カウンターに
二つ並んだ
赤と白のワイングラス
君は言う
「はっとりさんは、孤独なの・・・?」
僕は言う
「詩人は皆、寂しがり屋なのかなぁ・・・」
君は言う
....
明日晴れるなら蜃気楼をみにいこう
僕がまっている何かはまだこず
降り頻る涙の雨を浴びて
脅えながらそれでもなお
コンクリートに覆われた部屋からでずにいた
きてはかえす
....
人は生きている。日々生きていて、未来に向かってそれまでと同じように生きていくために生きている。つまり、明日の生をより確かなものにするために生きている。だから、厳密に言えば、人は生きている限り死のこと ....
また春の風が
額を過ぎた
ふっと
潮の匂いがした
ような気がする
{引用=なつかしい声}
振り向くと
海がそこまで迫る
海は光る
反射して鏡のように
指を浸すと ....
恋歌に憧れていた僕は
物語に紛れ込みたかった
ある日、ふと気付く
僕は目になりたいのだ
彼らを眺め続ける透明な視点
春が来て
僕はあなたに恋をした
立っているだけで精一杯
好き ....
つい先日、渓流釣りの仕掛けの材料を考えるために滅多に出ることの無い街に出かけた。高知は高知城を中心に街並みが展開されていて、その敷地の中に県庁舎やら県立図書館やらがあったりする。さて、そんな高知城の ....
荒れ狂う
光の
残虐に
抱かれ目を醒ます
荒れ狂う
塵と共に
吹かれて漂う
荒れ狂う
春の息吹は
名も知らぬ
植物達の芽吹きは
まぶしく
指は震え
触れようとしては
引っ込 ....
詩こころと自我は関係あるのかないのかといったことが先頃、山田せばすちゃんさんとの話にのぼり、スレッド会議室で述べるには長文となりましたので、散文カテゴリに投稿することにいたします。
....
書いてしまって、また後悔するかもしれないんだけど。
まずはお礼から。
詩学社の破産、廃業の折は、「詩学社を救え!(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=136 ....
西へと
みじかい眠りを繋ぎながら
渦潮の海をわたって
風のくにへ
海の向こうで
山はいつも寝そべっている
近づくと
つぎつぎに隠れてしまう
活火山は豊かな鋭角で
休火山はやさ ....
「少しだけ泣いてもいいですか?」
あなたは細い声でささやく
そしてやっぱり止めようと
小さく肩をふるわせている
「きょうはずいぶんと湿った空です」
たしかに昼間吸い込んだ蒸気を
....
いろいろ書こうと思うのだけれど
どうにもうまく繋がらなくて
言葉は千切れた
そこにはもしかしたら
小さな小さな
だんまりの世界なぞがあって
そこではもしかしたら
だーれもしゃべらない ....
俺はビールにしろ冷えたのが好きで
居酒屋などで冷えてないビールが出てると若干静かに腹が立つ
うちでは冷凍庫にコップを冷やしているので
うちよりぬるいビールや冷酒に金を払うと思うといろいろなものを ....
私らは
あなたの為に
集まった
何年振りか
何十年振りか
集まった
微動だにせぬ
あなたの為に
何も知らない
あなたの為に
思い出す
夕暮れの微笑みは
私の為ではなかっ ....
つめたい手には
ひとのこころのぬくみが宿ると
いつかだれかに聞いたから
わたしはこの手の
ぬくさを
恥じる
あこがれや
ねがいはなぜに
こころをつめたく
....
雨が好き
世界が濡れて
恍惚の芳香が包む
夕と夜の間に
草花と土が
なめらかな生命を与えられ
喜びの香が
艶やかに立ち昇る
火照る身体を
委ねたアスファルトの上
はしゃぎ疲 ....
その娘は頬を赤らめることができる
ただそれだけのわけで
マートのレジを叩く少女を愛おしく思った
何故人は人を求めるのかね
一人ではないという幻想
届くことのないテレパシー
真空の宙 ....
本当の姿を毛布に絡めて
誰にも知られないための夜が
いつも通りに朝にむかっていく
眠れない時には{ルビ主電源=ブレーカー}を落とし
遮光カーテンが
偽物の夜景から部屋を隠す
欲しいのは ....
最初に言っておかねばならない。私は経験を重要視するわけではないし、軽んじるわけでもない。私は経験について中途半端な考えを持っている。経験は重要な場合もあるし、そうじゃない場合もある。経験しなけりゃわか ....
元彼の名前寝言でムニャムニャと
ステキな夢を見てるのかしら
不安定な水面のように
流れていくテールランプの赤を
ゆらゆらと滲ませる
十一月の濡れたアスファルト
落ちた花びらが流され
下水道に呑みこまれていく
この都市の中には
すでにどこに ....
who
おまえは誰だって問われても
わたしって誰なのかな
今のわたしがわたしなのか
ほんとうのわたしは他にいるのか
自分探しの旅路
だなんて聞き飽きた科白だけど
わたしってやつは
....
滴るものは
いけない、とされた口が
私の知らない場所で
反抗を覚えた頃
わざと首にかけた
新しいヘッドフォンからは
聞き慣れない音楽が
何故か、かかっていて
耳を塞いだ
....
緑の山の真中に
{ルビ白鷺=しらさぎ}が一羽枝にとまり
{ルビ毛繕=けづくろ}いをしている
曇り空に浮かぶ
青い空中ブランコに腰掛けた
わたしの眼下に敷かれた道を
無数の車は ....
コノゴロ巷デ流行ルモノ
恋スル乙女ノ消失
猛暑ユエ蒸発ノ可能性アリ
マコト 忌々シキ事態デアル
まったく、全然興味が無い文面が、どの新聞を見てもズラズ ....
熱く焼けたアスファルトの上に仰向けになっ
ていると、自分がいかにやわらかい生き物な
のかということを思い知らされる。上空を横
切っていく六機の戦闘機が薄い影を落として
いく。羽ばたかない渡り鳥 ....
我が心食ろうてみれば塩味の目から零れてそっと檸檬を
梅雨明けを待てずに
空は青に切り開かれて
ホウセンカの種が飛び散る
新しいサンダルが
小指を破って
滲んだ痛みは懐かしい夏
種の行方を見つめ
きみがいない、
そんなことをふと思 ....
目を閉じることと口を噤むことは似ている。
眠りに就くことと死ぬことは似ている。
さようならを言いながら終わっていく。
世界について考えるときに眩暈を起こす。
沈黙する、
沈黙する ....
朝起きて冷蔵庫を開けたら
祖母が入っていた
さみくてさみくてなんだかも
生ぎてぐのがいやんなっちま
なんて言うので
そんなに寒いのなら
もう死んでしまったっていいんじゃない
と思った ....
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