純白の朝、僕等は東向きのテラスの藤椅子に腰掛けて、去りゆくものに挨拶をした。
爽やかな風がさらりと流れ、僕等の机上に薄緑の葉を寄こした。
小鳥たちの明朗な歌声が林の中に鳴り響き、朝顔は寝ぼけ眼をこ ....
時を告げる鐘に思いを託し、
湖上を眺める人よ。
あなたは独りではない。

見上げればどこまでも広がる空がある。
足元には名も知れぬ草があちらこちらに生えている。
今あなたは一人だが、決して ....
実り多き夏を私は愛する。
むせかえる暑さに眠れない夜、透き通る藍色の空に浮かぶ五つの星にあなたの幸せを願う。
魂の繋がりを信じて。

夏に実ったものを私は愛する。
以前僕はキスゲであり、すすきであり、また、砂粒であり、星粒であった。故に孤独であり、暗闇からも愛された。

病魔に襲われてからというもの、僕はすっかりその全てではなくなった。
孤独でないがために ....
感じることができます。
夜汽車に揺られながらも、心の昂揚を抑えきれないあなたを。
心の師に会える喜びを。
あなたの純粋で綺麗な魂を。

感じることのできる僕は幸せです。
時に切なくやりきれ ....
目を瞑ってごらん。
そして両の瞼の上に静かに手を置いて。
そこに、あの時の青く澄んだ空や、鮮やかな森の緑、自分にとって感じの良い情景が浮かぶなら、あなたはまだ大丈夫。
焦らずに、そしてゆっくりと ....
大海原を望む丘の上で安らいでゆく魂が一筋の輝きを放つ。
しばらく見なかった太陽がその魂をさらに照らす。
緩く弧を描く水平線が真実を浮き彫りにする。
目をそらしてはいけないのだ。
こんなにも自由 ....
神様がいるかどうかなんてわからない。

祈りの意味なんてわからない。

だけど、全ての人が豊かな心を持てれば良いのにな。
北の国の鉛色の空に
貴方の奏でた虹色の音色が泣いている。

それは今も遥か遠い極東の空まで響いているよ。

そしてその響きは、僕の心に深く染み込んで、僕の魂を優しくさすってくれるんだ。

 ....
丘の上から遥か水平線を眺める。
ゆき過ぎる冷たい風に新しい季節の到来を知る。
あらゆる概念は偉大な自然に包み込まれ消滅する。
嘘も無く、虚勢もはらず、諍いも無い。

生きていていいんだよ。
 ....
昼下がりの淡い光がステンドグラスを通してこの教会をうっすらと虹色に染める。
生涯の契りを交わす二人の影にも輪郭のぼやけた色彩が広がる。
神父に促された天使達がささやかに祝福の音楽を奏で、光のカーテ ....
満たされない心は本能に支配される。
理性など知ったことか。
一体何の為に苦しむのだ。
別れた子供の為、迷惑ばかりかけている両親の為、同棲中の女の為、しばらく会っていない友人の為、積もった借金の為 ....
運命は変えられる。
宿命は変えられないという。
本当にそうなのだろうか?

宿命って何だ?
生まれながらに背負っているもの?
この体内に染み込んでいるもの?
体を切り刻み血を全て入れ替え ....
死にたい、また、死んではいけない、と自分の体に傷をつけてるが、結局は死ぬ勇気がないんだ。
わかるかい?
行為的にはすぐ死ねるのに、精神的にはなかなか死ねないんだ。
その矛盾に僕は馬鹿のような悩ん ....
喫茶店の窓から覗く
街の風景は
透明で美しい
ガラス細工のようだ。

道往く人々の足取りは軽く、
今宵のクリスマスイブの準備に追われる
幻想的な蜃気楼。

漂う煙草の煙に人々の心奥を ....
星々の大河を
悠々と、そしてゆっくりと渡ってゆこうよ。
さんざめく群集の中から
こっそりと抜け出そうよ。

君が居て僕がいる。
大丈夫だよ。
この世界は僕には広すぎる。
二人だけの世界 ....
青い空がどこまでも抜けてゆく。
街路樹の銀杏が仄かに色付いている。
所々が赤茶けた緑の窓枠の大きな窓からぼんやりと外を見てる。
錆び付いた感受性が研ぎ澄まされてゆきそうな気がする。
気持ちの良 ....
わからない。
何がわからないのかわからない。
周囲の目に困惑し、ただ震えている。
涙が出てきて笑おうとしたが上手く笑えなかった。
周囲にさらされないように被り慣れない帽子などを被ってみる。似合 ....
昨夜の雨の恵みと眩い太陽の恩恵を受けて、
大地の緑が鮮やかに輝く。
涼しすぎる風がカーテン越しにこの応接間を吹き抜ける。
ベートーベンのピアノソナタが庭の緑を一層濃くする。

時代と人間に翻 ....
森の中の喫茶店で僕らはささやかな食事をする。
木々の隙間から日が差し、妻と子供の顔を照らす。
影の中から浮き出た顔は幸せに満ちている。
愛が日だまりの中へ溶けてゆく。

湖畔の小さな美術館、 ....
闇に浮かぶ朧ろの月は
僕の心を開いてくれる。
それはどこまでも優しく。

陸一つ見えない大海原に浮かぶ船からの眺めは
僕の心を不安にさせる。
それはとてつもなく恐ろしい。

僕はどこに ....
そのバルコニーにあなたが現れ
優しい瞳を投げかける
夕映えよりも美しく
遠い神よりも崇高だ
頭のしびれが限界に達する時
私の魂に忍び込み
そっと静かにさすってくれる
あなたは太陽のようだ
恐れるものは何も無く
全てをその光で照らす
失意の底にいる私を救い
希望の光で包んでくれる
坂のある町
ノスタルジー
暗い戸口であなたは待つ
幼い私の影法師
ランプのともしび心に刻まれ
手の温もりは記憶に刻まれ
レースのカーテン越し
うっすらレモン色の光が滑り込む
この横浜の匂いのする応接間に優しく奏でられるドビュッシーの調べ

朝の透き通った空間にピアノの一音一音が踊り、新しい一日の始まりを祝福する ....
人は何の為に生きるのだ。
それは死ぬ為だ。死ぬ為に今を生きる。
今を生きるとは何だ。
それは創造する事だ。
死ぬ為に懸命に生きる。そして懸命に生きる為に創造する。
創造こそが生だ。生きる力の ....
そこにお前の望む世界が無いのなら
そこに創ればよいだろう、お前の世界を。
そこにお前の好む世界が無いのなら
そこにばら撒けばよいだろう、星達を。
そこにお前の世界は創られる。
この世に二つと ....
船の汽笛が闇に漂う
悲しくも憂いに満ちて
前途多難な人生の暗示か
淋しい独り寝の真夜中に


霧の夜
朧に浮かぶ黄色い月
過去の狼藉甚だしく
悔恨の情にむせび泣く


寂寞の汽 ....
憂鬱の中の詩情
生きる理由を探す

窓際に積み重ねられた本の上
黒猫が静かにまどろむ

漆黒のヴェールを纏った貴婦人
何という気品、美しさ

讃えても讃えきれない
神の創造した芸術 ....
足・足・足。
見えるのは足ばかり。
私は雑踏の中にいるのではない。
足はその歩みを止めることを知らない。
足はとにかく動き回る。
細い足、太い足。
飛び跳ねる足、引きずる足。
足・足・足 ....
ヒヤシンス(425)
タイトル カテゴリ Point 日付
新しきものへ自由詩2*13/5/18 19:04
時を告げる鐘に思いを託し自由詩1*12/2/24 13:57
震える魂。自由詩2*11/7/11 2:55
煩悶 自由詩2*11/6/9 2:21
清らかなる魂自由詩2*11/6/9 1:41
心が乱れるときに。自由詩1*11/6/9 1:19
感謝自由詩2*11/3/19 12:32
人間自由詩3*11/2/8 16:16
孤高の人へ自由詩4*11/2/8 16:00
胎動自由詩1*11/2/5 22:27
未完成自由詩1*11/1/25 16:28
錯乱自由詩4*11/1/13 15:04
自由詩2*10/11/12 1:14
そんなものはない自由詩2*10/11/12 0:31
天使の舞い降りた夜自由詩4*10/10/28 21:54
二人だけの世界自由詩010/10/28 21:44
日々の感謝自由詩1*10/10/27 14:43
自由詩010/10/26 6:21
桃源郷自由詩1*10/10/23 19:02
愛が日だまりの中へ………自由詩2*10/10/23 18:49
困惑自由詩1*10/10/17 11:08
バルコニー自由詩3*10/10/11 19:17
自由詩1*10/10/11 19:14
幼い記憶自由詩5*10/10/11 19:11
朝の詩自由詩1*10/10/10 11:38
生きるとは?自由詩4*10/9/29 20:35
ひとりぼっちの世界自由詩5*10/9/29 20:27
霧笛自由詩010/9/28 19:07
黒猫自由詩1*10/9/28 19:02
無意味な足自由詩1*10/9/27 15:06

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 
0.09sec.