すべてのおすすめ
一人は静かだけど
ほんとうの世界はもっと静かだ
音をたてるのは人間だけで
無防備に自分を知らしめている
川が細くなったり太くなったりするのを
人間は受け入れるしかない
なのにそれを忘れ ....
つばめが
高いところに巣をつくり
高いところでたまごをあたためているのを
不幸な人も
幸せな人も
なんだかまぶしい目をしてみあげている
なにがみえるんだろう
私もつられてみあげた
つば ....
ほんとのこと言うとね
っていいながら様子見をするのはやめて
全部ほんとのことを言って
それが無理なら全部嘘を言って
愛されたい
それが私のほんとう
追いかけるから逃げるんだって
わかっているけれど
見ているだけの自分にも
あきてしまったからしょうがない
太陽がまっかで
ずっとあなたがみているからだまって
私もなんにもいえないよ
....
いろいろ怒っていたから
夕焼け雲も眉間のしわに見えました
優しくなんかないよ
夕焼け空も
あたしも
自転車をこぐこぐこぐ
このままどこかへ行きたい気持ちで
まっすぐ生きないといけないとおもう
まっすぐ歩けないから
背中もぐにゃぐにゃになってしまうから
うしろめたいから
すぐ黒にかくれたくなる
太陽はずるい
熱でうやむやにする
ひとつ ....
懸賞ハガキを書いていました
あなたが手術を終えるまで
プレゼントが私にたくさん届くように
しめきり日はいつなのと
あなたはいつもきいた
私がなにかに追われるように
ハガキを書くから
....
思い通りにいかないから
イライラして口の中をかむ
血の味をあじわって我にかえる
洗濯機のすきまから中をのぞく
ぐるぐるまわる今日をみる
おもしろくもないのに笑えないよな
とふっと笑 ....
いつの時代に戻りたい?
まるで魔法使いのように君はきいた
あなたは?
そうきけなかった
できもしないことについて
私たちは真剣に悩みあった
遠回りをするように時間を過ごし
互いが痛い部分 ....
今はもう
友達がほしいとは思わない
ひとりがいい
だれかにあわせたり
あわされたりしたくない
なにを想っているのだろう
考えるのは無駄だと知ったから
同じ理由でペットも飼わない
....
いろいろに疲れて胸の穴がふさがりそう
だからページをめくります
詩がほしい
少しだけゆっくりと字を追って
あまりすきではないスタイルもかじる
頬がゆるんだら
心の穴も柔らかくなった ....
詩は虫だ
生きているしとても小さい虫だ
いっぱいあしがはえていて逃げ足がはやい
つかまえることや飼うことはできない
目は大きくて大きな触覚がある
なんでも知っている未来さえも
....
お鍋ばっかり作るのは
会話の無いのをごまかすため
互いの箸を受け入れる
それが暗黙の譲歩
冬はいいよね
寒いの一言でなんか言った気になるし
窓の水滴が答えに見えてくるし
外から見 ....
迷子です
私がいない
大勢の中で見失った
さがさなきゃ
あせる気持ちと
捨てちゃえ
ささやく気持ち
別人の顔して歩こうか
今年はじめてのみち
自分の中に決め台詞があると
生きやすいのではないかと思う
イキオイは
指先にではなく
足先にあった方がいいとも思う
年が明けてすぐのせいか
理由がないと歩けない
三日月の横に
ちょこんとほくろみたいで
セクシーね星
正月の仕事帰りの私
つまらない気持ちを
もてあます
月と星の関係に
あこがれてひとり
綺麗にするぞといきまいて
部屋の掃除をしてみました
どんどんどんどん捨てていくと
いらないものの多さに驚きました
どうして私は買ったのだろう
いらないのに
ためこんだのだろう
その時の自 ....
もうがんばれない
君は泣く
がんばりたいのに
君は泣く
がんばるなんて言葉が
なければいいのに
私はおもう
いろんなことがわかってくると
言葉がどんどんだせなくなる
ひと ....
外に臼がほしてありました
もうすぐもちつきだからです
家族はそれぞれに白い息をはいて
うったり
うたれたり
白くて柔らかいもちを
家族の手でまるめて
少しいびつなそれは
部屋に飾ら ....
夜の川は静かに立ち上がる
ネオンをうつしながら
世界を飲み込んでゆく
だから男は川にひかれ
だから女は川をみつめる
夜の川の素顔は
やさしくなんかはない
だけどそのせいでひとは
....
料理をつくる
今日の分をつくって
昨日の分を捨てる
だれかと食べる
ひとりで食べる
料理をつくる
今日の分をつくるが
明日の分はつくらない
今日のためにつくる
わたしの今 ....
家はたくさんあるのに
その家の屋根にはたくさんの鳥が集まっていた
一列に並んで
まるで会議中のようであった
それぞれが首をかしげ
うなづきながら会議をしていた
ついと一羽がとびたつと
い ....
あなたは特別だよと
言ってあげたかったけど
特別なひとなんて
いないと習ってしまった
背中がちいさく ちいさくなって
あなたの涙だけが大きくなる
わたしはなにも言えない
言っても無駄 ....
道端で死んでいる動物ばかりみてしまう
どんな気持ちだったのか
空が青くても
遠くても
顔をあげなくては
死はある
どこにでも
私の隣で
まただれかがうまれかわるのだろう
....
一生なおらない病気であるならば
それは病気ではなくわたしの一部なのだろう
そう気づく秋の景色のなか
定期的に通う道の
木は色をかえて
それでも同じ木に安心して歩く
すきなひとに気軽に
すきと言えないように
きらいなひとにきらいと
言えるはずもない
一緒の鍋をつついても
心にふれないよう気をくばる
湯気があたりをぼやかして
ほんとのことが ....
おとしよりが
せかせかと歩く少しウエーブした腰は
なにものかを背負っているからなのだろう
からっぽの両手を
少しきちんと膝においた
見透かされそうな私
夕日と一緒にどんどん進む
....
お母さんとはなすとき
うめられた地雷をときどきふむ
お母さんを怒らせると
いつまでもかなしい
お母さんはいいな
お母さんは自由で
ずっとずっとそうおもってきたんだよ
それがち ....
生きててごめんなさい
安易に
そんなこと想ってごめんなさい
あやまってすまして
ごめんなさい
あやまるなんてなんでもない
傷なんてついてないんです
生きているから
生きてい ....
寝るまえにたましいをとりだして
枕元におく
悪いことする夢がみたい
すべてをこわすような
ひとの事情を考えずに
地球の痛みをむしして
こわして
うばって
ひとりじめにして
....
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