朔
シギ
嗚呼 君の視線は何処へ向く
此の愚かな世からは目を逸らすのか
狐火が光る 湖面を照らす 蒼の焔
笑えなどしない どうして笑わぬ 能面の君
泣きたいと望むのならば 夜を裂いて泣けば良いものを
そうしたならば 今 無き月が姿を現すだろうに
そしていつも夜は明ける
君の心は 闇の中
その小さな手は 何を望む?
ちっぽけな花 美しい花 儚き花
その手で手折り 何処へやる?
此の世に太陽が昇り 沈む限り
夜とともに 闇は来る
人は 闇を避けられはしないよ
ならば一つ 夜を照らす月が有ればいい
笑えなどしない どうして笑わぬ 能面の君
泣きたいと望むのならば 夜を裂いて泣けば良いものを
そうしたならば 今 無き月が姿を現すだろうに
嗚呼 君の視線は何処へ向く
此の愚かな世からは目を逸らすのか
嗚呼 それは此の穢れた世が悪いのか
それは泣かぬ君が悪いのか
それは泣くことを促さぬ僕が悪いのか
笑えなどしない どうして笑わぬ 能面の君
泣きたいと望むのならば 夜を裂いて泣けば良いものを
そうしたならば 今 無き月が姿を現すだろうに
君が笑わぬ 僕も笑えぬ
君が泣かぬ 僕も泣かぬ
嗚呼 それは此の穢れた世が悪いのか
それは泣かぬ君が悪いのか
それは泣くことを促さぬ僕が悪いのか