仕事を教えてやるよと
レトロな喫茶店に連れていかれた
ノートパソコンより新聞が似合い
年上の人ばかりがいた

テーブルに置かれた
丸い占いのマシンに百円玉を入れると
丸まったおみくじみた ....
ブロッコリー、ブロッコリー、ブロッコリー、です父上。
それはブロッコリー、あれはカリフラワー、これはキャベツ、あれは菜の花。
ブロッコリーはね、花のところを食べるの。
白いのがカリフラワー、緑い ....
貴女は私と同じことをしている


私は命を盾に
夫を何度も何度も脅した
仕舞いに、夫は疲れ果て、絶望した

それでも尚、愛して欲しいと望むのは
砂漠で歩き疲れた私を
ずっと背負って倒 ....
冷たい雨がボトボトと傘を打つ
自然と俯きがちになる
温かなものが恋しい
こんな日に限って一人きり
水たまりを避けながら
家路を急ぐ
いっそ雪になってくれたなら
空を見上げて
頬に触れた ....
粟と伊勢海老を
含んだまま
鉄風、
口笛すがら吹いておいで

唇の傷は口舌の徒だ
ペダルに漕がれる足元と
火車の取手を握る手、汗それと
春の電池を
抜きとった髪

それだけが私な ....
炬燵に潜った黒い詩のかたまりを蹴とばした
かたまりは、黄色く悲しい柄の炬燵布団を這い出して
畳に埋め込まれたトランジスタの蜜を指で掬った
雪と雨の雑じった空の涙を、吊し柿はただ見ている

正 ....
君の口から花がチロチロ見えて
私は気になったんだ
近頃雨降らないねって言おうとか
唾でも引っ掛けて騙そうとか

生活はうまくいってる?
根気よくいけそう?
呼び鈴が鳴り怒号が聞こえ
あ ....
松本さんは珍来のチャーハンが食べたいという
それにビールが飲みたいと
毎食ペーストと栄養飲料
牛乳だけの食事を希望したのは彼の意志で
病院からの強制ではない
ぼくはレバニラが食べたくて
昼 ....
初詣が済んだのでおみくじを引く
小さな地域の小さな氏神さまが静かに祀られている小さな神社は
この日ばかりは少しの間だけ人混みで溢れている
ぼくはおみくじを引く順番の列に並ぶ
ぼくの並ぶ列はどう ....
 虹の国

ヒバリは高く飛び
庭で虹を作って
笑いあったひかりの季節は過ぎた
あの虹は
偽物だったのかもしれないし
本物だったのかもしれない
空に虹が架かるたび
そこへ行ける気がして ....
きみの王國と、ぼくの王國を秤に載せてみようよ。
新しい王國のために、頭の上に亀をのっけて
哲学者たちが車座になって議論している。
百の議論よりも、百の戦の方が正しいと
将軍たちは、哲学者たちに ....
大晦日の夜から元旦にかけて
年神さまが誰も知らない山から降りてきて
健やかな子どもの足裏に
ひと粒の種を植えてゆく
今年はせいちゃんの番かもしれんねえ
そう言って祖母は細い目をいっそう細くし ....
妻との決着は穏やかに着いた
様々な想い出が走馬灯のように通り過ぎてゆく
長いと言えば長く
短いと言えば短かった

二人は別々の路を選び
晩秋を待って別れることになった
互いに別々の白い路 ....
地図も時計も捨てた時
人間が現れた

日が暮れる
人がどうなろうが
宇宙には関係ない

葉っぱは叫んだ 葉っぱの言葉で
豊かさにすがる人々が挙って生贄を捧げる
まぶしい海の街に聳え立つ女神の像が淫らに、
そして聖母のように微笑んでいる
見よ、彼女が踏み荒らした諸国の苦しみを

アフリカの中央部、西部、そして ....
雪明かりの中、ひさしぶりに散歩に出る
獣たちの足跡が点在し、ときどき走っては敵に怯えるように急ぎ足になったり、少ないながらもその痕跡が塗されていた
時折、小声で独り言で事を説明する私は酷く滑稽であ ....
きみの手は、
しっとりとした雪が、
もうすでに降り積もっている、
ひんやりとした夜の雪原である、
ぼく、うしどし。
おれは、いのししで
おれの方が〝し〟が多いよ。
あらら、ほんとね。
ほかの〝えと〟では、どうかしら?
たしか、国語辞典の後ろにのってたよね。
調べてみましょ。
うう ....
身体の隣には
太平洋があった
太平洋は凪いでいた

名の無い
小さな海が好きだった
その海は机の
引き出しの中にあった
机は遠く故郷に
置いてきてしまった

それなのに
 ....
手のひらですくえるほどの軽さ
ふっと息をかければ羽毛のように
水のようにさらさらと
それくらい
それくらいと言いたいのに

あなたが踏んだ泥は何億年後かにも
化石になって残るだろう
た ....
「時間がないから。」と
あの娘は駅へと急いだ
僕は「見送る。」って言って
無理矢理バスに乗り込んだ
駅であの娘が言ったよ
あの娘が言ったよ
「私付き合ってる人が居るの。
私一度だけ結婚申 ....
レンガが降ってくる

##### 線路

十字ボタンで突き刺したんだよ

 夕闇の水田のなかを、幽霊たちがとぼとぼと歩いていく。
隙間から光のこぼれる
カーテンは閉めたまま
布団の中
隣の温かい曲線をなぞり
指や足を絡め
パズルのピースを探り合い
ピッタリ嵌めて
繰り返し
もう少し
繰り返し
あともう少し
 ....
知らない 知らない 知らない 街で
知らない 知らない わたしは たたずむ

知らない 知らない 知らない 花を
知らない 知らない 風が 揺らした

知らない 知らない 知らない 場所へ ....
あなたが天にましますかどうかに興味はない
あなたが起こす地上の奇跡も期待しない
あなたが開いている天上の門もどうでもいい
ただあなたと呼ばれるもの
あなたを呼ばう人の声の
ただくちびるの動き ....
ふと

人生は砂時計だろうか?

と思いつき

書いてみる
なぜひかりがさしている
なぜがたがたとゆれている

あなというあなからたれながして
うつくしいていでいきている

ぶってほしいつよくつよく
あきらめてほしいきつくきつく

きみはてち ....
小指の赤い糸は
昔切れてしまったのに
どうしても
元に戻したくて
手繰り寄せたのは
赤くもない色の糸だった
生きるって
そんなことの繰り返しだな
僕は少しだけ可笑しくなった
ちょっといいですか。
あなたは神を信じますか。
牛の声で返事をした。
たしかに、神はいらっしゃいます。
立派に役割を果たしておられます。
ふざけてるんじゃない。
ぼくは大真面目だ。
友だ ....
黒い写真は我々に何を語ってくれるだろうか

           干からびた
       噴水の
         中を走る
             純粋さ

      岩の
  ....
髙任勇梓 Takatoh Yujiさんのおすすめリスト(146)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
喫茶店の水- 自由詩8*25-1-10
ブロッコリー- 大町綾音自由詩10*25-1-10
苦しみと再生- りつ自由詩10*25-1-9
冬の雨- 自由詩725-1-7
過密教室から、- らりるれ ...自由詩325-1-7
青い涙- atsuchan69自由詩15*25-1-7
花は気にならない- らりるれ ...自由詩325-1-6
【病棟日誌】_明日- レタス自由詩9*25-1-5
おみくじの話- ちぇりこ ...自由詩1025-1-4
めざめるすこしまえの本当- そらの珊 ...自由詩16*25-1-4
王國の秤。- 田中宏輔自由詩15*25-1-3
年神さまのこと/花の営み- ちぇりこ ...自由詩14*25-1-3
和解- レタス自由詩9*25-1-2
冬眠- 空丸自由詩1525-1-1
アフリカの涙- atsuchan69自由詩20*24-12-31
冬のにおい- 山人自由詩20*24-12-31
雪手- 本田憲嵩自由詩1824-12-30
木にのぼるわたし/街路樹の。- 田中宏輔自由詩15*24-12-30
小さな海- たもつ自由詩524-12-30
たましいの重さ- 凍湖(と ...自由詩924-12-30
She_said- 板谷みき ...自由詩1*24-12-28
なつかしさ- 大町綾音自由詩11*24-12-28
休日の朝- 自由詩724-12-28
知らない_知らない街- みぎめ  ...自由詩424-12-28
傾きつづける- 凍湖(と ...自由詩624-12-28
めも- うし自由詩324-12-27
ぴかっ???- らりるれ ...自由詩424-12-27
- 花形新次自由詩324-12-27
みんな、きみのことが好きだった。- 田中宏輔自由詩14*24-12-27
Chocolate- 鳥星自由詩1024-12-27

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