AUG.2004 断片
藤坂萌子

なんで千切れてるのかな
バス停に蝉のからだがおちてる。
きっと、
もう何回も死んだのだとおもう

リーディングしているときは、
「どうかあなたに触れさせて」と手を伸ばしてる気持ちになる。
でも、触れたい、というのとは、微妙にちがうみたい。

片手のないねこのお引越しのはなしを聴いた。
他者に委ねる覚悟、あるいは、
他者をひきうける覚悟をしたことのない人には
わからない。

きっと、もう何回も死んだのだとおもう。


お湯を張ったホテルのバスタブに浸かって、
買ってもらったアイスを食べた。
いちばん、すきな乗り物は飛行機
にばんめは、夜のタクシー
あるひとつの感情だけで存在する瞬間、
バスタブの中でオフィーリアごっこをする



「元気になったね」「うん、そうだね」
でもね、あたし、リカバーしたって言うより、
なにか、べつのものになったのだと思う。
きっと、もう何回も死んだのだとおもう。
そういえば、
女の人になんか、なりたくなかった。

天国みたいな夢が見たい、って眠ったのに、
夢の中で、必死で「Miel」をつくってました。
あたし、はたらきものだーと思いながら、その日はずっと寝てた。

夏休みの宿題、提出〜


ね、あたしは、あの人を神さまにたくすしかないのかな。
すごく、
すごく、さみしい。


未詩・独白 AUG.2004 断片 Copyright 藤坂萌子 2005-01-26 02:16:16
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