少しだけ悲しいお話をしたあとに
あなたは
少しだけきれいになったようでした
まるでいいことばかりじゃない
そんな嘆きを語っていたわけではなくて
これから先のことをからめて
あなたは
....
うまくいかなかったね
おれたちはぜんいん うまくいかなかった
るーるをやぶってばかり
そらをとぶゆめをみてはしゃいだ
うまくいかなかったね
おれたちは ぜんぜんう ....
色エンピツのセットを開けると
母さんは黒い色と並んでいつも一番長い
そして一番きれいだ
こんなきれいな母さんを使うわけにはいかないから
やっぱり母さんは一番長い
バカ男さあ、昔、母さ ....
静寂が満ちるのを待つ
あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている
手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
いつの頃からだろう
眼をギュっと瞑ると
赤い滲みがグルグルと回るんだ
だから
うたた寝すると
見るのはいつも赤い渦の夢ばかり
真っ暗な
黒よりも黒い真っ暗な中に
無数の赤い渦がゆっくり ....
月曜日
土砂降りの夜
御堂筋に面したビルの8階から
車のテールランプ
流れていくのを見下ろす
闇に浮かび上がる
白い糸のような雨
滲むネオン
夜なのに
雨降りなのに
空は薄 ....
寒さこそ まだ解けねども 冬雪を
はさみで切りゆく 春は来たれリ
態度で傷付き言葉で傷を刺すのと
言葉で傷付き態度で斬りつけるのとは
さして変わらない
痛みが同じ様に
が、しかし考えてしまうのだよ
どちらが より凶暴で凶悪かを
眠れぬ夜のおまじない
....
ケルナグール!
ケルナグール!
バレンタインケルナグール!
ポイントするならチョコをくれ!
発狂しながら夜を越え 朝を迎えた2・15 曇り
例えばそこに
四人の人がいて
一人の話してに対して
三人がヤナ奴だって
顔したら
私は耐えられそうもない
だから何とも思ってないよって
顔して
感情の境界線を曖昧にする
いつか友 ....
わたしの子は今ごろ
どのあたりを歩いているのか
母を恨むな
父を軽蔑するな
生まれた子
親のない子
母に見捨てられた子
生まれなかった子
....
神様、私貴方がいてくれて本当にうれしい
私の可能性は自分だけでは見いだす事が出来ず
私の限界は手に触れる程近くにある
私の思考には制限があり、明日の事すら予期できず
通り過ぎて来た過去にすら捕 ....
空 に 見 つ け た
君 の 羽 根
ふと婦人は席を立った
向かいの席だった
ぼくは隅が好きだ
ぼくは隅に座っていた
カバンを架けかえようとしていた
ジャケットのフードがじゃまで
カバ ....
なんで千切れてるのかな
バス停に蝉のからだがおちてる。
きっと、
もう何回も死んだのだとおもう
リーディングしているときは、
「どうかあなたに触れさせて」と手を伸ばしてる気持ちになる。
....
ねぇ 今日は恐ろしいことに気付いたんだ
ねぇ こんな時はどうしたらいいのさ
遠くの空を見てみなよ
ずっと 遠くさ
特に夕暮れには美しく見えるんだ
黒から青から赤へ 色の大行進の空だ
....
白熱灯のしたで
チヨコレイトを食べています
すすけた銀色のロバは
いまやにぶい発光体です
若しくは端から、
しゅううう
あなたの燃えるおとです
輝く ....
夜の浜辺で一人
寂しい叫びを{ルビ宇宙=そら}に放り投げる
震える声は
一枚の手紙となって、舞い上がり
静かな波の唸りの上を、舞い上がり
海の{ルビ面=も}の、
月の光の道の上を、舞い ....
見えない糸でんわで結ばれていても
青い微笑がしみわたる夜ですから
ともだちだけが変わってゆきます
無声音の言葉はみちにあふれ
生きる水位が青い
少女たちの
渋谷です
原石 ....
嗚呼 もう夜明けだ
囀りが聴こえはじめる頃なら淡色でいいよ
鳥達が遊びに行ってしまった頃はもう耐えられない 瞳が痛い
希望は痛みだ
嗚呼 また日が傾き始めた
囀りが聴こえはじめ ....
蒼い花がすきだよ
キャラウェイ
猫の名前
大きな星が一人いるよ空に
一匹の犬が
死にそうだよ
誰か
聞いている?
わたしの見えない声
蒼い花がすき ....
ひょうめんには
あらわれない
ぽっかりした
たましいの かたち
なみだが
でるわけでもなく
ただ かぜが ふき
ただ おとに ならない
みぎにねがえりをうったら
ゆめが
ころがってきた
ひだりにねがえりをうったら
ゆめがまた
ころがってきた
ころがりでたゆめは
うずをまき
すぱいらるの
かなしみに
なみだし ....
どんな大船に乗っていても
いつかは必ず傷ついて
壊れてしまうんだ
目的地の島には
いくら乗り継いでも
辿り着けない
ある人は途中で諦めてしまい
ある人は志半ばで逝ってしまった ....
詩の何たるかを
読んではじめて知る。
しがらみを外れた所で
軽く、愉しんでいる。
軽く。
コウちゃんはお兄ちゃんだから、
小さなアヤちゃんの めんどうを見てあげなければいけないの。
アヤちゃんがしゃがみこんでしまったら、
いっしょにしゃがみこんで、
「どうしたの?」ときいてあげ ....
嗚呼 君の視線は何処へ向く
此の愚かな世からは目を逸らすのか
狐火が光る 湖面を照らす 蒼の焔
笑えなどしない どうして笑わぬ 能面の君
泣きたいと望むのならば 夜を裂いて泣けば良いものを ....
私は箱です
ありがとうの箱です
あとは忘れました
たまにあなたに会いたくなります
いつまでも開けないで下さい
苦しいだけだから
でも
ありがとう
ありがとうの箱 ....
道は渋滞で
バスの中は混み合っていて
みんな一日の疲労でうつらうつらしていて
外はもう真っ暗で
バスはなかなか進まなかった
ドアの側に坐って
ぼんやりと前を見ていた
ふと目に留まった ....
本論にうつる前に、まず文章についての私の考え方の一端を述べたいと思います。私は、たいていの主題はわかりやすい文章で書くことができると考え、わかりにくい文章に出くわしたら、執筆者の腕が悪いのではないかと ....
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