蓋の閉まった街の水嵩が誰にも知られずに増していく
なんという、静けさ
塞ぎ込む窓辺に君は寄り添って、透き通る視線で景色を
混ぜるように空を、抱えている

明るく、楽しく
昨日のことを語れる ....
二月、
薄明るい空の向こうに
何があるのか、あたしは知らない。


人さし指に触れた白い骨は
堅くてさらさらと乾いていて
同じものがこの体の中に潜んでいるのだ、
と思うと、酷く ....
命の火は、揺らいでますか?

風に、
そよそよ、そよそよ。

心に、
ゆらゆら、ゆらり。

{ルビ詩=ことば}に、
すーっと、そっと。

消えそうですか?

消し方は、知って ....
庭で子どもたちが泣いている
ちいちい ちいちいと泣きながら
翼をぱたぱたさせている
それだけで 私ももらい泣く
私は狂ってしまったんだと思いながら泣く

そして何を悲しんでいたのか わから ....
きょう
ぼくは少年だった
両腕をいっぱいに伸ばして
いちにち
空を憧れていた

ぼくのノートは
かなしい文字でいっぱいだ
さようなら
さようなら
みんな さよ ....
いつからか
巨大な目/まばたきをしない目が
わたしをじっと見る

青い/緑の目をしたきれいな雌鹿
自分を巡って戦う牡鹿を
じっと見る
興味深そうに/興味がなさそうに

丘の上にある一 ....
郵便受けに
さくらの花びら

淡い水色の
小さな便箋

ゆううつの波に飲まれそうな朝のこと

春はまだ見えない
思えば今年の冬はいつもより少し長い

便箋の封を切ると
中からか ....
泥になって歩く
海の方から風が吹くと
私じしんである 泥
がかわいてしまいそうになる
おまけに潮のにおいまで
はりついてしまいそうになる
この湾岸沿いの道は 淋しさ
そのものが細長く伸び ....
春の花を見つける
忘れないように匂いを嗅ぐ
きっとこの花が
私を飾る
だから忘れないように
匂いを嗅ぐ

夏の果実をかじる
熟す時期を覚えておく
きっと私が最期に食す ....
花の咲いた間だけ
とげに触れぬように

見張るように透明なコップに
移し変えたのは

空の下で枯れるすべての事から
逃げるためですか
守るためですか

とげよりもおそろしい指で
 ....
?.

ヒヨドリたちが庭に現れる
鳥は歌うものだと思っていた
あれは
叫びだ

桜木町から横浜に向かう道で
君は叫んで
何度も叫んで
アスファルトの上に寝転がって
 ....
二人で作りあげた数式の右辺を
ある日失ってしまった

左辺とイコールだけで
成り立っている数式を見て
きみは笑う

だから
真夜中に起きた僕は
左辺を消しゴムで
消しておい ....
{引用=
雪睫毛、って言葉を
貴方に送る手紙の冒頭に書きたくなって
意味も勿論分からないままに
便箋を箪笥から出してきました


「雪睫毛」


二〇〇六年 十二月 三十一日 大 ....
神が
アダムの肋骨から
イヴを造りだしたように

おまえは
おまえの鎖骨から
わたしを造りだしなさい

おまえのその
滑らかな肩に眠る
真っ白な翼のかたちをした骨で

そうした ....
土が匂う
そうして僕は小学生になった

昨日より暖かな陽射し
冬休みの明けた教室の
油引きの床の匂い
ジャングルジムや鉄棒の冷たさ
授業中に見えるグランドの眩しさ
雑草の中には小さな白 ....
小説か詩かと作品について批評されているのを読み
ずっと前に知り合った詩友さんを思った。
エッセイの中で彼は書いていた。
最初は小説を書いていたけれど 体力的に無理で
詩に変更したと。
二十数 ....
彼は眠りこけているが彼女は目覚めている。

息で曇る車窓の向こうは夜更けた雪国、
どうせなら洒落たペンションにでも泊まりたかった、
と彼女は思うけれど、
財布の中身を考えれば車中泊もしかたな ....
太陽が真上に輝くとき
私の影は死にました

影は本当の私でした
影が本当の私でした

私はいつも笑っています
笑っていれば許されます

影は時折泣いています
影は時に嘲笑います
 ....
二十年近く前 たまたま誘われて 文学の人の集まりに出席した。
そこで小説を書いているらしい 年配の男性が ベルリンの壁の崩壊やソ連のゴルバチョフさんについて触れ
「人の行動力は凄い それに比べ ....
動かない空気のなかで
宛てもなくひらりと
便箋を翻すと
そこには
まだ言葉にならない溜息やのぞみが湧きだして
いつの間にか黒い模様を描きはじめる


遠くへ帰るひとを
いま見送っ ....
夕焼け空を見て
胸に何かが込み上げる

少年はそれを言葉にできなくて
とりあえず 叫んでみた


ふと我に返り 辺りを見回す
恐らく あの空より赤い顔隠して
家まで走って行った

 ....
眠りながら歩きながら眠っている
墓標を背負っている

曲がりくねった黒い道だ
まっすぐ続く赤い道だ
途切れ途切れの

滑らかなカーブそこへ続く道を

眠りながら墓標を背負いながら歩い ....
死にたい奴から勝手に死ねばいい
と受話器に書き込んだ朝は
乾いた雪が派手に舞い上がっていた
ちっとも積もりやしねぇ
誰かこの世界を面白くしてくれよ

そんな事を言う輩は死んだ方がいい
と ....
こんなにもあかるい岸辺で
こんなにも頭がずきずきするのは
いったいどうしてなのでしょう
山々に溶け残る雪は
(誰にも踏みこめないところにあるので)
あくまでも白く輝いて
その鋭 ....
雨がまた積もっていく
雨音がまた積もっていく
その分だけここは、静かになれる
抱き合うだけの幅を残して

昔の夢のかたちを探り合う
窓を伝う雨粒の落ちる、速さ
遠退いた距離の分だけ、今の ....
小さい頃

雪っていうのは神様が落とした

宝石だと信じていた




人が亡くなって
魂が神様のところに逝く

また人間として生まれ変わるとき
人間だったときの記憶は
宝 ....
母さんの作ってくれた焼そばには
キャベツばかりがあふれていた

いう詩を描こうとして

母が
焼そばを
作ってくれたことなどないと
唐突に気付く

コウちゃんはというと
正確に ....
  1月のお題が「雪」と知り、真っ先に思い出したのは、あの写真だった。

  推定年齢3歳の冬の写真。

  私が、ちいさな両手を見つめて泣いている。

  人が見たら意味不明だろう。 ....
滴が。
朝の、


窓枠を二つに分けるようにして落ちていく。
今も手を伸ばせば壊れてしまいそうな足跡。
遠くなっていく風景写真をいつも隣に置いている。
あの日、行方知れずの人が今も笑いか ....
さてと。
最近、詩を読んでいて、「信頼」ということが気にかかる。
あとは、アクセス。
このひとはどういう世界を生きていて、
どこへ向かってアクセスしていて
どういったものを信頼しているの ....
北野つづみさんのおすすめリスト(414)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨から、街を- 霜天自由詩607-2-25
二月、薄明るい空の向こうに- 有邑空玖自由詩9*07-2-25
創書日和「条件。」- 狠志自由詩207-2-21
庭で子どもたちが泣いている- 若原光彦未詩・独白12*07-2-9
ぼくは少年だった- yo-yo自由詩12*07-2-9
- ふるる自由詩17+*07-2-8
たより- 夕凪ここ ...自由詩8*07-2-7
湾岸経由蜜柑畑行き- 岡部淳太 ...自由詩24*07-2-6
四季の森- なかがわ ...自由詩12*07-2-4
きっと_いつまでも- 砂木自由詩20*07-2-4
十字架- 水在らあ ...自由詩31*07-2-3
数式- たもつ自由詩1907-2-2
創書日和「雪」_雪睫毛- 半知半能自由詩1207-1-31
カナリヤ- 大覚アキ ...自由詩4*07-1-31
しろつめくさと野の花と- プル式自由詩4*07-1-30
小説と詩- 砂木未詩・独白4*07-1-30
創書日和。雪_【軍靴の響き】- 佐々宝砂自由詩1107-1-30
私の影- なかがわ ...自由詩4*07-1-30
行動力と小説- 砂木未詩・独白5*07-1-28
砂のことば- 銀猫自由詩24*07-1-28
夕焼け空に知った言葉- 画竜点睛自由詩3*07-1-26
墓標- サナギ自由詩5*07-1-25
創書日和「雪」- 虹村 凌自由詩4*07-1-22
あかるい岸辺- 佐々宝砂自由詩3*07-1-22
落ちる速さ- 霜天自由詩6+07-1-20
雪の記憶- 愛心自由詩14*07-1-16
おたふくソースをいっぱいかけて- umineko自由詩7*07-1-14
創書日和「雪」__写真- 逢坂桜散文(批評 ...5*07-1-14
あの日、行方知れずの- 霜天自由詩1207-1-14
三匹が斬る〆_現代詩フォーラムランダム道中千人斬りの巻_其の ...- 熊髭b散文(批評 ...13*07-1-11

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