すべてのおすすめ
風邪をひいたっぽい
口が病院の消毒のような匂いする
なんか明るい朝だないつもより
この光はぼくかな
でもぼくじゃないにしても
何者かのような明るさに
ぼくの心はしばらく明るかった
....
とても土のにおいがする花壇で
先生は苦しそうな顔できれいごとを並べていた
お母さんは泣いてた
僕はまだ小学生で
マリーゴールドを眺めながら
図鑑で見た
花の構造を思い出していた
茎、がく ....
神社にいる猫
神様の飼い猫
手の匂い嗅がせたら
背中を撫でさせてくれた
もふもふ
もふもふ
祈りより
心無い肘鉄喰らわされた時の怒り
湧き立つ感情の置き場所を
この毛並みに沿 ....
午前4時の空
オリオンが昴を追いかけ
中天に昇った
やがて来る
冬の星座は変わらない
一食あたりワンコイン
千五百円の食糧で
寝食除いて十五時間
生きてくためには一時間
百円だけで十分だ
しかもまったく食材の
クオリティにはこだわらない
ハイオクタンなお肉でも
レギ ....
結局半分のぼくが囁いたように睡魔に負けた
これから朝までが長い
さてと、シュウマイでも食べようか…
ウイスキーの水割りを飲んで
朝まで起きていよう
昼に遠方から人が訪ねてくるので
あまり深 ....
ポエムちゃん、サヨナラ
汗ばんだからだでふたり抱きあった
昨日までの嘘は水に流して
今夜からは本は読まないで眠る
潔く、完璧な AI に譲ろう
思えば、想いはすべて映像だった
ことばは ....
世界を悲劇がおおうとき
人々にできるのは
母の胎内にかえることだけ
しかし、われらには
かえるべき胎内はない
なぜなら、
母親とわれらは
まったくの他人なのだから
遠ざかる星々に追いつこうとして
ポケットの中の薄い板が
震えてうめく
きらめくきつね雨のまひる
広場を歩けば
宝石がふってくる
こどもたちは争って宝石を拾い
笑いさざめきながらそ ....
ネオンの滲む街角で
ウオッカを飲み干し
潰れた夜
ぼくは路上の水溜まりで朝を迎えた
ネットの噂では
きみはいまでもピアノを弾いているらしい
解ろうとして解らなかったあの日
手 ....
キライな歌と顔触れで始まった
とはいえ、パーティーは壊したくない
素顔を知らない女たちが夜を飾る
紫煙に包まれた部屋が踊り、
沢山のシャンパングラスを揺らした
大理石の床に、笑い声が零れ ....
体重は五キロ、性別はオス、黒い猫です。
もし見かけたらこちらまで
どうか連絡してください。名前は
「うに」お願いします
雨はふらないよ
うにお願いします
ご飯に困らないよ
うにお願い ....
流線型のトースターから
褐色の食パンが飛び出した
珈琲と目玉焼きとシーザーサラダ、
トーストには人造バターを塗る
今日からはボクも宇宙人
立派な宇宙人として社会に貢献したい
家を出ると ....
昨日までの
不幸なら数えられる
幸せは数字に置き換えられない
明日から先の
幸せは想像でしかない
明日から先の
不幸せなんて
想像したら
自分が可哀想になる
明日 ....
何の行列でしょう
いつからやってるのでしょうか
こんな時間だというのに
ずっと通りの向こうまで
途切れることなく
行列が続いていて
手に手に灯りを下げて
歌を歌ったり
泣いたり ....
踊ってテーマ名乗る。春の名前で鉄道。
おどっててえまなのる はるのなまえでてつどお
捨てられ天使はシンデレラです。
すてられてんしは しんでれらです
水が澄んだら一人きり。扉、 ....
ガラスの三日月
みせたこともない
真剣なひたむきさで
青みがかった夜空を
みあげている
昔憧れてたあのひとの
泣き顔をみたことがあって
もう僕でよければぎゅって
....
ゴルゴダの丘に晒された御子は
悲母の腕に抱かれ
復活などは無いと知りながら
静かに我が子を抱き締め
ピエタは今も紅い涙を流す
初出 日本WEB詩人会 2024/03 ....
水晶にろ過された水ほど美味いものはない
ある天竺の行者が言った
彼は24日間水だけを飲んでいた
それを知るために20年の歳月を費やした
誰に指図をされた訳じゃない
ただ行者の言ったことを ....
薔薇が咲いた夜は
遥かにむかし
遠くまで
遠くまで
時間はさかのぼる
君は薔薇を咲かせて
僕を昂らせた
永遠に昇る
螺旋階段
薔薇は
螺旋階段の
踊り ....
耳をとざしたほうがいい
ことばを思わないでいいから
目もひらかず
ただ触れていたい
指で肩で舌で
そのからだの奥を覗きこむような
こまかな息づかい
一度は奪われた草木を甦らせ
半透 ....
引っ越してきたばっかりなのに、
ほら、ここは、神さまの家に近いでしょ。
さっき、神さまが訪ねてきたのよ。
終末がどうのこうのって、うるさかったわ。
だから、持ってた布団叩きで、頭を叩いてや ....
はやらないことはやらない琴線の
ことはことばかわからない
じゅげむじゅげむ
なんとかなるさ
にんげんだもの
しらんけど
男雛女雛
ならびて透る緋毛氈
右近左近、たちばなさくら
今 ....
幻のステージに、
昭和を生きた女がいる
鳥の羽根で飾られた衣装を纏って
ジャズとロックンロールと演歌を混ぜた
──アジアンであり、
──洋風でもあり、
戦争に負けた戦後の日本みたいな
....
深海の水底に眠る者たちよ
我らはいま至福の中で歌っている
君たちは永遠に若く
我らは次第に歳をとってゆく
君らが捧げた{ルビ生命=いのち}は
決して無駄ではなかった
傲慢な思想 ....
*
ねじれた果実の熟すころ
死は昨日のように訪れた
時間の底に焦げついた
小さな獣の影
かどわす風にいま黒い水を渡る
古い橋の真中から
栞を落とす子ども
その萎えた手の甲か ....
朝のみそ汁から
かつて棲んだ磯の香りがした
循環する水にうまれるいのちのすき間
それをすくいそそぎ入れた
湯気が消えてゆく空にうかぶ
一羽のかもめ
炊きあがった純 ....
今日はオマエが氷壁から滑落して30年
オレは毎年この日に伽羅を焚いている
何故もっとオマエを止めなかったのか
記録を求めて命を賭けるのが解らない
あの酒席でもっと叩きのめしておけば
毎年この ....
酔いたい自己肯定感が居て、雨後、腰痛いよ。
よいたいじここうていかんがいて うご こしいたいよ
イルカ愛す存在。酸素吸い明るい。
いるかあいすそんざい さんそすいあかるい
寝た ....
夢の橋を渡ると、
ショートボブの君がいた
会えて嬉しい
と、可愛い仕草で笑う
それからふたりは、
君の村まで歩いて行き、
南国風の立派な家で
沢山のキスを
揚げたての天ぷらで食べ ....
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