空が白く覆われた日には旅の準備をしよう。
そんな日はどんな自分に出逢えるだろう。
あなたはどんな態度で僕を迎えるのだろう。
きっとあなたの言葉を聞く為に僕は旅立つのだ。

窓辺から眺める ....
それぞれの屋根は真昼の太陽に辟易し白々と病んでいる。
こんな日は思い切って外に出てアカシヤの路でも歩いてみたい。
しかし結局我が倦怠がある魅力を持って私に寄り添い、テラスに出て庭の草花を
見 ....
立ち上る陽炎の道には郷愁を誘うものがある。
ある者はそれに故郷を想い、ある者は自己の魂の遍歴を見る。
忌まわしい出来事は時の彼方に去ったのだ。
ただ眼前に横たわる幻想に今ここに在る為の心の拠 ....
こんな晴れた日にはあなたに会いたい。
見えない翼を広げてあなたのもとに飛んでゆきたい。
あなたは驚くでしょう?
私には見えない翼があるってことを。

こんな風の涼しい日には今すぐあなたに ....
君が悲しみに暮れる夜。
見えない僕は君の傍らに腰掛けただ微笑んでいるよ。
言葉なんかいらないと思うけれど、
もし必要なら夜が明けるまで話をしよう。

君が記憶の扉の中、淋しさを感じる夜。 ....
群青色の夜空を指で穿つと銀色に輝くんだ。
ほら、そこかしこに。君に見えるかい。
君もやってごらんよ。
そうすればこの夜は満天の星空に変わり、君と僕は今繋がる。

僕と君、二人の手を重ね合 ....
七つの海を越えて今年も夏が来ましたよ。
あなたとお別れしてから五年がたちました。
元気でやっていますか。
もうたくさんお友達もできたことでしょう。
そちらは過ごしやすいですか。こちらは猛暑 ....
この線路を真直ぐ歩いてゆけば僕らの夢に辿りつけるのだろう。
灼熱の太陽も、吹き付ける砂塵も、もはや僕らの敵ではなく、
熱く燃え上がる僕らの前には一本の道があるだけだ。
先人たちの偉大さをその足元 ....
休日の昼間、よく空を見上げる僕は素敵な発見に歓喜する。
大空に浮かぶ雲は一つとして同じものは無い。
似たようなものはあるけれどまったく同じものは無い。
それでもみんな同じように風にたなびいて ....
あなたは自分を愛してくれる人に抱かれて消えたいと思ったことはないかい。
あなたは自分の頭を優しく撫でてくれる人に包まれてなお、このまま消えて
なくなりたいと思ったことはないかい。
一度でも感じた ....
深夜、ある着想をその手に掴んだ者はそっと詩を描くだろう。
詩神にその身を委ねる者がきっと在るだろう。
何の為に、などと野暮な事は聞かないでほしい。
心に溢れて仕方のないものを書き留める者こそ詩人 ....
あの晩、月は出ていたでしょうか。
風は無かったように感じます。
広い公園の芝の上のベンチに一人腰掛けていたあの晩です。
死が最も私にその身を寄せていたあの晩です。

私はどんな些細な言葉 ....
澱んだ川面に石を投げる。
幾度も、幾度も。
投げられた石は水を跳ね返す事も無く、
澱んだ川面にねっとりと吸い込まれてゆく。
 
石は私自身の言葉であるかのように音も立てず沈んでゆく。
 ....
上昇志向の階段を私は昇ってゆく。
脇目も振らず昇ってゆくので、私は周りの景色が分からない。
足元に広がる野に咲く薔薇よ。
お前はその身に纏った棘を研いで、私の転落するのを待っているかのようだ ....
窓辺のカーテンをすり抜けて、部屋中に漂う貧弱な香り。
太陽も顔を見せず、私の戸惑う心を反映した薄い雲が
空という画布いっぱいに塗りたくられている。
外を歩く人は思想の往来をただ足早に通り過ぎ ....
一杯の珈琲に人は人生を眺める事がある。
私は常にストレートでゆきたいが時にはミルクを入れたくなることもある。
私はあなたに想像の余地を与えない悪戯をしたくなる時があるが、
今回はやめておこう ....
その重たい扉の向こうにはあらゆる人生が生きている。
その人生を見ようと見まいと全ては自分の意思に委ねられている。
ふと足を止めるが答えは最初から決まっている。
私はその重い扉をゆっくりと開け ....
私は力強いものを求める時、大海を想う。
海はその不思議な力で私の挫けた心を救ってくれる。
雄大な空間に大きく放たれた魂が私に投げかける言葉、
『生きていればこそ。』

私は悲しみに暮れる ....
その時、私には見えたのだ。
彼の繊細なすべての指たちから薄く透き通った白い糸が出ているのを。
彼は己のリズムに体をくねらせて、黒い母体の敏感な部分に触れているのだ。
そしてその彼の指は決して ....
森に囲まれた白い家の個室で私は私の感性を解放する。
それらのうち、あるものは壁に反響して部屋中を駆け巡り、
あるものは開けた窓から外の空間へ抜けてゆき、そしてこれが一番厄介なのだが、
そのど ....
草原の中、黄色い自転車に乗って走り抜けてゆこう。
強烈な夏の日差しにも負けない冷たい風を全身に受けながら。

なんて爽快な午前。
この体にはびこる日常の現実が気持ち良く透き通った空間へ飛ん ....
高原に風がそよぎ、象徴の塔の輪郭を撫ぜる時、
私の感覚はあるひらめきと邂逅する。
詩作の種は私の心に蒔かれ、芽を出すのを静かに待つ。
風がその種を遠くに運んでしまわないように見守りながら。
 ....
素晴らしい朝が来た。私は心から生を満喫する。
創造の苦しみから解放された輝ける朝。
鮮やかな緑もたおやかに流れる川のせせらぎも私に優しく、
一杯の珈琲に込められた生の息吹に歓喜する。

 ....
明け方にふと目を覚まし手を伸ばす者は何かを掴むだろう。
ささやかな朝食の後、テラスに出て森の香りを浴びる者は何かを得るだろう。
アンニュイな午後、そよぐ風にその身を晒す者は何かを感じるだろう。 ....
ピアノの純音が美しければ美しいほどその裏には胸の張り裂けるような悲しみがある。
人は誰しも悲しみを背負っている。それは白鳥の慟哭にも似て。
力強くシャウトする歌声の陰には壮絶な人生がある。
 ....
天空を羽ばたく鳥のように優美で大胆なインプロヴィゼーション。
限りなき才能の泉から清水が次から次へと溢れ出ている。
もはやとどまることを知らない感情の洪水は
我々の乾いた喉を潤し、大河へと流 ....
夜風に吹かれながら、一人街を彷徨う。
レディ・デイの幻影を求めながら。
街角に佇む店先からはぼんやりとした灯りと
きっと見知らぬ男たちの奏でるジャズが漏れている。

 
もうどのくらい歩い ....
森の音楽家が奏でるピアノを聴きに行かないか。
それが僕のプロポーズ。
愛する君へのプロポーズ。
君が優しく微笑んでくれたら良いのだけれど。

森の美術館の香りを堪能しに行かないか。
こ ....
線香の匂いが漂う軒先で、手持ち花火を子供と遊ぶ。
そのうち妻も加わって家族三人花火を遊ぶ。
色とりどりの花が咲き、子供の顔に笑顔が浮かぶ。
隣の家の縁側で寝ていた猫が咳をする。

はしゃ ....
夏も盛りの暑い午後、私は一人途方に暮れる。
港の見える公園で黄色い薔薇が咲いている。
私の瞳に映るその薔薇を見つめる人はいないので、
薔薇は私がこの場から立ち去る事を許さない。

かつて ....
ヒヤシンス(425)
タイトル カテゴリ Point 日付
旅路自由詩3*13/8/24 17:03
真昼の気晴らし自由詩9*13/8/21 12:56
陽炎の道に立ちて。自由詩5*13/8/21 4:50
こんなに空が青いのに。自由詩7*13/8/18 16:04
もし僕が先に消えたなら。自由詩4*13/8/18 16:02
夜空の散歩自由詩3*13/8/18 15:58
お空の彼方にいる君へ。自由詩11*13/8/14 1:40
ONE WAY自由詩3*13/8/14 1:38
愛の鼓動自由詩2*13/8/14 1:37
純粋な心を持つ人へ自由詩5*13/8/12 4:25
詩人自由詩5*13/8/12 3:41
生かされる事。自由詩3*13/8/12 2:39
一服まで自由詩3*13/8/7 4:53
野ばら自由詩4*13/8/6 19:00
悲しき野心自由詩5*13/8/6 18:59
甦る魂自由詩5*13/8/5 3:02
ジャズ喫茶自由詩1*13/8/5 3:01
人生の舞台自由詩1*13/8/5 3:00
創造する者自由詩4*13/7/30 23:43
感受性〜生まれ持っているもの自由詩6*13/7/30 23:42
自然的感傷自由詩4*13/7/30 23:41
高原の風自由詩7*13/7/29 20:04
今、再び。自由詩3*13/7/29 20:01
詩作自由詩2*13/7/29 20:00
自分次第の人生自由詩6*13/7/28 3:08
精神の頂を掴む手自由詩3*13/7/28 3:07
Left Alone自由詩1*13/7/28 3:06
プロポーズと招待状自由詩5*13/7/25 18:02
家族花火自由詩7*13/7/25 18:00
望郷自由詩5*13/7/25 17:59

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