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生きる理由をかぞえている東京の部屋で
だけどつらいと泣いてる独りに
ふと友人からの一通のメール
一枚の花の写真に、添える言葉はなく でも
君はこのさびしい堂堂巡りに句点を届けてくれたんだよ
....
いつも何かを
思い出しそうになっている男がいた
道を歩いていても
仕事をしていても
本を読んでいても
酒を飲んでいても
時折手を止めて
思い当たるふしのある
顔をする
そして結局思い ....
「食べる」
早朝から釣りに行った夫が、すずきを一匹釣ってきた。
君は大喜びして、おさかな、おさかな、と言った。
水面をパシャパシャとのたうち回った姿はまだ想像できないかもしれない ....
夕焼けこやけで気が触れて
山のお寺に願い事
お手て見つめてみな返そう
カラスも食べないプライドを
一生涯にまき起きる
不幸と幸福量同じ
本当にそうならあの時の
幸福の値高過ぎる
くやしさたゆたう
たぷたぷたまる
ひしゃげたおさらに
ひたひたたまる
すやすやねむる
ぼうやとおじょうにゃ
おとなになるまで
ないしょだよ
たいくつへんくつ
きゅうく ....
ほんっとバカだったよな
羨ましいくらい自由で
でもなにかを抱えてて
時おり寂しい一面を覗かせてた
そういうところに弱かったんだ
遊んでいるようにみせて
誰より努力してて気づかせなくて
....
恣意的にはなす術も無いがときに僕のマックが代弁してくれるだろう
僕のOSは古すぎてもうあたらしい言葉を紡げないから
内緒話しを夜通ししてみたいんだ ケ ....
で、ゆれる会話。白線の内側を歩くように危なっかしいきみのきゅんとわたしのきゅんの間にある水域が、おわりはじまりとめどなくとどめなくどよめきめくりあがる白い爆弾となって投下される前に始発の黄色い ....
ベランダを覆いつくすケヤキの枝に
キジバトの巣がある
朝六時
キジバトの鳴き声で眼が醒める
ジュウイチジニキテクダサイ
ジュウイチジニキテクダサイ
十一時に?
どこへ?
夢 ....
今ならわかる
小沢健二が一体何にあの頃
立ち向かっていたのか
少女たちはもう初めから知っている
ああぼくはもう
46歳になってしまったのに
小沢健二は
遠くの星が変換 ....
手のひらに真珠をのせ
なめらかに海に流す
一連の動作は帰ることを意味する
君を待って
長らく浜辺で時を過ごした
捨てられたボトルや
流れ着いた流木と共に
私はもう待たない
....
牛が不思議に騒ぐ夜があるの。
台風の夜でもないし地震の前触れでもない。
乳に血が混じったりもしない。
虫が多いわけでもない。
まあ牛舎なんてのはいつも虫だらけだけど。
夜なのにもぐもぐ反 ....
艶めかしい肌は
指の腹で軽く抑えると
水が溢れ出しそうなほど
貝のように整った形を成した
耳に後ろから息を吹きかけると
肩を竦めて首を傾げる
華奢な爪先の繊細な小指は愛惜しく
食 ....
君が通りすぎたとき
羽根が一枚落ちた
真黒な羽根は美しく
光を放つほどだった
僕は心配したけれど
君は痛みを感じていなかった
僕が羽根を拾い上げても
君は驚きもしなかった
....
見慣れないスカーフを胸に
少女になり
出て行こう
テーブルの上には、昨日までの私への さようなら
きっかけは
太陽と星とがイーブンなのよ
テニスの試合でいうなら いままさに
ラブ ....
あまざけをあげようか
ひさめふるよるだから
こごえてつらいだろうから
うっすらあまいだけだけれども
えいようはありますよ
そう言って五平は
すり鉢でつぶして作った餅と
....
馬鹿でっかい鰤のアラと
ぶあつい銀杏切り大根の入った
湯気のたつ味噌汁を啜って
海苔と胡麻塩の握り飯を食う
あー、うめぇなあ
海鳴りの音を風がさらう
子どもたちはまだ眠っていて ....
蛇の足も役に立つもの
告白とは一言であるから
あまりに自然なので
いつかあなたを守りすぎ
あなたは真っ直ぐになってしまい
傷ついてかけて、隙間に砂が詰まる
呼吸はとても大切 ....
土日に休むというのと、
平日に、
有給休暇を取って休むというのは、
やっぱり、
ぜんぜん違って、
平日の休みは、ほんとうに、
楽しい。
ひとが働いているときに、
自由に遊べるということ ....
きのう、よく晴れて、
成田山新勝寺まで、
数え43歳の厄払いに、
職場で、3月まで、派遣で隣に座ってた、
37歳の女性と、
日暮里から、京成線に乗って出かけた。
途中をすっ飛ばすと ....
学生のころ
留年すれすれだった彼女と試験期間中
ラブホテルに十連泊した
ゼミイチだったから
ぼくには後期試験は関係がなかった
フラ語を教え、経済原論を教え、
商業簿 ....
夢から醒めた
セロファンの夜が千切れていく
いきを、してね
しっかりと
もっと
つよく
涙の通ったあとは、砂漠みたい
なにもかんがえられないから
脈をかぞえる
いち、に、 ....
ピカソみたいに一日じゅう
セントジェームスのシャツを着て
たくさんの女と子どもたちに囲まれ
好き勝手に暮らしたい
白くない砂浜に
空のペットボトルが漂着し
三ツ矢サイダーだの
おーい ....
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