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ぼくはきみと 
ささやかな丸石をつみあげたい 

忙しさに追われながら 
過ぎ去ってゆく日々のなかで 


( それは夜毎の厨房で 
( まな板の上でたまねぎの音を刻む 
( 妻の後 ....
目覚めると 
駅のホームの端に立つ街灯の下で 
粉雪はさらさら吹雪いておりました 

次の駅の街灯の下で 
雪は舞い踊っているようでした 

その次の駅の街灯の下で 
雪はまばらに降っ ....
目の見えない人が歩く 
前にいる友の背中に手をあてて 

目の見える僕も歩く 
いつも前にいる 風の背中 に手をあてて 

そうでもしないと 

ささいなことで気ばかり{ルビ焦=あせ} ....
ましろい表紙の中心に
産み落とされた
原石の塊
見えない核に宿る(詩)に結ばれ
六つの方角へと 
自らの背を伸ばそうとしている   

( 遠天の夜空に燃える太陽 
( あるいは明け方 ....
いつまでも 
ひとりでいるのはさみしくて 
旅先で 
出逢ったきみに会うために 
遠い雪国へ
ぼくはゆく 

金はなく 
新幹線にも乗れず 
長いトンネルを抜けた
夜行列車で目覚め ....
仕事帰りの夜道 
北風{ルビ凍=し}みる首筋をマフラーで{ルビ庇=かば}いながら 
それらが遠くに光っているのを見ると 
何故か吸い寄せられ 
いつのまに 
ペットボトルの並ぶ
窓の前に立 ....
一面に広がる{ルビ金色=こんじき}の 
麦畑の上に浮かぶ 
一本の道 

飛び込み台のように 
道の途切れた向こうに浮かぶ 
{ルビ一艘=いっそう}の船 

途切れた道先に 
組んだ ....
見上げると 
ひらひらと北風に舞う 
たましいのかたちをした 
まあるい葉が一枚
落ちてきた 

{ルビ煉瓦=れんが}の{ルビ椅子=いす}に座ったぼくは 
腰をかがめてそれを拾うと 
 ....
壁の取っ手にかかった鍵は 
{ルビ紐=ひも}がほどけてするりと落ちた 
それを拾って結んだぼくは 
壁の取っ手に再びかけた 


( 紐をつまんで手にした鍵は
( いつも人の心の鍵穴に
 ....
うたた寝をしていた 
週末の終電を降りると 
駐輪場に一台 
自転車は倒されていた 

それを黙って立て直し 
冷えたサドルに{ルビ跨=またが}って 
軋んだペダルを今日も漕ぐ

人 ....
机に置かれた一枚の写真

若い母が嬉しそうに
「 たかいたかい 」と
幼い彼を抱き上げている

年老いた母は安らかな寝顔のままに 
「 たかいところ 」へ昇ったので
彼はひとりぼっちに ....
歩き続けることに疲れた旅人 
巨木の木陰に腰を下ろす 

見上げた冬空の青に 
突き刺さろうと伸びる枝々 

北風の唄に散る 
枯葉の舞 

その{ルビ一片=ひとひら}は 
旅人が ....
夜寝る前に読書していると 
開いた本のなかから 
うっすらと光を帯びた手があらわれ 
わたしに差し出されていた 

その手を握ると 
不思議な想いが心に流れ 
明日に怯えるわたしの影は  ....
初めて君に声をかけた
あの日の公園 

( いつまでも揺れている
( 無人のブランコ

ぼくの呼声に 
届かぬ場所から振り返る 
君の面影 


ベンチに
長い間置かれたままの ....
夜遅く 
街灯の淡い光に照らされ 
家へと続く道に伸びる 
老夫婦の影 

互いの腕を組み 
びっこをひいて 
揺れている 

( 街路樹の枝に結ばれた、赤い風船 ) 

老夫婦 ....
丘の上には 
{ルビ幼子=おさなご}を抱くマリア像 
周囲で秋風に揺られ 
{ルビ頭=こうべ}を{ルビ垂=た}れるススキ達 

丘の上から 
見渡せば 一面の海 
きらきらと日の光が踊る ....
エレベーターの扉が 
左右から閉まりかけた 

その時 

ひとりの青年がこちらに 
歩いてきた 


( いってしまおうか・・・ ) 

( いやまて、ひらこう ) 


 ....
2年前 
中年夫婦で営んでいた 
ふっくら美味しいパン屋さん 
大洪水で流された 

跡地には 
独り身の{ルビ若旦那=わかだんな}が一人で開いた 
手打ちの美味しい{ルビ蕎麦=そば}屋 ....
雨上がり
{ルビ水溜=みずたま}りには 
哀しい顔が浮かんでる 

ひょい と飛び越え 
曇り空の一日に向かって彼はゆく 

{ルビ仄=ほの}かな{ルビ灯=あか}りを 人の{ルビ間=あい ....
目の前をみつめると 
十字架は橋となり 
わたしの明日へと架かっていた

振り返ると 
両腕を広げたまま 
横たわる人の体の上を 
気づかぬうちに踏みながら 
産声を上げた日から今日ま ....
{ルビ掌=てのひら}にのせた 
{ルビ一片=ひとひら}の恋の花 
千切って夜風に放つ 

そうして青年は 
破れた心のままに 
深夜の断崖の上に立つ 

目の前には{ルビ只=ただ} 
 ....
仕事を終えて入った喫茶店の夕食前 
紅茶をすするカップを置いてほお杖をつき 
今日という日を振り返るひと時 

名も無き群の
無数の足音が響く 
駅構内の朝

職場の仲間と 
腹を抱 ....
プラスティックケースの上に 
並んでる、ふたつのせっけん 

小さいほうが、お婆さん 
大きいほうが、息子さん 


「 生まれた時は逆だったのに 
  わたしに向かってハイハイしてた ....
竹筒の側面の穴に生けた
{ルビ秋明菊=しゅうめいぎく}の白い花々 
境内に奏でられる{ルビ雨唄=あまうた}に耳をすまし 
そっと{ルビ頭=こうべ}を垂れている 

{ルビ些細=ささい}なこと ....
壁に{ルビ掛=か}けられた 
一枚の絵の中の蒼い部屋で 
涙を流すひとりの女  

窓からそそがれる 
黄昏の陽射しにうつむいて 
耳を澄ましている 

姿の無い誰かが 
そっと語り ....
夏の夜に
いくつもの太陽を揺らすひまわり達 
仕事帰りの疲れた男に 

 わさ わさ わさ わさ 

大きい緑の手のひらを振る 

日々の職場では 
密かな善意を誤解され 

  ....
雨の降る夜の路地裏を 
酔っ払いの男は一人
鼻歌交じりに 
傘も差さずに歩く  
涙色の音符を背後に振り撒いて

雨は降り続き 
路上に散らばった音符は濡れて 
よろけた男の後ろ姿は  ....
人々が漏らす{ルビ溜息=ためいき}で 
街の輪郭が{ルビ歪=ゆが}む土曜日の夜 

場末の Bar の片隅で 
翼の生えたアダムとイブの人形は壁に{ルビ凭=もた}れ 
虚ろな瞳で古時計をみつ ....
{ルビ埃=ほこり}がかったランプの下 
赤{ルビ煉瓦=れんが}の壁に{ルビ凭=もた}れ
紙切れに一篇の詩を綴る 

クリスマスの夜 
遠い昔の異国の街で 
一人の少女が売れないマッチに火を ....
幾枚かの{ルビ花弁=はなびら}が舞い落ちる 
淡い光のあふれるいつかの場所で 
あの日の君は
椅子に腰かけ本を読みながら待っている 

いたずらに 
渡した紙切れの恋文に 
羽ばたく鳥の ....
千波 一也さんの服部 剛さんおすすめリスト(186)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
石塔_- 服部 剛自由詩9*07-2-8
冬の車窓__〜一〜- 服部 剛未詩・独白1007-2-4
風の背中- 服部 剛自由詩12*07-1-22
「_反射熱_」_〜創刊に寄せて〜- 服部 剛自由詩16*07-1-3
雪原の足跡_- 服部 剛自由詩15*07-1-1
冬の友達_- 服部 剛自由詩8*06-12-21
麦畑の舟_- 服部 剛自由詩16*06-12-20
たましいの葉_- 服部 剛自由詩18*06-12-17
鍵_- 服部 剛自由詩7*06-12-16
夜道の信号_- 服部 剛自由詩15*06-12-3
母のお守り_〜ある母子〜_- 服部 剛自由詩20*06-11-26
落葉の栞_- 服部 剛自由詩1406-11-26
「__手__」_- 服部 剛自由詩21*06-11-20
石_- 服部 剛自由詩11*06-11-14
夜道のふたり_- 服部 剛自由詩9*06-11-12
海の見える駅_〜江ノ電・鎌倉高校前〜- 服部 剛自由詩9*06-11-6
ふたつの声_- 服部 剛自由詩13*06-10-30
消えた店_- 服部 剛自由詩8*06-10-27
- 服部 剛未詩・独白1006-10-23
道_- 服部 剛自由詩12*06-10-18
涙ノ星- 服部 剛未詩・独白8*06-10-15
砂丘の少年- 服部 剛自由詩9*06-10-13
せっけん_- 服部 剛自由詩16*06-10-2
秋明菊- 服部 剛自由詩16*06-10-1
絵の中の部屋_〜姿なき人〜- 服部 剛自由詩14*06-9-23
ひまわり仏_- 服部 剛自由詩17*06-9-19
雨の夜_- 服部 剛未詩・独白10*06-9-18
堕天使達の夜_- 服部 剛自由詩11*06-9-17
詩ノ灯- 服部 剛未詩・独白10*06-9-13
花吹雪の中で_〜出逢いの日〜- 服部 剛自由詩13*06-9-7

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