消えろ- 水在らあ ...自由詩3207-3-27
降り来る言葉_XXIX- 木立 悟自由詩1107-3-27
銀指響- 木立 悟自由詩807-3-26
古蝶石葉- 砂木自由詩16*07-3-26
だー- 恋月 ぴ ...自由詩27*07-3-25
石神井日誌- 馬野ミキ自由詩16+07-3-25
創書日和。歌_【うたえないよる】- 佐々宝砂自由詩6+*07-3-25
スミスという犬- tibet自由詩10*07-3-24
冬が消える- 及川三貴自由詩15*07-3-23
dear_my_clinic- 六崎杏介自由詩7*07-3-22
ぽちむ- 水在らあ ...自由詩33*07-3-22
秘密- atsuchan69自由詩8*07-3-21
鳥籠日和- 焼石二水自由詩15*07-3-21
倒れる- 石瀬琳々自由詩17*07-3-20
美知- tonpekep自由詩11*07-3-20
霧雨のノート- 及川三貴自由詩9*07-3-20
低空飛行- つめきり自由詩17*07-3-17
悲嘆- 及川三貴自由詩13*07-3-17
箪笥- たもつ自由詩1707-3-16

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