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不登校になってから
しばらくの間、
洗濯物を干すことだけが
僕に与えられた役割で
ベランダだけが
世界との接触点だった
その頃、住んでいたのは
閑静な住宅地の古い一軒家
とはいえ借 ....
「何回だって言うよ、世界は美しいよ」
(羊文学「光るとき」)
九月、未明の町は
ひんやりとして
青いベールに覆われている
ずっと乗っていなかった
自 ....
とても土のにおいがする花壇で
先生は苦しそうな顔できれいごとを並べていた
お母さんは泣いてた
僕はまだ小学生で
マリーゴールドを眺めながら
図鑑で見た
花の構造を思い出していた
茎、がく ....