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私は墓を掘る
吐く息も真夏の熱でどろどろになったイチゴゼリーのように重く
私の腕まわりは約1センチほど前の年よりも太くなった
そして顔のしわは約0・07ミリほど深くなった
かもしれない
....
中学の修学旅行で京都に行った
鴨川を見た
仁和寺を見た
苔寺を見た
いろいろお寺を見てから
かわらまちどおりの旅籠に泊まった
消灯後には
マクラ投げを少しした
その後で
真っ暗の ....
ひとりはノベツマクナシ
おしゃべりが止まらない
ふたりはしずかなのんびり屋
ひとりはふたりのそばで
ぐるぐるばたばた走り回ってる
ふたりのうちのひとりは
足が短いって訳じゃないと思 ....
紅い雲を眺めながら
飛ばした自転車の
速度とか
漕いだペダルの
重さとか
まだ鮮明におぼえてる
あの日の風は
ことさらに透明で
沈んでゆく太陽の ....
闇に近い木々の群れ
線路を叩く車輪の甲高い音
幼い日に出会った少年の俯き
裏から見たエイのような雲の顔
それを包む灰になりかけの蒼の空
大きく両手を振りながら坂道を下る僕
みんなどこか ....
ら
うたが
ら
らら ら
うたが聞こえる
ら
静寂のみが記された
らら ら
白紙のページに埋もれた夜に
....
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
それをさせてくれるのは友人でも恋人でもなく
きみが生まれてから
したことのない努力をし
したことのない我慢を覚え
優しさについて 事あるごと考え
煩わしい毎日をどうにか越えて ....
空は鋼鉄製の空
優しい飛行機だけが
僕らの所有する
すべてだった
乗客は皆
海のかたちをしていて
ポケットは
いつもだらしない
客室乗務員が
小学生のように
一人
また一人と
....
男は長い間カバンの中に住んでいたが
ある日旅をすることにした
もちろんカバンを忘れなかった
昼間は旅を続け
夜になるとカバンの中で寝た
朝起きると同じ場所にいることもあったし
誰かの手 ....
窓ガラスがケラケラ笑うので
つられて笑った拍子に
右手にコンパスを刺してしまった
ついでに半径五センチ程の円を描こうとしたが
うまく描けないものだから
窓ガラスはいっそう声を高くして笑う ....
幕が下りてショーが終わる
一瞬の静寂
訪れる夜明け
引き戻される憂鬱
後ろ髪の
パラレル
憤りの放出
やるせない排出
追いかけるものを
ベッドの片隅に置き去りにして
ビルが私を迎え ....
あすとらっど じるべると
あなたを あいしています と
うたっている
わたしの こらそん と
うたっている
たんなる ひとりの
あすとらっど じるべると が
....
僕の口から出るあれは
すべて出す必要はないのだろう
締まりのない思考が
余分な脂肪のように
ぶくぶくと脳ミソにつき始める
これ以上
頭でっかちにならないよう
必死に余計な言葉を
....
日曜の朝のイメージは白
だったのは子ども時代の名残
めざめるとそこかしこに
ラメみたいに散る朝陽
日曜日だけは
がっこうの一時間めのじかんに
テレビアニメをやっていて
だから ....
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった
少年は喧騒と沈黙でごったがえ ....
空をみあげながら どこからが宇宙なんだろうと くびをひねる
はてしない
てのひらをみあげながら どこまでが自分なんだろうと ぼうようとする
らちもない
....
今日は月夜かと思ったら。
空にあいた穴からボトボト蛍光色の液体が流れてきた。
筏でも作ってあの穴まで漕いで行ってやろう。
穴はいくつも空いていき、様々な蛍光色の液が混ざり合って
風景が ....
ひととひととひととひと
しんこきゅうをしています
ひととひととひととひと
しんこきゅうをしています
あさごはんは
だれもいないしょくたくで
おみそしるから
....
台所には大きな窓があって
お鍋やフライパンや
お箸 スプーン ナイフ
みんなわたし以上に器用に タマネギいためるのよね
バスルームはちょっと狭いけど
トイレのノブはしっとりと濡れているし ....
息が切れて
少し立ち止まったらもう
足元まで来てる
モラルやルールだとかから
自分を守りたくて
みんな夜の街を走ってるけど
この先は行き止まり
妥協の壁が待っている
あの娘 ....
{引用=(どうか、ユーエフオーと発音してください。)}
光
光る
夜の光
それは星でも 月でも 街の灯りでもなければ
眠る人々の心に点る
ささやかな光でもない
それはやってく ....
ダメダメマンは
とても駄目なヒーロー。
早とちりや勘違いなんて
日常茶飯事。
猫どうしの喧嘩も
止めることができない。
ちょっとした買い物を頼むなんて
求 ....
夜のアンモナイトは仄かに蒼く光る。
海の恋人を想い出し、蒼くさめざめと光る。
遙か遙か白亜の海の底、アンモナイトの恋人達は。
手をつなぎ、心をつなぎ、ちゅらと散歩。
....
金魚もいないのに
君は金魚鉢を買ってきて
それから金魚の餌と
水道水の塩素を中和する
透き通った小さな薬品も
買ってきて
それでも結局金魚鉢の中を
金魚が泳ぐことはなかったのは
....
俺は仕合わせだ
今日も煙草がおいしい
俺は不仕合わせだ
マッチがそろそろ無くなる
俺は仕合わせだ
一緒に電車に揺られている
俺は不仕合わせだ
身近な人を愛せない
俺は仕合わせだ ....
郵便受けに溜まった新聞が日焼けしていた
古い日付は、風に晒されて
更に風化した遠いあなたの
背中に張り付いて
帰ってこない のに
201号室の、窓から入る西日を受けながら
忘れて ....
アルマジロな午後。
僕は転がる。
あるまじき僕は正午。
ごろごろとアルマジロと転がり、
ヒジキを食べている。
ヒジキはあるまじき美味しさで、
もぐもぐとアル ....
幼い頃見た空色は、濁りの青になった
僕らが居た空地は、駐車場になってた
窓をのぞく景色は、灰色の建造ばかり
背伸びし手を伸ばした、あの母の頭は
地上160.12cm見下ろせる高さになった
....
風は
一心に捜していた
「ないぜ」と言ってやったら
泣き叫び
僕を
かきむしっていった
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