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生気を吸い取る集煙機
立ち昇る煙は最後の声もあげず
おいしい匂いを残して消えてゆく
金網にしがみつきながら
お前がたらす肉汁は涙のようにきれいだ
虚しい抵抗の果てに
辛口 ....
地球儀のかたちをした白いライトが、
暗い部屋でゆっくりと回りながら光っている。
子供は寝転んで飴を舌に乗せた。
じんわりと広がる甘さが乾いた口に痛い。
....
日めくりカレンダーをめくって
紙飛行機にする
1年間で365機の飛行機が
この部屋を飛ぶ
赤い3の字を模様にしたのが
白いテーブルに不時着する
他に行くところもなく
行く ....
指でつなぎとめ
奥にひろがるはずの
水をかくした葦の
叢で
わらい戯れてひそみ
その口をふたぎあって
ちいさな音に身を寄せ
ぬくもる鳥となった
あたたかい日に歩こう
の約束は ....
噛み合うことのない歯車のように
孤独は在り続ける
カラカラと輪っかの中を駆けている
小さな身体を懸命に動かしても
輪っかは空回りするだけで
前に進むこともなく
ただ同じところを回り ....
三日ぐらい前から
急に歯が尖ってきて
今朝
鏡を見ると
まるで牙だぞこれ
なにが困るってアンタ
ハーモニカが吹けないことだ
おれの大好きなハーモニカ
彼女からもらったハーモニカ ....
喜びも、優しさも、喪失も悲しみも、
言葉によって届けられた
わたしは面影を探して立ち止まり、
時に夢を見たような気がする
言葉しかない世界で、
紙 ....
夕闇に
かみひこうき
投げて
どこまで
飛んでいって
くれるのか
と
思い
を
馳せる
季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい
ふと
隣に居な ....
小学校4年生のとき
はじめて「せっくす」という言葉を理解した
小学校5年生のとき
クラスの女の子に
「ねぇ せっくすしよっか」て言われて
股の間をさわられた
赤くなって黙った ....
空を見上げながらぼーっとしてると
バカ男って美味しそうだね
ってよく言われる
試しに手の甲を舐めてみる
何だかビミョーにしょっぱい
空の味は
こんなんじゃないと思うけどなあ
....
にんげん
だけど
くだもの
にんげん
なのに
くだもの
せめて
くだものにんげん
とか
しょくぶつにんげんなら
まだしも
ざんねんながら
にんげんくだもの
ど ....
風に揺られていたね
僕らはなにも選べずに
別れの言葉を強いるのは夕風
信じることも疑うことも
選べずにいた
僕らを置き去りにして
地球 ....
もしかしてしかですか?
いえいえ、もしかしなくてもしかでした
もしかしてかもしかもですか?
はいはい、もしかしなくてもかもしかもでした
もしかしてしかもかもしかもですか?
そう ....
昨日美という女がいた
小柄でどうしようもなく泣きそうな顔をした女だった
うつむくと
細いまっすぐな鼻筋があって
ベクトル
時間軸とは関係もなく
電車の床に延びてゆく明日
昨日美はイチゴが ....
マクドナルドで
ジム・モリソンが
お前は何を信じてる?
と言った
神か?
魂か?
宇宙か?
自分か?
富か?
名声か?
俺は何も信じてはいなかった
いや
ただひとつ信じ ....
心臓の近くでセミの声がしている
冷蔵庫を開けると
大きめのロブスターが、ヤー、ヤー、と
おもちゃの銃を振り回しているのが見える
いつだって無邪気な者には罪が無い
野菜室からよく冷えた ....
とても新しい
墓石に刻まれた文字が
読めない
わたしの名前が
書いてある
はずなのに
この時代に生まれた僕らはさぁ
みんなどこかしらが壊れていてさぁ
それが不器用でも動いているから
まるで普通なように映るんだ
見えてるようで見えてなく
聞こえてるようで聞こえてなく
....
同じように口をあけてみる
僕はまだ死んでいない
ふつふつと煮えた湯の中で
味噌汁になるために生まれてきたわけでもない
貝は口をあけて互いに噛みついている
痛々しい塩加減を確 ....
君は
紙飛行機の
折り方を
知っているかい
空に投げつける
紙飛行機の
ことじゃないよ
....
ヤギさん郵便
おてがみ迷子
もしもし此処はどこですか
広くは乙女座超銀河団
狭くはフォッサマグナの東
地球的には春分点前
世の中的には年度末
わたしはわたしが生きている
時と場 ....
色エンピツのセットを開けると
母さんは黒い色と並んでいつも一番長い
そして一番きれいだ
こんなきれいな母さんを使うわけにはいかないから
やっぱり母さんは一番長い
バカ男さあ、昔、母さ ....
トーク。暁から暁までしゃべり続ける、トーク。
トーク。君とトーク。
知っていることをトーク。
知らないことをトーク。
トーク。いつまでもトーク。
人の顔を覚えるのが苦手な僕は
君が誰か ....
一生懸命修行して。
兵士から隊長クラスになって。
王様と共に他国も滅ばしたりして。
結果的に侵略になって。
いろんな所から恨まれたりして。
それでも、世界のためなんだってがんばって ....
父さんと二人で散歩に行く
父さんに水を入れると
喜んで太陽の光にキラキラしている
しばらく歩いて河原の土手で一休み
河川敷では子供たちが野球をしている
ねー、父さん、
バカ ....
いつまでもいつまでも変わらない感覚
今まであったのに消えていく感覚
結局エロくなければ動物絶滅
ボクは出家願いを心の中で提出した
剃髪した なぜか剃毛もした
そうすれば世界が変わると思 ....
ペットボトル
父さん
色エンピツセットの中で一番きれいな赤色エンピツ
母さん
観覧車の置物
兄さん
粘土
妹
テーブルに並べて
バカ男はいつもの席
....
バカ男が考えた夢の乗り物
「新聞紙ぼうし」
新聞紙で出来たぼうし。スイッチを押すとマッハジェット
で空を飛ぶが特定の高度までくると溺れて、自分が魚であ
ることに気づいて焦る。
....
オッパイで狂って
オッパイで狂って
どうしようもないくらい
前後左右からスペクタクルクルミラクルで
窓を閉め切って
明かりも全部消して
オウンゴール!オウンゴール!と
叫びながら
私は ....
公園でバカ男は一人ゴミ拾い
ぐふふ
ゴミ拾いをする→バカ男はいい人→見ている人も
そう思う→バカ男、総理大臣→世界征服→世界統
一→ゴミのポイ捨て禁止条例を制定→公園がきれ
いに ....
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